国会報告 その91(2002.4.22発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




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国会報告(02.4.14〜4.20)



■4月14日(日) 私設秘書、脊損、虐待

本日届けられたアエラを見て驚く。
全代議士の秘書についての調査結果が載っているのだが、私の私設秘書の 数が「5人」となっている。5人も私設秘書を採用できる財力があるわけ もなく、本当は2人だ(それも、子育て中の女性たちなので、基本的に 月〜金の9〜17時勤務)。

なぜこんな数字が載ってしまったのかと調べてみると、わが政策秘書の単 純な記入ミスだった。公設と私設の合計だと思ったそうだ。
大変有能な人なのに、こんな単純なミスが起こってしまったのは、何と言 っても彼女が過労状態にあることが主因だ。私が抱えているくらいの政策 課題があると、本来とても一人で対応できない。ただでさえ忙しいのに、 ここのところ秘書に関する各社からのアンケートなどが多く、仕事量が飛 躍的に増えているのだ。
いかなる言い訳をしようとも、秘書の失敗は議員の監督責任で私のミスで ある。

午前中は脊髄損傷者栃木県支部総会に参加。

午後は子どもの虐待に関する講演。




■4月15日(月) MR、リーダー養成塾、(→東京)

7時45分から恒例のマンデーリポート。

午前中はいろいろな事務手続きをして、12時から、宇都宮大学前で、県 連の「リーダー養成塾呼びかけ」の街頭演説。谷ひろゆき参議院議員と山 田みやこ県会議員も同行。
大学生相手にチラシ配りをしていて、時にはとても関心を示してくださる 方にも出会うのだが、全く無関心という人も少なくない。日本の学校教育 の中でもっと政治(生活と政治の関係や、政策によって社会がどのように 変わるか)を教える必要があると改めて感じる。政治を知るのが、ワイド ショーで報じられる政治家のスキャンダルだけというのでは、民主主義国 会の一員としてあまりにも不幸だ。

午後は支持者宅訪問など。 夜、東京へ。




■4月16日(火) 道路公団、本会議、税調、問取り

8時から拡大内閣部門会議。
道路関係四公団民営化推進委員会設置法案について。
民主党は道路公団の民営化そのものには賛成だが、主に、「理念や目的に ついての規定が存在しない」「委員会の独立性の欠如」「委員会の所掌事 務の範囲について個別路線の建設計画の見直しを求めていない」「委員の 任命についての国会同意を不要としている」という理由によって、政府案 には賛成できない。このため法案そのものに反対するのが筋だが、そうす ると「民主党は道路公団の民営化に反対なのか」ととられかねない、とい うジレンマがあるのできちんとしたアピールが必要だ。

8時半から内閣部門会議。
警備業法の一部改正法案について、警察庁より聴き取り。
古物営業法案について議論及び中間報告に向けての意見とりまとめ。 各種事務連絡。

9時半から取材。

12時から、財務金融部門役員・税調事務局合同会議。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
採決5本の後、教育職員免許法の一部改正案について、文部科学大臣より 趣旨説明の後、民主党の質疑。

16時半から、男女共同参画調査会のリプロダクティブ=ヘルス/ライツ に関連して、ピア・カウンセリングの勉強会を主催する予定だったが、講 師の方が体調不良にてお見えになることができず、延期となる。

本会議終了後、明日の委員会質問に向けての準備および厚生労働省の方に よる質問取り。




■4月17日(水) 精神医療、厚労、質問、副大臣

8時から厚生労働部門会議。
各種事務連絡。
法案対応協議。

9時から司法と精神医療の連携に関するプロジェクトチーム役員会。衆院 法制局の方をまじえて民主党議員立法の作業。

10時から厚生労働委員会。
冒頭に、中小企業退職金共済法の一部改正案の採決。 その後、一般質疑。

昼の時間にかけて、再び司法と精神医療の連携に関するプロジェクトチー ムの役員で、議員立法の作業を続ける。

13時から厚生労働委員会が再開。

14時に、女性税理士連盟の請願に顔だけ出させていただき、私は14時 半から質問。本日のテーマは臓器移植と摂食障害の2つ。

臓器移植法が施行されて、昨日で4年半になる。子どもがドナーとなる脳 死臓器移植は、現行法では不可能であり、様々な団体から法改正の要望が 出されている。現行法は、臓器移植を「遺言」として位置づけているため、 遺言可能年齢未満である15歳未満の子どもについては、臓器提供の意思 表示ができないということになるからだ。

脳死の捉え方は人それぞれである。特に、自分の子どもが脳死になった時 の家族の受け止め方は最大限尊重される必要があると思う。「脳死は人の 死か否か」という生命観・価値観を押しつけ合わずに、脳死臓器移植を臨 床研究として位置づけて、子どもからの臓器提供を可能とする中立的な仕 組みを作るべきではないかと質問した。大臣からは、「個人的には、子ど もの臓器提供を可能にすべきだと思う。良いタイミングの質問」と、前向 きな答弁が得られた。

もう一点、摂食障害について質問した。昨年の5月にも同じテーマで質問 しているが、若い女性の「やせ」、それを基盤とする摂食障害は、いよい よ深刻な状況に陥ってきている。昨年の質問時には「自分が受けた医学教 育では・・・」と、前時代的な答弁をされていた大臣だが、今年は、専門 センターの設置の可能性(国立センターの一部にそのような機能を持たせ る、という方法)も含めて、前向きな答弁をされた。詳しくは後日議事録 を参照されたい。

16時から総括副大臣会議。




■4月18日(木)  緊急事態法、法務、本会議、メディア、公募

8時から緊急事態法制に関する4部門合同会議。
拓殖大学の森本敏氏より聴き取り。
森本氏によれば、この法案の目的は「自衛隊に対する法的な縛りをできる だけ排除し、一般の国民をできるだけ法律で縛り、もって、国力を総結集 して有事に対応すること」とのこと。

9時半から法務部門会議。
各種事務連絡。

12時40分から代議士会。 13時から本会議。 採決4本の後、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正案について、 環境大臣から趣旨説明の後、民主・自由・共産の各党より質疑。

15時に法務省の方が来室。先日私が法務委員会で質問をした外国人被疑 者の処遇について、追加説明にみえたとのこと。

15時半から、フジテレビのインタビュー。メディアが子どもに与える影 響について。 私が当選直後から取り組み、自らの法案も持っているテーマだが、このテ ーマでは久しぶりの取材。

つい先日、国際的な一流誌「サイエンス」に、707人の子どもを17年 間追跡した調査結果が載った。その結果、テレビを見る時間の長さと、暴 力的な傾向には、明らかな関係が見いだされた。一日にテレビを見る時間 が長いと(1時間未満、1〜3時間、3時間以上、で分類)、もともと暴 力的な子どもはさらに暴力的に、もともと暴力的でない子どもも暴力的に なる、という結果が得られたのだ。家庭環境などの因子を統計的にコント ロールしても、関係性はきちんと残った。この傾向は男子においてより大 きく、女子の場合は、テレビを見る時間と暴力との間にはあまり関係がな い。

テレビを長時間見るような生活をしていると、実際の人間関係の中で感情 をコントロールしたりコミュニケーションしたりすることができないまま に大人になるので、暴力的になるのだろう。また、相手が暴力によってど のような被害を受けるかということも実感できない人になるのだろう。
今回の結果は、テレビ番組の中身には踏み込んでいないものだが、そこで 見る番組が暴力に満ちていれば、より暴力的になるのは容易に想像できる と思う。

今日の取材は、「小さい頃どういう番組を見ていたか」という観点から、 メディアが子どもに与える影響を考えるというものだったが、ついでにこ の論文も紹介しておいた。 5月3日に放映されるとのこと。

17時から選対小委員会。候補者擁立の現状と、公募の応募状況について。

引き続き、18時半から、近くのホテルに場所を移して、懇談会。




■4月19日(金) 医療、法務、女性休息室、本会議、答弁、(→宇)

8時から医療問題ワーキングチーム。民主党の医療制度改革案のとりまと めについて。

実は、本日の本会議で、私たちが提出したいわゆる「患者の権利法」につ いて趣旨説明が行われるのだが、質問に対する答弁を私が担当することが 急きょ決まったため、慌てて答弁を作る。
自分が提出した法案についての答弁を本会議でするのは、昨年の両立支援 法案に続いて2本目。これでも1年生議員では最多である(というよりも、 私が当選してからは、全議員を含めても最多)。野党の議員立法がなかな か審議に付されないのと、「本会議もの」にならずに直接委員会に付託さ れる法案の方が多いからだが、そんな中、私は大変幸運だと思う。

答弁書を作り終えて、法務委員会へ。
商法等の一部改正案について、質疑と採決。

法務委員会終了後、事務所まで戻る時間がないため、初めて、衆議院内の 「女性休憩室」を利用して搾乳する。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
採決1本の後、健康保険法の一部改正案と健康増進法案について、厚生労 働大臣から趣旨説明。
その後、民主党の「医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促 進、医療に係る体制の整備等に関する法律案」(いわゆる「患者の権利法」) について、山井和則議員による趣旨説明。

健康保険法改正案は、サラリーマンの医療費自己負担が2割から3割にな る、老人医療費にも重大な変更が加わる、など、国民的な関心も高い重要 な議案であるため、全党から質疑。
私は釘宮磐議員の質問への答弁をした。

詳細は後日議事録を参照していただきたいが、私は、医師の一人として、 カルテなど医療情報の開示について、「開示を求めている患者」対「開示 したがらない医者」という構図で単純に語られるのが不満だ。情報を提供 したくても、今のような忙しさでは、対応するだけの時間的余裕がない。
現状のままで「カルテの開示を」と言われても、単に医師の帰宅が連日深 夜になるというだけだ。

私が情報開示の法制化を求めるのは、「法制化しなければ医者はカルテを 開示しようとしない」からではなく(そういう医師もいるだろうが)、法 制化することによって環境整備も進められると思うからだ。
医療制度さえきちんと整備されていれば、良い医療を追求しようとする患 者と医療者の利益は一致するというのが私の基本的な考えである。この点 を答弁にも含めておいた。

答弁そのものは短時間だが、3時間に及ぶ本会議の間、趣旨説明をした山 井議員と共に、ずっと答弁席(つまり大臣席)に座っていなければならな かった。
議場から見ると、議長をはさんで左側に小泉首相と坂口厚生労働大臣、右 側に山井議員と私、という構造だったので、「左側は寝ていて、右側は若 々しく対照的だった」というコメントを本会議終了後に他の議員からいた だいた。

夕方、宇都宮へ。




■4月20日(土) 地域ミーティング

昼から小山に移動し、民主党の地域ミーティング。

夜は宇都宮に戻って会合。


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