厚生労働委員会
(2005年3月30日)



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学童保育・BCG・性感染症・医療観察法案



○水島委員
 民主党の水島広子でございます。
 本日は、幾つかのテーマについて尾辻大臣にお尋ねをしたいと思います。
いずれも一つ一つきちんと御答弁いただかなければならない重要なテーマばかりでございますので、ぜひ大臣には明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
 まず、学童保育について伺います。
 少子化社会にありまして、ますますその役割が大きくなっている学童保育でございますけれども、私のところの上の子も学童保育のお世話になっておりまして、大変よく育てていただいておりまして、本当に心から感謝をしているところでございます。
 その学童保育に、この年度末になりまして大変なことが起ころうとしております。
厚生労働省は二月二十八日の全国児童福祉主管課長会議で、突如として、四月からの予算の組み方を大きく変えることを発表いたしました。
つまり、一施設への補助金として、これまであった障害児受け入れ加算、つまり障害児二名以上で年間六十九万円、時間延長加算、年間三十一万円、土日開設加算、すべての土曜日開設で年間二十二万円をすべてなくしまして、一律に約三十二万円だけを上乗せするというやり方でございます。
 そもそも、学童保育の補助単価は余りにも低いわけですから、三十二万円の上乗せそのものが悪いわけではございませんけれども、例えば障害児の受け入れなどは、頑張っているところには補助をするという方針でやってきて、ようやく浸透し始めたところなのに、今回の変更で完全に逆行してしまうことになりかねないと思います。
 これほど大きな変更を、一月二十日の厚生労働部局長会議でも全く知らせないで、二月二十八日に突如として知らせるというのは明らかに異常だと思います。
各市町村では、今までの制度に基づいて予算編成も済ませてしまっております。
ここに来て突然新しい方針を出されて、本当に混乱しているということでございます。
 なぜこんな急なことになってしまったのか、周知期間として十分だと思っていらっしゃるのか、この際撤回していただけないのか、責任者としての厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

○尾辻国務大臣
 放課後児童クラブに係る補助制度につきましては、本年一月二十日の全国厚生労働関係部局長会議において、交付申請手続の簡素化、補助基準単価等の大くくり化等により、地方自治体の自由度が高まることなどについて検討しておりまして、全国児童福祉主管課長会議の際には具体的に示すということをまずお知らせをしていたところでございます。
その上で、今お話しいただきましたけれども、二月二十八日に開催いたしました同会議において具体案をお示しいたしました。
 この日程につきましては、例年に比べまして必ずしも遅いものでもございませんけれども、やはり今お話しいただきましたように、地方自治体における準備などを考えますと、今後は、例えば別途に地方自治体に連絡するなど、より十分な周知期間を地方自治体が確保していただくための工夫は考えていきたいと存じます。
    
〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

○水島委員
 別途に連絡をするということでございますけれども、それが何を意味するのかということをもう少し明確にお答えいただきたいと思います。
障害児の受け入れについて別個に御検討いただけるということを意味しているのでしょうか。
 この障害児受け入れは、二〇〇一年から試行事業としてスタートしたもので、二〇〇三年からは、当初四人以上の受け入れだったものを二人以上として運用しやすくしたものでございます。
そういう意味でまだまだ新しい制度です。
 この間の補助金制度が功を奏して、障害児を受け入れている学童保育のある市町村は、一九九八年には全体の三四・五%にすぎなかったものが、二〇〇三年には四七・四%となっております。
そうはいっても、いまだに全体の半分の市町村では障害児の受け入れをしていないという現状でございます。
 障害児の受け入れが義務づけられているわけでもない、そして市町村の財政も非常に厳しい、このような現状で今回のようないわゆるマルメのようなやり方をしてしまいますと、障害児の受け入れが進まなくなるということを私は大変心配しているわけでございますけれども、大臣、個々への周知というものを、こういうことも含めましてしていただけるのかということをもう一度御答弁いただけますか。

○尾辻国務大臣
 先ほどもお答えいたしましたけれども、今回、放課後児童クラブに対する補助金の大くくり化につきましては、地方自治体の自由度を高めることでありますとか、交付申請手続の簡素化を図ることなどを目的といたしまして、今お話もございましたが、従来の障害児受け入れ加算等の加算部分を基本部分と一括して基準額を設定するという見直し案を先般の全国児童福祉主管課長会議でお示ししたところでございます。
 しかしながら、すべての加算を基本部分と一括して基準額に入れようという案をお示ししましたけれども、今先生のお話もございますし、特に障害児の受け入れということでいうと、これはまだまだというところがございますから、これは特別に考えた方がいいという判断を実は私どもも改めていたしまして、先生の御質問の趣旨を踏まえまして、地方の自由度を高めるという今回の見直しの趣旨も考慮しつつ、より効果的な補助の仕組みのあり方について早急に検討をいたします。

○水島委員
 これは、障害児の部分はきちんと別個に対応していただくような方向での御検討をいただくというふうに御答弁をいただいたという確認でよろしいでしょうか。
もう一度、議事録に載るように、はいと言っていただけますか。

○尾辻国務大臣
 そのような方向で検討をいたします。

○水島委員
 さすがは尾辻大臣、本当にありがとうございます。
 本当に、あさってから四月ということでございますので、ぜひ速やかに御検討をいただいて、障害児の受け入れなどを逆行させないためにしっかりとお取り組みをいただきたいと思います。
 政府がつくりました子ども・子育て応援プランにも学童保育の充実というのは明記をされているわけでございまして、どうやって全国的に実効性を上げていくかということが厚生労働省に問われていると思います。
子供の虐待ですとか障害児関連などについては、やはり地域間格差をなくすことを政府の責任の一つとして私は位置づけていただきたいと思っております。
 地方分権の流れの中でのナショナルミニマムの確保のあり方については、以前も大臣に質問をさせていただいているわけでございますけれども、このような観点を持ちまして、今回こうして英断を下していただきましたこと、本当に心から感謝を申し上げますけれども、ぜひこれからもこのように柔軟な対応をしていただけますように、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に、BCGについて伺いたいと思います。
 こちらもこの四月から大変なことが起ころうとしております。
結核予防法の改正に伴いまして、四月からBCGの直接接種が導入されます。
この接種時期については政令にゆだねられましたが、政令では、「政令で定める定期は、生後六月に達するまでの期間とする。
ただし、地理的条件、交通事情、災害の発生その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、一歳に達するまでの期間とする。
」とされました。
つまり、生後六カ月以上の時期の接種については任意接種となってしまい、公費負担の対象とはならず、かつ、予防接種法の被害救済制度の対象外となってしまうわけです。
 この件については、二〇〇四年十一月二十一日付で、日本小児科学会から厚生労働大臣に見解が出されています。
この見解では、第一に、定期接種の対象が生後六カ月までとされたことを問題にしています。
政令のただし書きの解釈の幅は非常に狭く、市町村等の実情を考慮しない内容となっています。
 具体的には、接種できない理由としての住民側の体調不良、家庭の事情、基礎疾患等で生後直後から六カ月過ぎまで入院していたこと、医師会等の協力や実施体制が整わない場合、小規模の村であって接種機会が少ない場合などは、定期接種としては一切認めず、市町村の法的責任であり、法定期間に接種できなかった場合には、任意接種となるとしているわけでございます。
 この結果、六カ月までに接種を受けなかった人が六カ月以降に接種を希望した場合には、任意接種となるために自費で受けざるを得なくなってしまいます。
また、市町村も財政的負担や接種時の事故への懸念から積極的な接種の姿勢がとれなくなります。
 その結果、BCG接種者は減少し、BCG未接種者を増加させ、ひいては小児結核患者増加につながるおそれがあります。
BCGは結核性髄膜炎などの重症結核症に効果があると言われておりますので、肺結核だけではなく重症結核症が増加する可能性もあります。
また、接種実施の現場は大きく混乱することが考えられます。
 また、任意接種であるということは、定期接種では認められていた接種医の免責、つまり、健康被害について賠償責任が生じた場合であっても、その責任は市町村、都道府県または国が負うものであり、当該医師は故意または重大な過失がない限り責任を問われるものではないというこの免責がなくなりますために、接種側には、接種事故を懸念し、時に接種にちゅうちょを示す場合も考えられ、接種率の低下に影響を与えるおそれも懸念されます。
 まず、小児科学会から出されておりますこの第一の懸念についての厚生労働大臣としてのお答えをいただきたいと思います。
大臣、大臣です。

○尾辻国務大臣
 まず、基本的なことだけをお答え申し上げました後、局長から専門的に答えてもらいたいと思います。
 結核につきましては、我が国は世界的に結核中蔓延国として位置づけられておりまして、乳児の結核の重症化を予防する観点から、今般の結核予防法の改正をお願いしておるところでございます。
 そして、BCG接種の前に行われるツベルクリン反応検査を廃止いたしますとともに、生後六カ月に達するまでの期間にBCGを接種することとしたところでございます。
 その後の答弁は局長にさせますので、お聞きください。

○田中政府参考人
 ちょっと技術的なことで御説明申し上げます。
 御承知のとおり、BCGの乳児に対する接種でございますけれども、乳児期の、つまり一歳までのお子さんの結核の重症化、これを防ぐというのが早期にBCGを打つ目的でございます。
ですから、遅く打ってしまうと、その早期の結核感染による重症な後遺症等を防ぐことができないということでございますので、結核感染前の生後早期に接種をするというふうにした法改正の趣旨に照らして、余り例外規定を広げてしまうということは必ずしも適切ではないというふうに考えているところでございます。
 また、乳児の保護者の希望によりまして、あるいは医師の判断によりまして、BCGを任意接種にするということは可能でございます。
 なお、任意接種につきましても被害者救済制度がございます。

○水島委員
 何か完全に支離滅裂な御答弁をいただいているわけでございますけれども、これはかなり重大な問題だと思います。
 生後半年までに接種した方が効果が上がるということは、それはそれで認めるとしても、半年までに打つように推奨するということと、半年を過ぎたら一切定期接種として認めないということとは、全く別の話だと思います。
 また、虐待傾向があるような親の場合に、半年を過ぎたからといって経済的問題を理由にして接種しないということは十分あり得まして、そのときにも小児科医が、これは決められていることだからといって子供の利益のために一生懸命説得をしたりということが必要になるわけでございます。
 虐待防止法を所管している厚生労働大臣として、そういうところに思いが至らないわけはないと思うんですけれども、また、少子化対策とか小児医療の充実というかけ声とは裏腹に、こうやってさらに小児科医を萎縮させるような内容の改定をしているというのは本当におかしいことだと思いますし、実際に任意接種ということになりますと、定期接種と全く違った枠組みになるわけでございますので、非常におかしいということになるわけです。
 これで、半年過ぎるまでに接種できないというケースは、いろいろなケースが考えられるわけでございますけれども、そういう医療上の必要があって接種できないというケースまで、例外規定を拡大する、いたずらに拡大するというようなところに一くくりにされるというのは明らかに常識を欠く答弁だと思いますけれども、これはちょっと大臣にお答えいただかないといけないので、最後にまとめて大臣から、ここから先は大臣にきちんと御答弁いただきたいと思うんですけれども、今までのところは、大臣、御理解いただけましたでしょうか。
はい。
 では次に、日本小児科学会のもう一つの懸念もこれに多少関連することですので、これについても伺いたいんですけれども、もう一つの懸念というのは、これが出生直後からのBCG接種の積極的な奨励につながりかねないという点でございます。
 我が国では、小児科学会を初めとした専門機関、団体の意見に基づき、生後三カ月以降の接種が標準とされております。
きょう皆様のお手元に資料として配らせていただいておりますのは、これは厚生労働省からいただいたものですけれども「予防接種と子どもの健康」、厚生労働省が監修をしておりますが、この六ページの部分を皆様のお手元に配らせていただいております。
 そこを見ていただけるとおわかりになるんですが、BCGがこの表の一番下にありますが、確かに予防接種法で定められた予防接種の期間、法定期間としては生まれた直後から四歳までという白い囲みになっておりますが、できるだけ接種を受けましょうという推奨期間は三カ月から一歳まで、そこの部分に斜線がかかっております。
厚生労働省が監修をしている、そして厚生労働省からいただいたこのパンフレットでも、明らかに三カ月からが望ましいということをしっかりと認めているわけでございます。
 BCG接種の最も重い副反応として致死的な全身性BCG感染症が存在しますが、接種時期を早めて、新生児期や生後一カ月などの時期に接種を実施すれば、免疫不全症児に接種をしてしまう、致死的な全身性BCG感染症を生じさせる可能性があります。
諸外国の報告では、乳児の致死的副反応は百万人に一から一・五六例程度で、その場合の多くが免疫不全者に対する接種であったと言われております。
 我が国でも極めてまれですけれども重篤な副反応報告も見られまして、可能な限り副反応を減少させる努力が求められています。
そのために我が国では、従来から、免疫不全者に接種することを避けるためにBCG接種時期は集団接種では生後三カ月からとし、新生児期や生後一カ月などの時期を避けてきました。
重症複合免疫不全症を主とする細胞性免疫不全症候群三十四例の感染起始月齢を見ると、七四%が三カ月以前であったと報告をされております。
このことは、新生児期に接種せず、早くても三カ月以降に接種してきたことの妥当性を意味しております。
 また、最近の症例の登録事業のデータによりましても、重症複合免疫不全症の発症月齢は三カ月以内が四五・八%、慢性肉芽腫症でも発症月齢は三カ月以内が三七・八%あったと言われており、原則生後三カ月からの接種の妥当性が示されていると言えます。
 さらに、諸外国では、結核感染リスクが高くBCGの副反応より結核感染によるリスクの方がはるかに高い途上国では生下時すぐの新生児期接種が一般的ですけれども、結核感染リスクが低下してきた欧州の各国では、新生児期に接種することで避けがたい致死的な全身性BCG感染症を回避する目的で、接種時期の乳児期後期への変更が行われてきているというのが現状でございます。
 定期接種の対象を今回生後直後から六カ月というふうに限定してしまいますと、接種時期がどうしても前倒しになってしまうという危険性があると思います。
この日本小児科学会の二点目の懸念について、大臣の御答弁をお願いいたします。

○尾辻国務大臣
 先ほど来申し上げておりますように、乳児期の結核の重症化を予防する観点ということで、接種時期を生後直後から生後六月に達するまでの期間とした、できるだけ早い方がいいだろうというのが今回の法改正の趣旨であるということは再三申し上げております。
ただ、そのことについて専門家の間でもさまざまな御意見があることは承知をいたしております。
 そして、二点目のお尋ねでありますが、これは率直に言わせてください。
専門家でない私には、非常にわかりづらい部分が多くございました。
したがいまして、少し勉強させていただく時間をお与えいただきたいというふうに存じます。
 そして、申し上げましたように、専門家の間でもさまざまな御意見があるわけでありますから、そしてまたケース・バイ・ケースで、まさにいろいろなケースも考えられるというようなことでありましょうし、私なりの勉強させていただく、検討させていただく時間をお与えいただきますようにお願いを申し上げます。

○水島委員
 先ほどいろいろなことをずらずら言いましてわかりにくかったかもしれないので、簡単にまとめて申し上げますと、つまり、免疫不全のお子さんにBCGを接種してしまうと、それが非常に重症な、時には命にかかわるような副作用を起こすことがある。
その免疫不全の特にそういうBCGと相性の悪いもの、これが診断されるのは大体三カ月以内に、大ざっぱに言ってしまうと約半分が診断される。
ですから、まず集団接種、一律に接種する場合には三カ月以内を避けるということで、そういう非常にハイリスクなお子さんたちの約半分をそこで避けることができる、リスクを避けることができるということになるわけです。
 集団接種の場合はそのような考え、また、もう一つは、主治医がきちんとついていて、このお子さんはどうだろうな、ちょっと怪しいなと思いながら慎重に様子を見ていくというケースもございます。
そういう場合に、何とかこの子にはBCGは打てそうだという判断が、一歳ぐらいになってからその判断が下されるというケースも実際にあるわけでございます。
そういうときに、単に半年を過ぎているからこれは定期接種として認めない、そのようなことは医学的に考えてもどうしてもおかしいわけですけれども、最初に申しました、まず三カ月以内を避ければ非常にそういう命にかかわるような重度の副反応を約半分のお子さんで避けられるという場合であれば、厚生労働大臣としての当然の判断としては、三カ月以内は避けましょうというのが当たり前の判断だと思いますけれども、そこはいかがなんでしょうか。

○尾辻国務大臣
 私が承知いたしておりますことを申し上げます。
 今のお話でありますけれども、およそ数十万人に一人の割合で発生するケースだというふうに承知をいたしております。
そして、これらの疾患というのは必ずしも一般的に生後三カ月の間に診断されるわけではなく、これを理由として接種を生後三月以降に限る必要まではないというふうに承知をいたしております。

○水島委員
 全然納得していないんですが、ちょっと厚生労働省の方に確認したいんですけれども、今の大臣の答弁、また今回の方針に基づきますと、今お手元に配っているこの図、斜め線がかかっているこの部分、ここの書きぶりというのはどういうふうに変わるんでしょうか。

○田中政府参考人
 御指摘の「予防接種と子どもの健康」の記述でございますけれども、これは財団法人予防接種リサーチセンターのつくりましたガイドラインでございます。
今回の法改正後は、接種時期は生後直後から生後六カ月に達するまでの期間というふうに法令上書かれておりますので、そのとおり記述されるようにお願いしているところでございます。

○水島委員
 もう少し、この白い枠組みの法定の部分と推奨の接種の時期、斜め線をかけているところ、これについてもっと教えてください。

○田中政府参考人
 繰り返しになりますけれども、ゼロから六カ月までのところになるということでございます。

○水島委員
 ゼロから六カ月、全部べたで斜め線がかかるというふうに考えていいんですか。

○田中政府参考人
 斜線というのはあくまで推奨するということでございまして、新しい版では白になっております。
つまり、これは法律に書かれているのがこういうことであるということで、そのように表現をさせていただいたということでございます。

○水島委員
 白といいましても、ほかのポリオ、三種混合、麻疹、風疹、日本脳炎、みんな白の枠の中に斜線部分が必ずあって、麻疹なんかもかなり短いんですがきちんと推奨期間というのがあるんですけれども、BCGだけただの白抜きですか。

○田中政府参考人
 これは、予防接種法上どういうふうに規定されているのかということを反映したものなんですが、予防接種法上は、白い部分が法定に、記載されているような表現ぶりになっておりまして、通知でもって推奨期間を定めているところでございます。
そうすると、そこの部分を斜線にしてあるという表現になっております。
BCGの場合はそういう推奨するということを現在のところしておりませんので、法律に書かれたものだけが表現されているということでございます。

○水島委員
 推奨するという通知をしていないという割には、なぜ厚生労働省が監修しているここで斜線部分というのが三カ月からになっているんですか。

○田中政府参考人
 ちょっと過去のことに関しては、よく詳細わかりませんけれども、恐らく、その後ろの方に編集委員というのが書かれておりますので、その先生方の御判断でそういう推奨というのがされているのではないかというふうに判断しているところでございます。

○水島委員
 先ほどの御答弁、その法律と通知に基づいてこれをつくっているというのと、今の後ろの先生方の御意見というのと、既に矛盾しているわけなんです。
 先ほどから、大臣、恐らくきちんとした情報を上げてもらっていないんじゃないかなと思うんですけれども、これは明らかに、大臣が今まで役所の方からお聞きになっているということは、結局、三カ月までの部分に何もその大半が診断されるわけではないとか、ちょっと間違った説明を受けているんじゃないかなという気がするんです。
尾辻大臣がそのような事実を踏まえた上で、まさかこんな判断をされるわけがないと私は思いますので、もう一度正しいレクチャーを受け直していただきたいなと思うんです。
 大臣、先ほどから申しているように、例えば免疫不全の疑いがあるとか、あるいは物すごく低体重で、未熟児で生まれた赤ちゃんとか、そういうお子さん、長期にわたって入院されていたりとか、全く生き延びるだけで精いっぱいで、それ以外のことがとてもできないような状況のお子さんというのが生まれますよね。
そういうお子さんが、例えば半年過ぎるまで入院をされていた、小児科医もこんな子にBCGを打つなんてとんでもないと言ってきた。
そういう子が、半年を過ぎました、どうにか元気になってきました、では、結核になると困るからBCGを受けましょうといったときに、その子が定期接種にならない。
それは任意で、どうぞ自分のお金を払って、それで何か問題が起こっても小児科医のリスクで、どうぞ勝手にやってください、厚生労働大臣は全くそんなの知りません。
そんなことが言えるんでしょうか、大臣。

○尾辻国務大臣
 確かにその後は、六カ月を過ぎると、任意の接種として接種していただくことが当然のこととして可能であるというふうには考えておりますけれども、そのことに対してどう考えるかというような今のお話でもございますし、前段の今の先生のお話もありますから、私ももう一回よくその辺の話は聞き直してみます。

○水島委員
 私の一番の希望は、今までどおりに、法定期間を変えないで、ただ六カ月以内に受けてくださいということをぜひ推奨だけしていただきたいというのが私の希望でございますけれども、どうしてもそんなのだめだという場合には、せめて、この定期接種と認めるべき要件のところに、「医師が必要と判断する場合」、それを一言入れていただくだけで、その子たちの個別の状況を医師が判断できるように、一番わかっているのは主治医ですので、その医師の意見が反映されるように、せめて、最低限それだけでも変えていただきたいと思うんですが、先ほど学童のことについてすぱっと御英断をくださった大臣のことですから、よもや、これはだめだとおっしゃるわけはないと思うんですけれども、尾辻大臣は子供の味方ということで、これは絶対に御検討いただけると、もう一度一言お約束いただけますでしょうか。

○尾辻国務大臣
 検討はいたします。

○水島委員
 ぜひ、きょう私が質問申し上げましたこと全部にすらすらと答えられるような検討の結果を出していただきたいと思います。
 私、何も非常識なことは申していないつもりでございます。
当然、厚生労働行政にかかわる方たちにとって当たり前のことを申し上げてきたつもりでございますので、ぜひ検討をしていただいて、その結果をきちんといただけますように、そして必ず、この方針を、これは政令事項でございますので、そこに一言その要件を加えるということを何らかの形で各市町村に伝わるようにしていただけますように、どうぞ必ずよろしくお願い申し上げます。
今、力強くうなずいてくださっておりますので、尾辻大臣なら必ずやり遂げてくださると楽しみにしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
これも、もうあさってからの話ですので、駆け込みで申しわけないんですけれども、小児科学会の方は去年から言っているようでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、残り時間があと二十分になってきたんですけれども、次に、エイズ及び性感染症についてお伺いしたいと思います。
 エイズ動向委員会の報告によりますと、二〇〇四年の速報値では、HIV感染者七百四十八件、エイズ患者三百六十六件といずれも過去最高となっておりまして、また、献血された方からのHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数も九十二件、十万件当たりの陽性件数は千六百八十一件で過去最高となったとあります。
 まさに危機的な状況にあると思われますけれども、大臣はそのような認識をお持ちになっておりますでしょうか。

○尾辻国務大臣
 御指摘のように、エイズ動向委員会からの報告によりますと、速報値ではございますけれども、二〇〇四年の一年間に新たに報告されたHIV感染者、エイズ患者は、合計千百十四件と、初めて一千件を超えております。
 また、これまでの累積数も約一万件、正確に言うと九千七百八十四件でございますが、となっておりまして、極めて危機的な状況が続いておるというふうに認識をいたしておるところでございます。

○水島委員
 正しく認識していただけているということでございます。
 また、最近、G7の中では、ここのところエイズ患者がふえ続けているのは日本だけということで、先進国のエイズ関係者などの集まりでは、日本のエイズ対策の取り組み方の甘さが話題になっているということを医者の仲間などから伺うことがございますけれども、エイズ患者がふえ続けているのはG7の中では日本だけというのは事実なんでしょうか。

○尾辻国務大臣
 今の御指摘の点でございますけれども、HIV感染者まで含めて考えますと、例えばイギリスにおいても増加傾向が見られるところではございますが、エイズ患者に限って言いますと、御指摘のとおりに、日本においてのみ患者数が増加しておるところでございます。

○水島委員
 このようなゆゆしい現実を前に、国としてはどのような取り組みをしておられるのでしょうか。
また、その効果はどのようになっているんでしょうか。

○尾辻国務大臣
 先ほど申し上げましたエイズ動向委員会の報告でございますが、その中に、我が国におけるエイズの最大の感染経路が性的接触であることを言っております。
そのことを踏まえまして対策を考えておるわけでございますが、感染拡大を防止するために、HIV、エイズに関する正しい知識の普及啓発、それから利用者の利便性に配慮した検査体制の充実、さらにエイズ治療拠点病院における医療体制の整備などの取り組みを進めておるところでございます。

○水島委員
 効果も聞きました。

○尾辻国務大臣
 失礼いたしました。
 それらの効果を見ますと、例えば、これらの取り組みにより保健所等においてみずから検査を受ける方々の数が年々増加しておるところでございます。

○水島委員
 今大臣がおっしゃいましたように、エイズと性的接触ということは重大な関係がございまして、エイズの前には性感染症ありという言葉をよく耳にするわけでございます。
HIV、エイズが拡大する背後には性感染症の拡大があるということでございます。
日本における性感染症の現状もかなりゆゆしいものとなっておりますけれども、大臣の現状認識と、それに対してどのように取り組まれているのかの御答弁をお願いいたします。

○尾辻国務大臣
 お話しのとおりでありまして、性感染症は、若い男女における大きな健康問題の一つでございまして、重要な課題と認識をいたしております。
 そして、発生動向調査の結果によりますと、増加傾向にあります性感染症も認められますことから、今後も、発生動向の的確な把握に努めますとともに、先ほど申し上げましたものとダブるところもございますけれども、感染予防のための正しい知識の普及啓発、保健所が行う性感染症検査の支援、相談指導の実施など、取り組みを今後も積極的に進めてまいりたいと考えております。

○水島委員
 私も、厚生労働省が出されています性感染症に関する特定感染症予防指針を拝見させていただきました。
これを読みますと、実にきめ細かな対応策がまとめられておりまして、感服をいたしました。
今、これの見直し作業に着手しているということも聞いております。
もちろん、時代に即した検討を加えていくということはとても大切なことでございますけれども、それ以前に、ここに提起されておりますきめ細やかな一つ一つの事項がどう実行されているのかということの検討が必要だと思いますけれども、どのように検討されて総括をしていらっしゃるんでしょうか。
これも大臣にお願いいたします。

○尾辻国務大臣
 今御指摘いただきました予防指針でございますが、これは、感染症法に基づきまして平成十二年に策定されたものでございます。
同指針に沿いまして、国、地方公共団体、医療関係者、民間団体等が連携して普及啓発等に積極的に取り組んでおるところでございます。
 厚生労働省でも、厚生労働科学研究事業を通じまして、同指針の活用状況の把握に努めますとともに、性感染症対策をより実効性の高いものとするために、エイズ・性感染症ワーキンググループにおいて同指針の見直し等についても検討を行っておるところでございます。

○水島委員
 具体的に、今まで足りなかったところというのはどのようなところというふうに、大ざっぱで結構ですけれども、どういうふうにとらえていらっしゃるんでしょうか。

○田中政府参考人
 今具体的に申し上げることはできないんですけれども、例えば、普及啓発につきましては必ずしも十分ではないという御指摘をいただいておりますし、検査の体制につきまして、先ほど大臣が言われましたが、検査件数はふえているということでございますけれども、夜間あるいは休日等における検査というのが必ずしも十分ではないというようなこと、あるいは、医療に関しましてもまだまだ不十分であるというような御指摘をいただいているところでございます。

○水島委員
 今何でお答えいただけないのかわからないんですけれども、これはきのう質問を事前通告しておりまして、その質問取りのときには、教育機関との連携が悪いとかずばりお答えになっていたので、それをちょっと今御答弁いただきたいんですけれども、どうでしょうか。

○田中政府参考人
 今申し上げましたのは、私どもの省の中の問題でございますけれども、他省との連携という面でも必ずしも十分ではない点は御指摘いただいております。

○水島委員
 まさにそれなんですね、今まで足りなかったことというのは。
厚労省が書き上げられたものは本当にきめ細やかですばらしいことが書いてあるんですけれども、十代までの若者、子供たちというのは学校に行っているわけですから、こんなすばらしいものが仮に保健所にあったとしても余り関係ないんです。
いかに、これを教育現場と連携して、実際に当事者となる子供たち、若者たちの目に触れさせるかというところが重要であって、厚生労働省内のことばかり総括されていても全く意味がないということをきょうは声を大にして申し上げたいんですけれども、今まさにそれを実演していただけたものということで、ぜひ、大臣には、これが現状なんだということをまず御理解いただきたいと思うわけでございます。
 そして、教育機関との連携、後ほど続けさせていただきたいんですが、ちょっとここで過去の復習をさせていただきたいんです。
私、二〇〇二年七月十七日の厚生労働委員会で、十代の性の問題について質問をさせていただいたことがございますけれども、そのときに、性感染症の問題とともに、十代の人工妊娠中絶の多さという、これもまた重大な問題について質問をいたしました。
その際に、私は、緊急避妊薬について質問をいたしました。
 日本以外の国では緊急避妊法というのがございまして、レイプされた、コンドームが破損した、避妊できなかったなど非常事態のとき、七十二時間以内にある薬剤を飲んだり、子宮内避妊具を使ったりという方法がとられております。
二〇〇二年七月の段階では、開発に取り組んでいる企業が一社あるので、その状況を見て適切に対応したいという御答弁をいただいておりますけれども、これはその後どうなったんでしょうか。

○阿曽沼政府参考人
 お答えを申し上げます。
 緊急避妊薬の問題でございますけれども、現在開発に取り組んでいる企業が一社ございまして、治験届を提出していただきました。
ただ、内容に十分でないという点がございまして、企業の方からもう一回届け出を取り下げて治験計画を見直すということのお話がございまして、現在企業の方で見直しが行われているというふうに承知をいたしております。
 当該企業は、接触いたしましたところ、専門家の意見も聞きながら早期に治験を開始できるように検討中であるというふうに聞いておりますので、今後、その開発が適切に進められますように、私どもといたしましても、学会等の意見も聞きながら、医薬品医療機器総合機構による治験相談の制度を活用するなどいたしまして、適切に対応していきたいというふうに考えております。

○水島委員
 この緊急避妊法というのが存在しないのは、先進国の中では日本だけだというふうに伺っております。
日本人は特に望まない妊娠が多いわけですから、本当に心も体も傷つける人工妊娠中絶を防止していくためにも、これは早急に緊急避妊法を使えるようにすることが重要だと思っております。
 今治験のことについての御説明があったわけでございますけれども、本当にこの緊急避妊法のようなものが治験になじむのかというのは、私、とても疑問がございます。
そういうレイプされたとか何か突然の非常事態で、いつ訪れるかわからない人を待ち続けて、来院した場合に、同意書をとって必要な措置がとれるのかどうかというと、ちょっと考えてみれば、これは変な話なんです。
 それで、アメリカも、EU諸国も、自国での治験結果を踏まえて承認したのではなく、WHOの治験結果をもって承認をしているわけでございます。
薬剤の安全性の検討については、もちろんこれはきちんとしなければいけませんけれども、望まない妊娠に苦しむ女性たちが、いつできるかわからない治験の結果を待てるんでしょうか。
これは、このままの状態を放置していいのかというのはとても疑問が残ります。
 二〇〇二年に質問をさせていただいて三年近くが今たっているわけでございますけれども、もうこんなにたっているわけですし、WHOの治験結果のみで承認した国もアメリカとかEU諸国とかあるわけですから、国民の幸福を願って、そのような超法規的な措置はとれないものなんでしょうか。
これは大臣に伺いたいと思います。
    
〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

○阿曽沼政府参考人
 治験の問題は、御指摘のように大変デリケートな問題でございます。
それで、今この薬につきましては、開発をする企業が早期に治験を開始できるように努力をしているということでございますので、私どもとしてはそれを見守りたいと思っております。
 ただ、WHOの治験をどう活用するかとか、あるいは海外の治験をどう活用するかということについては、当然、十分意を酌み取っていきたいというふうに思っております。

○水島委員
 では、これはきちんと具体的にいつまでに何をしていただけるという形で、もう一言御答弁いただけますか。

○阿曽沼政府参考人
 具体的にいつまでとかいうことについては申し上げるわけにはいきませんけれども、いずれにいたしましても、企業等あるいはまた関係学会とも十分御相談して対応していきたいというふうに思っております。

○水島委員
 官僚の方がお答えになった感じとしては前向き答弁かなという感じがするんですけれども、大臣、これは本当に、日本だけがそういうものが使えない。
その結果として、結果として中絶をしなければいけない人ができてしまっている。
それも、レイプとか、全く本人に罪のないようなことでこういう被害に遭っている。
そういうことが放置されているのは先進国では日本だけということは、もしかしたら大臣は今初めてお聞きになったかもしれないんですけれども、何かしなければいけないなということは今御答弁いただけますでしょうか。

○尾辻国務大臣
 少なくとも五十カ国以上で販売されておるということでございますから、早急に検討しなきゃならない課題だとは考えております。

○水島委員
 ぜひよろしくお願いいたします。
 それで、残り時間が五分になってきたんですが、きょう文部科学省からもいらしていただいておりますので、ちょっと一つ質問させていただきたいんです。
先ほどの文部科学省との、教育現場との連携ということなんですけれども、先ほどのこの性感染症の特定感染症予防指針では「近年増加が報告されている若年層を対象とした普及啓発を予防対策の中心とする必要があるため、学校等におけるいわゆる性教育と積極的に連携していく必要がある。
」と明記をされているわけでございますけれども、これに基づいて、エイズや性感染症予防を念頭に置いた文部科学省及び学校での取り組みの現状を教えていただきたいと思います。

○尾山政府参考人
 お答え申し上げます。
 性感染症の予防の上で学校教育の果たす役割は極めて重要であると認識しておるところでございます。
 具体的には、エイズや性感染症につきまして、中高等学校の保健体育科を通じまして、その疾病概念、感染経路及び予防方法のほか、予防には社会的対策とともに個人の適切な行動が必要であることについて理解できるようにすることとしておるところでございます。
 また、文部科学省では、性感染症に関する教師用指導資料でございますとか、中高校生を対象といたしましたエイズを知るためのパンフレット等を作成、配付しておるところでございます。
さらに、学校の要請によりまして各診療科の専門医の派遣を行うなど、学校と産婦人科医等が連携しながら児童生徒の心身の健康相談や健康教育を行うために、学校・地域保健連携推進事業を平成十六年度より開始しているところでもございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、性感染症の予防の重要性にかんがみまして、厚生労働省とも連携しながら、学校教育における性教育の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

○水島委員
 日本家族計画協会の北村先生が行いました全国調査の結果が今手元にございますけれども、六割を超える国民が、コンドームの使い方については中学卒業までに知っておくべきだと回答しております。
性感染症予防にはコンドームが必須であるということは常識となっているわけでございますけれども、やはり義務教育の間に自分の健康を守るための最低限の知識は身につけられるようにするのが文部科学省としての責任ではないかと思っておりますが、このあたりはきちんと中学までに教えられているんでしょうか。

○尾山政府参考人
 コンドームについてでございますけれども、中学校の保健体育科におきまして、エイズや性感染症の予防方法について指導することといたしておりまして、コンドームを使うことが有効であることにも触れることになっておるところでございます。

○水島委員
 有効であることにも触れるということなんですけれども、自分自身の中学時代なんかを振り返っても、ちょっと触れられたようなことを覚えているとはとても思えませんので、やはり教育のあり方というものは本当に工夫していただく必要があると思います。
 教育のあり方としては、科学的な事実をきちんと教えるということが第一の柱、そして、性という問題を通してお互いの人格をどのように尊重し合うか、そのためのコミュニケーションの方法はどうあるべきかといったことを教えるのが第二の柱だと思っております。
 この双方を踏まえた効果的な教育方法の一つにピアカウンセリングがございます。
日本語で言えば、同世代同士の話し合いというところだと思いますけれども、ピアカウンセリングを効果的な教育法の一つとして御認識いただけていると思いますが、そのような認識に基づいて、さらに厚生労働省と文部科学省ときちんと連携をしていただきたいと思います。
 最近、性教育批判が少数派によって繰り返されているだけではなく、それにおびえた学校がしり込みして、国民の基本的権利としての学習機会を奪ってしまっているということは許しがたいことであると思っております。
方法論には、もちろん今申し上げましたように、もっと改善すべきこともあると思いますけれども、しかし、一たんインターネットやビデオなどに向かえば、目を覆いたくなるほどの性情報がはんらんしているわけですし、きちんとした性教育によって、科学的、具体的な情報を提供しなければ、子供は偏った情報のみにさらされることになってしまいます。
 教育現場の果たす役割は限りなく大きいと思いますので、ぜひ、これは厚生労働大臣として、文部科学省との連携を、先ほど見ていただいたとおり、本当にそれぞれの省庁の中にとどまっている限りこれは全く効果をあらわさないということになりますので、ぜひこれはきちんと意気込みを持っていただきたいと思います。
 また、世界では常識となっております、先ほど言いましたような緊急避妊法などが使えないということが、逆にコンドームの使用に積極的になれない原因になっている可能性もございますので、エイズ、性感染症を、感染症という視点だけでとらえるのではなく、人間の性と生殖に関する健康という広い視野から取り組んでいただきたいと思います。
 そして、最後に一言申し上げますけれども、昨日の参議院厚生労働委員会で民主党の朝日俊弘議員が質問しておりましたが、心神喪失者医療観察法について私からも一問質問させてください。
 これは、二〇〇二年から二〇〇三年にかけて国会で大議論になった法律でございます。
大臣は当時大臣ではありませんでしたけれども、私たちは民主党としての対案を提出しまして政府案に反対いたしましたけれども、それを押し切って無理やり成立させたという経緯があるのは大臣も御存じだと思います。
 ここのところの報道によりますと、施行日までに専門病棟が確保できないので、経過措置としての代用を可能にできるように施行期限前に法改正する検討に入ったということが言われておりまして、きのうの質問に対しまして、大臣は、とりあえず努力はするけれども法の施行は必要というような答弁にとどまっております。
 あれだけの議論を経て、鳴り物入りでスタートさせる制度なのですから、準備が整っていないのであれば、法施行を凍結させるのが筋だと思います。
まさか代用などということはあり得ないと思いますけれども、最後にその点だけ確認させていただきたいと思います。

○尾辻国務大臣
 医療観察法の件でございますけれども、これは精神医療や精神保健福祉を底上げするために、どうしてもこの法律をしっかりと施行することが必要不可欠であるというふうに考えております。
このことは昨日も申し上げたところであります。
 確かに、指定病院の確保ということが非常に厳しい状況にあることもまた事実でございます。
このことも申し上げました。
 そこで、私どもとしては、とにかくぎりぎりまでの努力をさせていただきたいということを今申し上げておるところでございます。

○水島委員
 今大臣がおっしゃったようなことは、私たちは当時の審議のときからずっと指摘をしてきたことばかりでございますので、とりあえず、きょうは一言、宣戦布告のようにさせていただいて、これからしっかりとこの点については議論をさせていただきますように、くれぐれも安易なことをされないように最後にお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。








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