法務委員会(2002年12月6日)



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心神喪失者医療観察法案について






○水島委員
 水島広子でございます。
 本法案の審議の中で、私たちは、鑑定の適正化ということを繰り返し訴えてまいりましたし、それに関する法案も提出してまいりました。
それはそれで重要なことでございますけれども、では、適正な鑑定に基づいて本法案の対象外となって刑務所に行った人が、それですべてが解決するかというと、そんなことはないわけでございます。
 来週、法務委員会でも名古屋刑務所の視察に行く予定というふうに聞いておりますけれども、日本の刑務所も、今、過剰収容という大きな問題を抱えております。
刑務所における暴行殺人事件は決して免罪される性質のものではございませんけれども、過剰収容の中で刑務官の負担が大きくなっているという現状は深刻な背景だと思っております。
 悪いものは閉じ込めて切り捨てておしまいという発想だと、社会のさまざまなところにひずみが生じてまいります。
この審議の間も与党議員からは、犯罪者なんだから罰して当たり前、こんな審議は意味がないというような個人的な声を聞いてまいりました。
どうも認識がゆがんでいるのではないかと私は思います。
 そもそも日本の刑務所は懲罰のためのものではなく、その人が再び犯罪を犯したりすることがないよう矯正するという目的を持っていると思いますけれども、この点は法務大臣に確認していただけますでしょうか。


○森山国務大臣
 おっしゃるとおりでございまして、我が国の行刑施設では、受刑者の確実な収容確保を図る一方、その処遇に当たりましては、個々の受刑者の特性に応じて、懲役刑の内容としての刑務作業を科するほか、職業訓練、教科教育、処遇類型別指導、釈放前の指導などを実施いたしまして、受刑者の社会復帰に向けての改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図るということを旨としております。


○水島委員
 そうしますと、やはりその人が二度とそのようなことを犯さないようにどのような体制を整えることが重要かという観点に立ってすべての問題をとらえていくべきだと思いますけれども、精神障害の有無にかかわらず、犯罪を犯す人は自分自身が虐げられて育った経験を持つ人が多いわけでございます。
私も今まで法務委員会で、心のケアをすることによって再犯率を半減させたアメリカのデータなどを紹介し、一般の再犯も減らせるような処遇の必要性を訴えてまいりました。
 明らかな精神障害を有する人に刑務所での精神医療を適正に提供することの重要性は先日の質問の中でも申し上げましたけれども、そうでない人も、ただ単に規律ある生活を厳しく押しつけるだけではなく、自分も他人も大切にできるような心のケアが必要だと思っております。
また、反社会性人格障害の人は当然刑務所に行くわけでございますけれども、この方たちに対しても特有の矯正のあり方というものを考えなければならないと思っております。
 心の問題について主管しているのは厚生労働省ということになっていると思いますけれども、この点については、どういうふうに法務省と連携していくつもりでしょうか。
本法案の対象者ではないから、またそういう一般の刑法犯の人たちは法務省の管轄だからと、見て見ぬふりをしてもよいのでしょうか。
厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。


○坂口国務大臣
 刑務所等におきます医療につきましては法務省の方で適切に行われているんだろうというふうに思いますが、しかし、そこで何か足りないものがある、そして我々の方にこういうことを協力すべきだという御指示がありますれば、それは私たち喜んで参加をしたいというふうに思いますし、そしてその必要な部分について私たちとして十分に考えていかなければならないというふうに思っております。
 それは、人の配置の問題なのか、そしてそういう専門家を養成することが大事なのか、そうしたことについてお話を伺うということになれば、私たちもそれに対応したいというふうに思っております。


○水島委員
 今大臣は、刑務所の中での精神医療は適正に提供されていると思うというふうに答弁されましたけれども、その不十分さというのはいろいろなところで指摘をされていますし、森山法務大臣も先日認めてくださったものと思っているわけでございますけれども、これを坂口大臣が御本心から適正に行われているとおっしゃったのだとすると、精神医療の質に関しての御認識が余りにもゆがんでいるのではないかと言わざるを得ません。
 恐らく、そういうことではなくて、他の省庁の管轄することだから直接それに関して文句を言えないというお立場での御答弁だったのだと思いますけれども、そうであれば、逆に今度は、縦割り行政のために、よその省庁が提供している精神医療、本来自分の管轄のところであればもっと質を高められるけれども、それに手を出すこともできないというこの縦割り行政の弊害がまたここに見えてくるわけでございます。
 今、そのことについて御要望があれば協力したいと厚生労働大臣が答弁をされたわけですけれども、それでは、法務大臣の御要望はいかがなんでしょうか。
先日も私は質疑の中で触れさせていただきましたけれども、例えば、刑務所に本人の主治医が訪ねていってきちんとした治療をしたり、あるいはアメリカのようにNPOが刑務所の中でグループ療法のプログラムを施したりということは考えられないのでしょうか。


○森山国務大臣
 被収容者の健康管理や病気になった場合の医療指導、医療措置などを講ずることは行刑施設の重要な仕事の一つでございまして、行刑施設に勤務するお医者さんなどが治療や指導等に当たっているわけでございます。
 もっとも、監獄法施行規則の規定によりまして、個別具体的な状況に応じ、受刑者の治療のため、特に必要が認められるときは、行刑施設に勤務する医師以外の医師に治療の補助をさせることを認めることができることとなっております。
 受刑者の心のケアにつきましても、そのために、当該受刑者と主治医との間における信頼関係がその治療や指導等に重要な意味を持つこともよくわかることでございますので、行刑施設長におきまして、収容目的等を考慮しながら、御指摘のような方法をも含めて、具体的な事例について適切に判断しているものと考えております。


○水島委員
 先ほどからも質問の文脈の中で申し上げてまいりましたけれども、明らかな精神障害を有していて、それに対して明らかに治療が必要な人に対して、個々の事例に応じて、その治療を刑務所の中で行うのか、あるいは外の医師に頼むのかというような判断が必要だということは現状でも認識されているのだと思いますけれども、私が申し上げたかったのは、もっと全般に、例えば先日、私は大臣に少年犯罪の加害者についての質問をさせていただきましたけれども、自分自身が虐待されて育てば自分のことを大切に思えない、そんな人はほかの人のことも大切に思えないのだから人の命や権利の重要性を認識することができないという当たり前の理屈があると思いますけれども、そういう全般的な矯正という仕組みの中に、どうやって最新の心理学的あるいは精神医学的知見を取り入れて、そして最終目標である、その方が再び犯罪を犯すようなことがないような、社会人としてきちんと責任を果たしていくような、そんな矯正のあり方を、ぜひ厚生労働省とともにきちんとした連携をして考えていっていただきたいと思っております。
今までの、個別の事例に対する単なる医療というレベルを超えて、その両省の大きな連携をしていただければと思っておりますので、この点については強く御要望を申し上げたいと思います。
 また、坂口厚生労働大臣も、塀の向こうの話だからと思わずに、自分の管轄外だからといって逃げ腰にならずに、法務省が提供している医療あるいは矯正の中の心のケアの部分については、ちょっと気になるというのであれば、ぜひ、きちんと自由に意見を言い合えるような体制の確立に努めていただきたいと思っております。
 さて、私たちが共有する大きな目標は、地域で安心して暮らせる社会であって、だれも生命や人権を脅かされない社会であるというところの認識はみんな一致しているところだと思います。
 犯罪を犯したのだから罰を受けて当たり前という発想ではなく、どうすれば地域社会が本当に安全なものになるかということを考えると、やはり精神障害者を地域で孤立させない仕組みが重要であって、本法案の成立が精神障害者差別をさらにあおり、精神障害者がますます孤立する結果を招かないかということを私は非常に心配をしているところでございます。
そんな気持ちを十分に理解していただいた上で、きょうもまたこの法案についての質問を続けさせていただきたいと思いますので、御答弁をいただければと思います。
 まず、人格障害についてですけれども、私は前回の質問の中で、境界性人格障害の人が、その症状の一つとして一過性の解離状態となり、そのときに重大な犯罪を犯したとしたら責任能力は問えないと思うが、本法案の対象になるのかということを質問しましたところ、部長から極めてしどろもどろの答弁をいただきました。
前回の答弁では、私はとても納得できませんので、ここでもう一度お答えいただけますでしょうか。


○上田政府参考人
 前回、委員から境界性人格障害などの具体的な例を挙げられて御質問いただいたわけでありますが、私の理解が不十分なこともあり、また、人格障害者に対する原則論を強調したために誤解を招いたことにつきましては、大変申しわけなく思っております。
 そこで、もう一度誤解のないように原則論から申し上げますと、人格障害のみを有する大多数の者については、我が国では一般に完全な責任能力を有すると解されており、心神喪失者等とは認められないため、本制度の対象者となることは一般には想定されないということであります。
 しかし、委員御指摘のように、人格障害の一部には、境界性人格障害などのように、一過性の解離性症状が著しいなどの理由により犯行当時の責任能力が問題となる事例が、まれとは思いますが生じるものと承知しております。
 したがいまして、このような事例が本制度の対象となり得るかどうかにつきましては、個々の事例に応じて慎重に判断していくべきものであるというふうに思っております。


○水島委員
 通常国会から懸案の事項でございましたけれども、事実上の答弁の御修正をいただきまして、ありがとうございます。
 また、さらに確認してまいりたいわけですけれども、再犯のおそれ予測について、私もかねてからずっとこだわってまいりましたが、再犯のおそれ、あるいは再び同様の行為を行うおそれというのは、病勢のみによるものではなく、例えば支えになる近親者の存在の有無であるとか、就労状況であるとか、あるいは住居の状況など、さまざまな因子によって左右され得るものだと思います。
その方の御家族がいつ亡くなるか、あるいは、その方の会社がいつ、いずれ倒産するかどうかなどということは、だれにも予測できるものではございませんので、そういう意味では、精神科医あるいは裁判官にしても、再犯のおそれの予測はできないと私は考えておりますけれども、そのような理解でよろしいか、両大臣、そして修正案の提出者に御確認をいただきたいと思います。


○森山国務大臣
 政府案の「再び対象行為を行うおそれ」という要件につきましては、再犯のおそれの予測の可否として議論が行われてきたところでございます。
 その中で、政府案に対しては、特定の具体的な犯罪行為や、それが行われる時期の予測といった不可能な予測を強いるのではないかという御批判や、通常はおよそ円滑な社会復帰の妨げとならないような漠然とした危険性のようなものが感じられるにすぎないものについてまで本制度の対象となるのではないかという批判がございました。
 私としても、少なくとも特定の具体的な犯罪行為や、それが行われる時期の予測というような意味では、精神科医でいらっしゃっても、また裁判官でありましても、そのような予測はできないと考えております。


○坂口国務大臣
 再犯のおそれにつきましては、前国会からいろいろの御議論をいただいてきたところでございまして、専門家の間にもいろいろの意見があって分かれていることも承知をいたしております。
精神科の先生方の中には、それは十分可能だというふうに御指摘になる方もございますし、いや、それは難しいというふうに御指摘になる方もございます。
 諸外国におきましても、再犯のおそれということを中心にして、今回日本が目指すような指定入院制度を既につくっている国々もあるわけでございまして、その先生方のお話を聞く限りにおきましては、それは十分科学的に可能であるという御説明をされているわけでございます。
 そうしたこともございますが、しかし、それは難しいというふうに御指摘になる方もお見えになることも十分承知をいたしております。
 我々は、この再犯のおそれというものは、やはり難しい判定ではあるというふうには思いますけれども、しかし、そこには一定の条件をつけて、そして、そこで判断をしていただく基準というものを明確にしていくということができれば、それは私は可能ではないかというふうに思っている次第でございます。


○塩崎委員
 先ほど法務大臣も御答弁になられましたし、今厚生労働大臣も御答弁がありましたけれども、特定の具体的な犯罪行為とか、それが行われる時期の予測という意味では、やはりこれはなかなか予測できるものではないというふうに思います。


○水島委員
 ちょっと何か坂口大臣だけねらい撃ちにして申しわけございませんが、もう一度御答弁いただきたいんですが、いろいろと条件が何とかというようなことをおっしゃっていて、特定の犯罪がいつ行われるかなんということは超能力者でもなければ予測できないのが当たり前で、私が伺いたいのはそういう答弁ではなかったんです。
 例えば、坂口大臣はお医者さんでいらっしゃいますから、少し理解していただけるかと思いますけれども、目の前にいる患者さん、非常に病状が安定しているし、今のところ御本人は薬をきちんと飲んでいきます、家族も自分にそれを期待しているし、自分もこれ以上家族に迷惑をかけたくないから治療はちゃんと続けます、仕事もそれなりに見つかってきましたというような方を見たときには、この方は大丈夫だなと普通は思うわけです。
 ところが、おそれが全然ないかと言われれば、それは、今家族の期待があるから頑張りますと言っている方、その御家族がいなくなったら糸が切れたたこのようになってしまうかもしれない。
あるいは、今とりあえず仕事があって、社会参加しているような気持ちがあるからやりがいを持っているけれども、そこの会社が急に倒産したり首になったりというふうになったら、またやりがいを失って、病院なんて通っていられるかという気持ちになるかもしれない。
 そういうふうに考えていきますと、おそれがないなどということは絶対に言えないわけですけれども、このようなケースはおそれがあるというふうになるんでしょうか、ないというふうになるんでしょうか。


○坂口国務大臣
 一人の人が今後再犯のおそれがあるかどうかを判断するといいますときに、現在、その人があります状況、症状というものがない、そして、将来その人が治療を続けるならばそういう状況にはならないということであれば、私はおそれはないんだろうというふうに思います。
 しかし、その人が同じような病状になったときに、その人に危険性はあるかどうか。
それからもう一つ、単なる普通の医療上の問題だけではなくて、みずからが行ったことに対する責任と申しますか、みずから行ったことに対する意識というものを自分で確認をする、あるいはまた、自分をコントロールするといったようなことがこの人はできるかどうかということが私は大きな目安になるんだろうというふうに思っております。
 私はこのことに対して十分な知識を持っておりませんから、あるいは適切でないかもしれませんけれども、私はそう思っております。
 そうしたことが一つの目安になって、その治療をする必要がないということであれば、私はそこに入院させる必要はないのではないかというふうに思っています。
そこへといいますのは、指定病院等に入院させる必要はないのではないかというふうに思っております。


○水島委員
 今の大臣の御答弁は、私からするとかなり歓迎すべき御答弁だったかなと思います。
つまり、現状は落ちついていらっしゃって、そして治療を続ける限りこの人は大丈夫だと。
今の御家族の状況だとか今のお仕事の状況なんかを見れば、とりあえず治療は続けていけそうだ、そういう場合にはおそれがないと大臣だったら判断されるという御答弁でよろしいんでしょうか。
――今、はいとうなずいてくださいました。
 そうであれば、では、ここで治療の必要性を判断するときには、とりあえず現状の生活環境で考えていく、そういう原則を御答弁くださったのかなと思いますし、この治療の必要性の判断をするときには、今の生活状況、もちろん生活状況なんというのはどういうふうに転ぶかわからないものですし、特にこういう御時世ですので、全くそれはわからないわけですけれども、少なくともその辺、少しでもその方がより制限の軽い治療を受けていけるような可能性を探っていくということが大原則になるというようなことは、ぜひきちんと徹底をしていただきたいと思っております。
 さて、またこちらもかねてから何度も審議の中で話題になってきていることですけれども、ここで改めてはっきりとお答えいただきたいんですが、この審判体における裁判官の役割というのは何なのでしょうか。
これは法務大臣にお願いします。


○森山国務大臣
 この制度によります処遇の要件に該当するか否かにつきましては、医学的知見からの判断が極めて重要でございますが、医療を強制するという人身の自由に対する制約、干渉が許されるか否かという法的判断も重要でございます。
また、処遇の要件に該当するか否かを判断するに当たりましては、本人の生活環境に照らし、治療の継続が確保されるか否か、同様の行為を行うことなく社会に復帰することができるような状況にあるかどうかといった、純粋な医療的判断を超える事柄をも考慮することが必要であると考えられます。
 したがいまして、その判断に当たりましては、医師による医療的判断にあわせて、このような裁判官の有する法律に関する学識経験に基づく判断が行われるということが重要でありまして、また、本制度による処遇が人身の自由に対する制約、干渉を伴うものでありますから、裁判官の有する法律に関する学識経験に基づく判断は、人権保障という観点からも重要であるというふうに考えております。


○水島委員
 人権保障を裁判官がしてくださるという点については私も全く異論を唱えるものではございませんが、生活環境を調べる、そういう純粋な医学的判断以外のことをするというふうに今御答弁くださいましたが、これは私、先日の審議で私が答弁者として答弁をさせていただいたわけでございますけれども、今の医療の現場でも、医療の現場というのは私は純粋に医療なんだと思いますけれども、ソーシャルワーカーの方なんかが一生懸命そういうことを調べたり、また私も人手の少ない病院におりましたので、医者ではありますけれども、ちゃんとこの方、御家族、どこに親戚がいらっしゃるだろうかというようなことを自分で電話をかけて調べたりとか、そういうことを医療者が行っているのが現場でございまして、これは裁判官でなければできない、純粋に医療の世界ではないと言われてしまうと、非常に現状を否定するようなことになってしまうのではないかと思います。
ですから、そのあたりの御答弁を伺っていると、何となく無理があるような感じがして、どうも釈然としないところがあるんです。
 例えば、先日も参考人の方が、入退院の判断というのは医者だけでやるのは重いのだというようなことをおっしゃっていたわけでございますし、また、通常国会において、厚生労働省の答弁でも、医師の負担が云々というようなものがあったと思いますけれども、この判断における医師の負担を軽減するということも目的の一つとして考えられていらっしゃるんでしょうか。
これも法務大臣にお願いします。


○森山国務大臣
 当然、考えております。


○水島委員
 そうだとすると、多少疑問があるんです。
 まず、本法案の対象になるような方の入院については私は三つのポイントがあると思っておりまして、一つ目は入り口の問題でございます。
つまり、鑑定によって対象者が適正に選ばれるかどうかという最初の振り分けの問題が一つ目のポイントだと思います。
二つ目は中身の問題。
つまり、対象者に対する医療の質がどうかというような問題です。
そして三つ目が出口の問題であって、つまりどういう人を退院させるかという最後の時点での振り分けの問題になるわけです。
 今までは一つ目の点である鑑定の適正さも保障されていなかったわけですし、また二つ目のポイントである精神科医療の質も低かった、人手も非常に足りなかったというぐあいでしたので、だからこそ三つ目のポイントである退院の判断も難しかったのだと私は現場にいた者として思っております。
 つまり、いるべき人かそうでないかわからないような人がそこにいる、そしてそこで行った治療の内容についても十分に自信が持てない、あるいは退院された後の医療の確保についても自信が持てない、そんな中で医者一人が判断するのが難しいというのは、それは確かにそうなんだと思いますけれども、今回の法案の中では、対象者の鑑定に問題はないと大臣はずっとおっしゃっていますけれども、この新法を見ますと、少なくとも対象者の鑑定は慎重に行われる仕組みがつくられておりますし、また、そこで行われる医療の質も上がって、退院後の治療も確保される仕組みが整うということをずっとおっしゃっているわけですけれども、そうやって最初の二つのポイントがきちんと満たされるのであれば、退院の判断自体は難しくなくなるのではないかと思います。
 少なくとも、私がそこにいる医師であれば、余り負担を感じずに判断できるのではないかなと思いますけれども、この三つのポイントを同時に手直しする必要は本当にあったんでしょうか。
少なくとも、判断における裁判官の関与というのは、まず最初の二つの当たり前の点、鑑定の適正化とそこで行われる医療の質を上げるという当たり前の改善をした上で、例えば法の見直しのときに考えればよかった問題なのではないかと思いますけれども、厚生労働大臣、いかがでしょうか。


○坂口国務大臣
 ここは法務省との関係のところで非常に難しいところでございますが、いわゆる責任能力の鑑定というものがまずあるわけでございます。
 御指摘のように、ここのところがどうかということによって後のことも違ってくるということは、私もそのとおりというふうに思っておりますが、医師だけでなかなか結論を出すのが重いというのは、医師は医学的な必要性があるかどうかということの判断はできるわけでありますけれども、それ以外の、犯罪に対してどうかという判断というようなことはなかなか難しいわけでございますから、そうしたことを加えて総合的に判断をするということを求められるんだろうというふうに思います。
したがいまして、医師と裁判官とでそこは判断をするということになっているというふうに理解をいたしております。


○水島委員
 済みません、何か審議が通常国会に戻ってきたような感じがするんですけれども、医師は医学的な判断はできるけれども、犯罪に関する判断はできないという今の御答弁と、先ほど坂口大臣にいただいた、病状が落ちついていて治療が継続されるんだったら大丈夫そうだというときにはおそれはないというふうに考えるのだという御答弁との整合性をちょっと伺いたいんです。
 先ほどの、病状が落ちついていて治療を続ければ大丈夫だというところと、今の、犯罪に関する判断で医師ができないものというのは、その中でどういう位置づけになるんでしょうか。


○坂口国務大臣
 先ほど申しましたように、現在の状況を見まして、この人ならばこの治療を続けられれば大丈夫というのは、それは医学の世界における判断でありまして、そして、それだけで済むかといえば、それだけで済まないことも中にあるということなんだろう。
一般の精神疾患のことを言っているわけではありません。
他害行為を行って、そして再犯のおそれがあるかどうかということの判断をいたしますときの話でございまして、その一人の人が現状においてこれは大丈夫というのは、これは医学の範囲の中のことだというふうに思います。
そこの医学の中の判断と、しかし、それだけでは十分になし得ない部分があるというので、今回この政府の提案になったわけでございまして、そのことを申し上げているわけでございます。


○水島委員
 なるほど、少しわかってきたんですけれども、つまり、例えば病状は安定しているけれども、生活環境というのは、私はどちらかというと治療を断念させるような生活環境の変化を考えてきたんですが、もしかするとその方が例えば非常に社会的に問題になるような環境で生活をされていて、非常に犯罪に近いところにいらっしゃるような方の場合に、またそちらに巻き込まれていくんじゃないかとか、そういう医学と、病状と余り関係のない部分を裁判官が判断するというような趣旨でおっしゃっているんでしょうか。


○坂口国務大臣
 私が申し上げたのは、先生が今おっしゃったのとかなり近いというふうに思っております。


○水島委員
 その場合、これから私、指定入院医療機関における医療についてちょうど伺っていこうと思っているところなんですけれども、そういうことに対して、この指定入院医療機関ではどうやってそのリスクをなくしていくんでしょうか。


○坂口国務大臣
 指定医療機関におきましては、一つは純粋なる医学的な問題、これを治療していかなければならないというふうに思いますし、そしてもう一つは、先ほどから申し上げておりますように、他害行為を行った人でありますから、みずからの行為についての認識というものを高める、あるいはまたみずからを制御することを促すための対策というものを行う、そうしたことがあわせて必要になってくるというふうに思います。
そのことと環境とはかかわるわけでございますから、いかなる環境にありましても、その自分が行ったこと、あるいはそれと同じことを行うことを制御する、そうしたことに対する治療というものがそこで行われるということが大事というふうに思っております。


○水島委員
 そうしますと、今大臣は、純粋な医学的問題とか、いろいろ感情のコントロールなどとおっしゃったんですけれども、薬物療法にしろ、感情をコントロールするような方法にしろ、これは一般の医療現場でも行われているものでございます。
ただ、ちょっと私はまだ先ほどの大臣の答弁がひっかかっているんですが、つまり、そういう医学的な問題ではなくて、その方が非常に犯罪に近いところで生活をしているとか、そもそもそういうことを生活の糧にしていたとか、そういうような場合はそこの部分を裁判官が判断するのだということであると、この医療機関の中で、病気の治療ということとは違った、生活環境の調整ですとか、対人関係のあり方というか、対人関係の相手を変えていくこととか、そういった調整までここの中で行っていくということになるんでしょうか。


○坂口国務大臣
 それはできないというふうに思います。
そこまでなかなか行えませんし、またそういうことを行うべきではないというふうに思っておりますが、人間、いかなる環境に身を置かれるかわからないわけでありますから、その人が将来社会復帰をしましたときにまたどういう環境になるかということがあるかもしれないというふうにそこは考えなければならないというふうに思います。
いかなる環境に置かれたとしても、その人が以前に置かれていたと同じような環境に置かれたとしても、その人がやはりみずからをコントロールする、前に行った行為がやはりこれは責任のあることだということを意識させしめる、そういう治療が行われればそこに耐え得る人になるのではないかと私は思っております。


○水島委員
 つまり、裁判官が判断しなければならないような問題を生活上抱えているような方の場合に、今病院の中で治療としてはそういうことの調整は直接はしないという御答弁で、むしろ、みずからのあり方、心を強く持ってどんな環境の中でも再発しないようにやっていくんだというような御答弁であったわけですけれども、そうしますと、ただ、裁判官から見ますと、その人が退院したらここに戻るであろうという場所が極めて犯罪に近いところであったら、裁判官の判断としてはちょっと戻すと危ないなというふうに感じるんじゃないか。
定期的な通院なんか余り確保できないようなところに行くんじゃないか、あるいは服薬がちゃんとできないんじゃないかというふうに裁判官として考えたとしたら、ちょっとこの人はまだ退院させられないという判断になるのか。
あるいは、今回の要件で、治療の必要性ということ、この法律に定める医療の必要性ということですから、そこの医療の中にその環境調整は含まないと今御答弁されたわけですので、そうであれば、この医療の必要性はとりあえずないから、あとは退院した後に保護観察所の中でそういう危ないところに近寄らないように注意をしていくというようなことをしていくのか。
どっちなんでしょうか。
退院はその人はできるんでしょうか、できないんでしょうか。


○坂口国務大臣
 したがいまして、社会復帰をした後のことが大事だと思うわけです。
そうした人たちが、ある程度そうした治療が行われて、これで大丈夫だろうということになってその人は社会復帰をするわけでございますが、地域において、生活の場においてその人たちを見守っていくという体制がやはり大事でございまして、そうした多くの体制の中でその人をさらに守っていく、そしてその人の将来に手を差し伸べていくということが、これはセットでなければできないことであるというふうに思っております。
 したがいまして、第一義的には院内における問題でございますけれども、病院内だけの問題だけではなくて、その人が地域に戻った後の問題というのが、その院内の問題よりも、あるいはそれ以上に大事な問題ではないかというふうに私は思っている次第でございます。


○水島委員
 そうしますと、この人を自分の住んでいたところに戻したらもしかしたら危ないかもしれないけれども、とりあえずここの病院の中でやるべき治療は終わった、これ以上ここにいてもこの人に余り進歩はないだろうと思った時点で退院を当然考えて、あとは保護観察所のPSWの方が頑張っていくというようなことになるとイメージしてよろしいんでしょうか。


○坂口国務大臣
 それは、通院をされて、そしてもちろん医師の皆さんも協力をしていただけるでしょうし、あるいは地域の保健婦さん等も協力をしていただけるでしょうし、PSWの人はもちろん中心になっていろいろのお仕事をしていただくでしょう。
そうしたいわゆるチームによってその人に対する手を差し伸べていくということに私はなるというふうに思います。


○水島委員
 何か余りはっきりしたお答えはいただけなかったわけですけれども、そうしますと、とにかく、リスクということでいけばあるかもしれないけれども、何とかできそうだと思ったら、少なくとも入院していてもそれ以上そこに直接干渉していくわけではないのだとしたら、その時点で退院を考えて、あとは社会復帰を全力的に進めていくということなのかなと今の御答弁を前向きに理解させていただきます。
 裁判官の役割というものについて、例えばイタリアのバザーリア法では、精神科医が入院の必要性を診断した後に裁判官が事後チェックをするというような仕組みになっておりまして、事後チェックという形であれば裁判官の役割はむしろわかりやすいと思いますけれども、この法案ではそういう形はとれなかったんでしょうか。
これは修正案の提出者の方にお伺いいたします。


○塩崎委員
 先ほどもちょっと水島議員がお触れになりましたけれども、これまでの措置入院のときの決定のあり方というものについて、医療サイドの方々が、医療だけに負荷がかかってきたという話があったことが御紹介されました。
 今回、ここに至るまでの議論の中でも、司法と医療とのバランスというものがとれた場で決めるべきではないのかという議論があって、そして今回のこの法律の法律立ても、やはり双方のそれぞれの知見に基づく判断というもので、両者のいずれにも偏ることがないように、両者の言ってみればそれぞれの持ち味を生かした、協働的な、適切な処遇を決定して、そして合議体ということでありますから、社会的に見ればやはり双方が責任を負いながら、さまざまなことを考慮に入れて決定していくということだろうと思います。
 しかし、そうはいっても、主に医療からの判断というものがかなりの部分を占めるなとは思いますけれども、先ほど来大臣の答弁にもあるとおり、私たちも言ってきたとおり、やはり、それ以外のことも考慮に入れて総合的な判断というものが必要なんじゃないかということで、先ほどの御質問へのお答えとしたいというふうに思います。


○水島委員
 この審議の中でもたびたび指摘されてまいりましたけれども、現在、措置入院の患者さん、あるいは医療保護入院でもそうですけれども、かなり深刻な人権侵害の事例というのがまだあるわけでございまして、報道されて初めて気がつくようなケースもあるわけです。
確かに、今精神医療の現場は人手が足りないために理想的なことがなかなかしにくいというような現実はございますけれども、人手が足りないから仕方なくやるということと人権感覚にそもそも問題があるということは明らかに違うことだと思っておりますが、この措置入院などの適正化に関しては、厚生労働大臣はこれからどういうふうに取り組んでいかれるおつもりでしょうか。


○坂口国務大臣
 精神病院全般にかかわることかもしれませんし、その中に措置入院が入るというふうに考えた方がいいのではないかというふうに思いますけれども、全体としてやはり人手不足でございますし、専門家が非常に少ないという現実がある。
一方で、そうした専門家が少ないという側面と、もう一つは、精神障害者に対する人権をどう考えるかという問題だろうというふうに思います。
その二つの点をこれからどう是正をしていくかということが一番大事なことになってくるというふうに思っております。
 人手の部分につきましては、人材をどういうふうに育成をしていくかということになってくるわけでございまして、ここはなかなか一朝一夕でできる話ではありませんで、少し時間のかかることだというふうに思いますが、早急にここは人手をふやす方向で検討する。
このことはもう一つは診療報酬体系の中でも私は問題があるんだろうというふうに思っております。
ここもやはり見直しを行わなければならないというふうに思っております。
 今回、診療報酬体系の基本の見直しを進めておりますが、その中で、いわゆる時間というものの基準が今まではなかった、しかし、時間というものの基準をその中に含めていかなければならないというふうに今主張しているところでございまして、これは特に精神科医療におきます問題を念頭に置いて私は考えているところでございますが、そうした精神科医療の現場の皆さん方にやはり適合したような体系というものをつくり上げていかなければならない、そうしたものも含めて総合的にこれはやっていかなければならない問題だと考えております。


○水島委員
 ぜひ、この法案と直接関係がないからということではなく、むしろ本当に深刻な人権侵害の事例があるということもこの審議の中でますます明らかになってきたわけでございますので、厚生労働省の方に申し上げると、どこか悪いところがあるんだったら教えてくださいよ、見に行きますからとそんな無責任なことを言われることもあるんですけれども、それをチェックするのが行政の役割ではないかということを私は強く申し上げたいと思っております。
 まだまだ伺いたいこと、たくさんあるんですけれども、ちょっとさっきのところにひっかかっていて、全部聞けない状態になってきてしまいましたが、法案の修正案の提出者にお伺いをしたいのですけれども、民主党案をどういうふうに評価されますでしょうか。
本来は民主党案の方が望ましいけれども予算上できないということなのか、そもそも民主党案にはこういうところに問題があるから賛成できないですとか、そのようなことをお答えいただきたいと思うんです。
 また、もう一つ、あわせて修正案提出者にお伺いしたいのは、ある程度修正してこられたわけですけれども、どうしても変えてほしいのは法案の入り口の部分だと私は思っておりまして、犯した犯罪の重さによって対象者を選別することはどうしてもおかしいということが審議の中でも繰り返し指摘されてきたわけでございますけれども、修正案としてこの枠組みはどうしても変えられないのか。
 以上について、修正案提出者にお答えいただきたいと思います。


○塩崎委員
 何のお話ですか。


○水島委員
 最初は民主党案に対する評価、次は犯罪の重さによって対象者を選別するという最初の入り口を変えられないのか。


○塩崎委員
 民主党案の評価でございますが、御質問通告なかったものですから、ちょっと私は今……(水島委員「しました」と呼ぶ)ああ、そうですか。
私はちょっと聞いていなかったので、済みません。
 今回、この修正案をつくるときに、政府案のメリットというかプラスの面と民主党のプラスの面を合わせられると非常にいいなというふうに正直言って思いました。
 それで、民主党案の評価すべき点というのは、医療に特に力を入れて、まず医療が大事なんだということをおっしゃっていることではないかと思います。
それは、我々も心は同じだったわけでありますが、今回の政府案の段階では、今の医療をどうするのかということについて明示をしなかったという点においては反省をし、ですからこそ附則にこの医療の底上げについても入れたということであるわけでございます。
 それから、判定委員会あるいは精神保健福祉調査員というのがありますが、要は、今までの責任能力を問う形での鑑定というものの不十分さというか、簡易鑑定とよく言われますけれども、これについても切り込んでおられるということについても評価をしたいというふうに思っております。
それは、今回、政府側の答弁の中でその反省は法務大臣からも出てき、またこれからの改善提案も出ているという意味で、民主党の法案提出が非常に意味があったというふうに私も思っております。
 ただ、もう一つ言わせていただければ、今の措置入院と同じように、この政府案には、社会復帰調整官、今度名前が新しくなりましたけれども、退院をされた後の受け皿の、言ってみれば手助けをする仕組みというものが今の措置入院制度にも民主党案にも少し欠けているかなということを思って、今回はこの政府案あるいは我々の、名前を変えただけと言えばだけでありますが、受け入れをお手伝いして社会に早く戻ってもらうということは、我々の案は評価していただいてもいいのじゃないかなというふうに思っております。
 それから、先ほどの、犯罪の重さによっていい医療を受けられるかどうかという問題でございますね。
これも、いろいろな御批判、あるいはこの審議の中で、言ってみればなぜ医療の二重構造をつくるんだという御指摘があったかと思うわけであります。
 確かに、どういう状況であろうと、本来は精神障害の病状に応じて、必要ならば手厚い医療がなければいけないわけですし、それぞれの病気に見合った適切なレベルの医療というものが用意されていなければいけない。
ところが、それが十分ではないし、特に重大なる他害行為を行った場合の障害者については、先ほどイタリアの話もありましたが、司法医療というものも諸外国に比べてかなりおくれてきているということで、ともあれ一歩前進させていただこうということでこれをつくったわけで、木村副大臣の答弁にもあったように、将来的にはやはりこの措置入院制度と今回の新しい仕組みとが一体的な有機的なものとして社会の中で機能していって社会復帰が行われるということが理想であって、この五年の見直しについてもそういう観点から我々は厳しく見ていかなきゃいけないというふうに思います。


○水島委員
 ぜひその有機的一元化に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
 もう時間になってしまいましたけれども、本法案の対象者となる人は、先ほどからの審議でも、例えば一年間に四百十七名というような数字が上がっております。
一見関係のないことのように見えますが、児童虐待の年間発生数は三万五千件と推測されておりまして、本法案の対象者とはけた違いの数でございます。
精神障害者に殺される子供の命も、親に殺される子供の命も、また親によって深刻な虐待を受けて致命的なダメージを負う子供の人生も、ひとしく貴重なものでございます。
親を虐待に追い込む構造が変わらなければ、再び同様の行為を行うおそれは本法案の対象者などよりはずっと高いはずです。
 本法案に伴って、司法精神医学を学ぶために外国に精神科医が派遣されるわけですけれども、児童精神科医が少ないということについては、海外に医師の派遣もされておらず、厚生労働省は指をくわえて見ているだけです。
こんな法案を提出する前に、まずは子供を虐待してしまう親のケアを考えるべきではないのかというのがどちらの問題にも取り組んでいる私としては率直な実感でございます。
この点については大臣にもきちんと受けとめていただきたいと思っております。
 きょうも質問を十分にし切れる時間がなく、それほどまた新たな問題が審議の中で出てきたわけでございますけれども、ぜひ、この中で指摘された点に基づいて、さらにこの点について協議を進めていただけますように、採決を急ぐようなことがないようにお願いをしたいと思います。
 また、修正案の提出者に一言申し上げたいと思います。
 修正案についての評価はいろいろとございますけれども、私は、塩崎議員は良心的な気持ちで私たちの疑問にこたえようと努力して修正案をつくってくださったのだと信じております。
でも、時間の都合もあって、抜本的な修正にはつながらなかったのだろうとも思います。
 先ほど質問しましたとおり、私たちは、犯した犯罪の重さで受ける治療が変わるという本法案の枠組みにはどうしても賛成できないし、民主党案こそ成立すべきだと思っておりますので、本法案には賛成できないと思いますけれども、最後に一言お願いを申し上げておきたいと思います。
 塩崎議員が善意で修正案をつくられたということは理解するとしても、どれほど善意で立法をしても、精神障害者への差別が日常化している今の日本では、運用面で大きな不安があるということは事実です。
ぜひ塩崎議員には、引き続き責任を持って運用状況を見守っていただけますようにお願いします。
 また、塩崎議員には、今後の我が国における精神医療の底上げ、司法と精神医療の連携についてしっかりと見ていただきまして、私たちとともに引き続き取り組んでいただいて、民主党案が近い将来に成立するように御協力をいただけますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。





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