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アジア・中東

国 名婚姻中の妻の姓備    考
中華人民共和国1.自己の姓+自己の名
2.夫の姓+自己の姓+自己の名
夫及び妻はそれぞれ自己の姓名を用いる権利を有する。
台 湾1.夫の姓+自己の姓+自己の名
2.自己の姓+自己の名
妻は、自己の姓に夫の姓を前置する。ただし、当事者が別段の契約をしたときは、この限りではない。
大韓民国※1.自己の姓+自己の名同姓同本である血族間では婚姻することができない。
朝鮮民主主義人民共和国1.自己の名+自己の姓
夫及び妻はそれぞれ自己の姓及び名をそのまま維持し、社会生活及び政治生活に参加することができる。
フィリピン1.自己の姓+自己の名+夫の姓
2.自己の名+夫の姓
3.ミセス+夫の名+夫の姓
婚姻をした女は、1〜3に掲げる事柄を行うことができる。
シンガポール1.自己の名+自己の姓 妻は、独立に自己の姓及び名を用いる権利を有する。
タ イ1.自己の名+夫あるいは妻の姓 婚姻をした女は、その夫の姓を用いなければならない。
→2003年の憲法裁判所判例以降、婚姻した女性が姓の変更をする義務はないものと解釈されている。どちらを選択すべきかについては、議論が続いている(参考:Thai Law Online)。
インド 宗教、地域等によって姓名の形式は異なるが、妻は夫の姓を称する。ただし、公的に告知することによって姓名の変更は可能とされ、その変更を公的に登録する必要はない。
イスラエル1.自己の名+夫の姓
2.自己の名+自己の出生時/婚姻前の姓+夫の姓
3.自己の名+自己の出生時/婚姻前の姓
女は婚姻に際して夫の姓を称するが、いつでも自己の未婚時の姓又は従前の夫の姓を夫の姓に付加することができ、また、未婚時の姓又は従前の姓のみを称することも出来る。
サウジアラビア1.自己の名+父の名+祖父の名+父の姓 このほかに曾祖父の名、高祖父の名も付け足すことができる。婚姻によって姓が変わることはない。婚外子も実父の姓を名乗る。

※韓国では同姓同本禁婚制度を廃止する家族法改正の動きがあります。
 近いうちに法改正が実現しそうです。




アフリカ

国 名婚姻中の妻の姓備    考
コートジボアール1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+自己の姓+夫の姓
原則として、姓は出生に帰属する。
南アフリカ1.自己の名+夫の姓
2.自己の名+自己の姓
慣習法では、結婚した女性はその夫の家族姓を称することができるが、義務ではない。




オセアニア

国 名婚姻中の妻の姓備    考
オーストラリア1.自己の名+夫婦の一方の姓
2.自己の名+自己の姓
3.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
4.自己の名+配偶者の姓+自己の姓
規定する法律は特にない。慣習法によれば、婚姻時に女性は伝統的に夫の姓に改めるが、そうするように何ら法が強制するものではない。




南 米

国 名婚姻中の妻の姓備    考
アルゼンチン1.自己の名+自己の姓+de+夫の姓(職業上等において)
2.自己の名+自己の姓
妻が商業、産業又は職業上で未婚のときの姓で知られている場合、当該活動のために引き続きその姓を使用できる。
ペルー1.自己の名+自己の姓+夫の姓妻は自己の姓に付された夫の姓を称する権利を有する。
ブラジル1.自己の名+自己の姓+夫の姓
2.自己の名+自己の姓
妻は夫の姓に自己の姓を付することができる。




カナダ

州 名婚姻中の妻の姓備    考
アルバータ州1.自己の名+夫の姓
2.自己の名+自己の姓
3.自己の名+夫の姓
1.の場合、配偶者の同意なしに婚姻前に有していた姓に変更することが可能。
ブリティッシュコロンビア州1.自己の名+自己の婚姻前の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
3.自己の名+自己の生得の姓
婚姻時に1〜3を選択できる。
マニトバ州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
3.自己の名+自己の姓+ハイフン+配偶者の姓
4.自己の名+配偶者の姓+ハイフン+自己の姓
5.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
6.自己の名+配偶者の姓+自己の姓
7.自己の姓名+配偶者の姓
 
ニューブランズウィック州1.自己の名+自己の婚姻前の姓
2.自己の名+登録上の姓
3.自己の名+夫婦の一方の姓
4.自己の名+配偶者の姓+自己の姓
5.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
婚姻時に1〜5をから選択し、婚姻登録用紙に記入しなければならない。
ニューファウンドランド州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
3.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
4.自己の名+配偶者の姓+自己の姓
個人はコモンローで許容される方法で、姓名変更法によらずに姓を変更することができる。
オンタリオ州1.自己の名+夫の姓
2.自己の名+自己の姓
 
サスカチュワン州1.自己の名+夫婦の一方の姓
2.自己の名+自己の婚姻前の姓
3.自己の名+配偶者の姓+ハイフン+自己の姓
4.自己の名+自己の姓+ハイフン+配偶者の姓
 
ケベック州1.自己の名+自己の姓婚姻においては自己の姓及び名を保持する。
ユーコン準州1.自己の名+夫の姓
2.自己の名+自己の姓
夫の生存中は夫から取得した姓の変更を申請できない。




アメリカ

州 名婚姻中の妻の姓備    考
アメリカ合衆国1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫の姓
規定する法律は特に無い。慣習法によれば、婚姻時に夫の姓を称するのは慣習によるもので、制定法によるものではない。女性は、コモン・ロー、制定法及び規則により婚姻時に夫の姓名を称することを要求されない。
カリフォルニア州1.自己の名+夫の姓
2.自己の名+自己の姓
個人の姓が婚姻によって自動的に変更されることは無い。
ハワイ州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
3.自己の名+自己の姓+ハイフン+配偶者の姓
4.自己の名+配偶者の姓+ハイフン+自己の姓
婚姻に当たり、婚姻の各当事者は、それぞれが婚姻した者として用いる姓を届出なければならない。選択される姓は1〜4とする。
アイオワ州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
3.自己の名+合意するその他の姓
4.ハワイ州3.4.に同じ
婚姻に当たり、両当事者は、婚姻証明書を求める申請書に他方の当事者の姓又は当事者が相互に合意したその他の姓への変更を求めることができる。
ルイジアナ州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
3.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
4.自己の名+配偶者の姓+自己の姓
婚姻において、夫及び妻の姓名は変更されない。ただし、婚姻をした者は、夫婦の一方又は双方の姓を、姓として用いることができる。
マサチューセッツ州1.自己の名+自己の生来の又は現在の姓
2.自己の名+夫婦の一方の生来の又は現在の姓
3.自己の名+自己/配偶者の生来の又は現在の姓+ハイフン+配偶者/自己の生来の又は現在の姓
婚姻の各当事者は、一方の当事者の現在の又は生来の姓を含む姓を称すること又は、現在のもしくは生来の姓を保持もしくは回復することができ、あるいはハイフンによりそれらを結合させて称することができる。
ニューヨーク州1.自己の名+夫婦の一方の現在又は従前の姓
2.自己の名+自己の姓
3.自己の名+(自己/配偶者の未婚のとき又は従前姓+配偶者/自己の未婚のとき又は従前の姓)
4.自己の名+自己/配偶者の未婚のとき又は従前の姓+ハイフン+配偶者/自己の未婚のとき又は従前の姓
いかなる者も一貫して、かつ、不正詐欺の意思無く、自己をその姓名の使用によってのみ知られることを望む、いかなる姓名でも称することができる。姓は、婚姻に際して自動的に変更せず、又、婚姻の両当事者は自己の姓を変更することを要しない。婚姻の一方又は両当事者は新しい姓名を登録することにより姓を変更することができる。(1・3・4から選択)3.は双方の姓の全部又は一部をひとつの姓に組み合わせた姓。
オレゴン州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
婚姻の契約において、各人は従前の姓を保持することができ、又、各人は婚姻中に従前の法律上の姓名を回復できる。
イリノイ州1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫の姓
3.自己の名+自己の姓+ハイフン+夫の姓
法制度はカリフォルニア州とほぼ同じ




ヨーロッパ

国 名婚姻中の妻の姓備    考
英国(北アイルランドを除く)1.自己の名+妻の名
2.自己の名+自己の姓
規定する法律は特にはない
フランス1.自己の名+自己の生得姓
*日常生活
2.自己の名+夫の姓+自己の生得姓
3.自己の名+自己の生得姓+夫の姓
4.自己の姓+夫の姓
規定する法律は特にはない。
2〜4は司法省令の規定により、日常生活での使用が認められている
ドイツ1.自己の名+婚姻姓(夫又は妻の生得の姓)
2.自己の名+自己の婚姻時の姓
3.自己の名+自己の生得姓+婚姻姓(夫の姓)
4.自己の名+婚姻姓(夫の姓)+自己の生得姓
夫婦は共通の姓(婚姻姓)を指定する。指定しない場合は婚姻締結時に称していた姓を締結後にも称する。
オーストリア1.自己の名+夫婦の姓(夫又は妻の姓)
2.自己の名+夫婦の姓+ハイフン+自己の婚姻まえの姓
夫婦は同一の姓を持つ。婚姻時に夫婦の一方の姓を夫婦の姓として指定する。指定しない場合は夫の姓が夫婦の姓となる。
スイス1.自己の名+夫婦の姓(夫の姓)
2.自己の名+自己の婚姻前の姓+夫婦の姓
3.自己の名+二重姓の最初の姓+夫婦の姓
夫婦の姓は夫の姓。婚姻をしようとする女性が2.の二重姓をすで有している場合は3.となる。
オランダ1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫の姓+自己の姓
3.自己の名+夫の姓
婚姻をしている女性、離婚をしたのち再婚をしていない女性は、夫の姓を称する、又は自己の姓の前に付加する権利を有する。
ベルギー1.自己の名+自己の姓
2.自己の姓+夫の姓
規定する法律は特にはない。
ルクセンブルグ1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫の姓
3.自己の名+家族の呼称(妻の姓+夫の姓又は夫の姓+妻の姓)
規定する法律は特に無い。慣習上、同姓異人との混同を避けるため、夫妻の結合姓を家族の呼称とすることができる。
イタリア1.自己の名+自己の固有姓+夫の姓妻はその固有の姓に夫の姓を付加し、夫が死亡した場合には再婚するまでその姓を維持する。
スペイン1.自己の名+父の最初の姓+母の最初の姓婚姻による姓の変動はない。夫婦は各自二つの姓を持つ。
ポルトガル1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
3.自己の名+配偶者の姓+自己の姓
夫および妻は、自己の固有の複数の姓を維持するが、その姓に配偶者の姓を最高2つまで付加することができる。
ギリシャ1.自己の名+自己の姓
*社会的な関係
2.自己の名+配偶者の姓
3.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
法律上は婚姻による姓の変更はない。社会的な関係においては、配偶者が同意し場合のみ配偶者の姓を用いる、あるいはその姓に自己の姓を付加することができる。
ハンガリー1.夫の姓名+接辞(ne)+自己の姓名
2.夫の姓+接辞(ne)+自己の姓名
3.夫の姓+自己の名
4.自己の姓+自己の名
妻は、婚姻後に1〜4のいずれかを選択する。
ブルガリア1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓/通姓
3.自己の名+自己の姓+配偶者の姓/通姓
婚姻する双方は、自己の姓を維持するか、配偶者の姓を称するか、又は自己の姓に配偶者の姓を付加するかを届出る。姓として、その姓によって他方の配偶者が社会的に知られている姓を称し、又は付加することができる。
ルーマニア1.自己の名+自己の婚姻前の姓
2.自己の名+夫婦の一方の婚姻前の姓
3.自己の名+自己の姓+配偶者の姓
夫婦となるものは、婚姻中に称することを合意した姓を登録官に届出なければならない。夫および妻は、婚姻前に用いていた姓を維持し、又は夫婦の一方の姓もしくは結合姓を称することができる。
ポーランド1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫の姓+自己の姓
3.自己の名+夫の姓
妻は、婚姻締結時に作成される届出によって、1〜3のいずれを選ぶ。届出が無い場合は夫の姓を称する。
デンマーク1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+夫婦の一方の姓
夫婦の双方が同一の姓を望むときは、その姓が婚姻に基づいて取得された場合を除き、婚礼挙行機関への届出によりその姓を称することができる
スウェーデン1.自己の名+共通姓(夫又は妻の姓)
2.自己の名+自己の姓
婚姻をする者は、共通の姓として一方の姓を称するか、それぞれ婚姻直前の姓を維持することを選択できる。
フィンランド1.自己の名+婚姻時の自己の姓
2.自己の名+共通姓(又は妻の未婚時の最後の姓)
3.自己の名+自己の未婚時の最後の姓又は婚姻時の姓+共通姓
婚姻をする者は婚姻時に共通の姓を称することを決定することができる。これにより改姓することになった方は元の姓を共通姓の前に置くことができる。共通姓を称さない場合は婚姻時の姓を維持する。
ノルウェー1.自己の名+自己の姓
2.自己の名+共通姓(夫又は妻の姓)
婚姻をする者は1〜2のいずれを称するか選択できる。



旧ソ連邦

国 名婚姻中の妻の姓備    考
ロシア1.自己の名+父称+自己の姓
2.自己の名+父称+共通姓
  (夫または妻の姓)
婚姻締結時に、夫婦は共通の姓として一方の姓を選択するか、又は夫婦のそれぞれが婚姻前の姓を保持するかを、自己の意思により選択することができる。
モルドバ
アルメニア
カザフスタン
ウズベキスタン
キルギススタン
エストニア
ラトヴィア
リトアニア
ウクライナ 1.自己の名+父称+自己の姓
2.自己の名+父称+共通姓
  (夫または妻の姓)
3.自己の名+父称+配偶者の姓
4.自己の姓+父称+自己の姓+配偶者の姓
同上、又は自己の姓に配偶者の姓を付加することができる。夫婦の一方が二重姓の場合には複合姓は許されない。
ベラルーシ
グルジア
アゼルバイジャン
タジキスタン


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<資料の内容について>

 表中で使用している用語が統一されていませんが、これは参考文献が各国の法律をそのまま訳しているためです。

<参考文献>

「諸外国における氏制度の調査結果について」南野聡 民事月報 46(12) 91.12
「各国の夫婦の姓についての法」柳下み咲・山田敏之 外国の立法 31(4) 92.9
「各国のこの姓についての法」岸美雪・蛭田顕子・山田敏之 外国の立法 33(4・5・6) 95・4