国会報告 その46(2001.5.28発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております。



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国会報告(5/20〜5/26)

■5月20日(日) 緑のダム構想

午前中は娘と共に、たまった家事と庭の種まき。

14時から女性のための政治スクール。
今日のテーマは「緑のダム」。

こ の分野が専門の小林守代議士を特別ゲストに招き、また専門の学者の方に も参加していただき、有意義なスクールを持つことができた。
コンクリートのダムは治水面でも利水面でも思った通りの効果が得られな いということがわかってきた。
欧米ではその反省に立ち、ダムを解放した り壊したりし始めている。
日本が伝統的に作っていた霞堤や遊水池が、自 然をコントロールするものではなく自然と共生するものとして国際的にも 評価され、それと似たものを作る国も出てきている。
日本は公共事業予算 が対GDPでも飛び抜けて高い国であるが、自然と共生する公共事業のあり方 を考えるべきである。
民主党の「緑のダム」法案では、全てのダム事業を 2年間凍結して徹底的な見直しを行うこと、ダム建設を取りやめる場合に は、短期集中的に森林整備を行い、本来森林が果たすはずのダムの役割を 果たせるようにしていくこと、そして水没予定地の住民の方たちの生活再 建をきちんと考えること、というような内容を含む画期的(欧米ではもは や普通のことだが)なものである。
水没予定地の方たちは、何十年もダム 問題に振り回されて将来の見通しも立てられずにきている。
くれぐれも、 「ダム建設をやめる」イコール「水没予定地の方たちの苦労を忘れる」と いう形であってはならないし、そこをきちんと踏まえないといつまでたっ ても「ダム推進派」対「反対派」の構図は解決されない。
どちらも行政の 被害者であるという視点を忘れてはならないと思う。

19時からミニ集会。



■5月21日(月) 県議補選

7時45分から恒例のマンデーリポート。
山田みやこさんも同行。

9時20分から定例の事務所内打ち合わせ。

10時9分の新幹線で東京へ。
まずは産婦人科受診。
明日からもう7カ月に入るが、今のところ順調。

午後、宇都宮に戻り、打ち合わせ、原稿書きなど。
夜は会食。



■5月22日(火)  両立支援法、永住外国人

10時9分の新幹線で東京へ。

11時半から「仕事と家庭の両立支援法ワーキングチーム」(民主党)。

法案要綱が完成した段階だが、今後の進め方について打ち合わせ。

12時に党本部に移動して、広報委員会のグッズチーム、チラシチームの 会議。

13時すぎに議員会館に戻り、政治改革推進調査会(民主党)。
永住外国 人地方参政権について、法政大学の江橋崇教授より聴き取り。

14時半から取材。
議員の妊娠・出産について。

この後、来客や事務連絡・事務作業など。

18時に麹町会館に移動。
18時半から、童話作家でもある肥田美代子代 議士の「おーいタクヤくん」の出版を祝う会の司会。
東京泊。



■5月23日(水)  ハンセン病訴訟、民法改正、控訴せず

8時から厚生労働部門会議(民主党)。
各種事務連絡。
ハンセン病訴訟に関して、政府は控訴の方針を固めつつあ るということが報道されているが、控訴をしないようさらに要請する方針 を確認。
本日の委員会の中でもしっかり訴えていくこととする。
確定給付企業年金法案の対応について(修正+附帯決議)。
確定拠出年金 法案の対応について。
血液・薬害対策ワーキングチーム中間報告。
ホーム レス支援法案について。
介護保険をより良くするワーキングチームからの 報告。

9時15分から厚生労働委員会。
確定給付企業年金法案について、午前中 は参考人質疑。
午後は政府質疑。

9時半から法務委員会。
今日も二つの常任委員会が重なるが、どちらもハ ンセン病訴訟の中心領域。
どちらの委員会でも、野党からはハンセン病の 質問が続く。
法務委員会の本題は弁護士法改正案について。

12時半に法務省の審議官が来室。
先週の法務委員会で私が質問して答弁 が保留になっていたこと(毎年、与党のどのような議員に民法改正案を提 出するよう働きかけてきたか)を説明しに見えたのだ。
結論から言うと、1996年の国会への提出を断念して以来、法務省とし て自ら与党議員に働きかけたという事実はなかったそうだ。
呼ばれれば説 明したという程度に過ぎなかったらしい。
「法制審の答申を得た時点で、 まさかこれほど反対される法案だと思わなかった」というのが法務省の率 直な弁のようだ。
そうは言っても、「家族の絆云々」については、法制審 の答申をまとめる上でも当然検討されてきたことなのだから、それらをも っと伝える努力をすべきだったと思う。
今後はどうするのかと尋ねると、「あくまでも、大臣がゴーサインを出せ ば前向きに進めます」とのこと。
与党議員に翻弄される事務方を責めても 仕方がないので、引き続き大臣への働きかけを行うこととする。

党本部に移動して、13時から正副幹事長と衆議院1期生との懇談会。
私 は両方の立場に該当。

14時には法務委員会に戻り、14時半に採決。
その後、厚生労働委員会に移動。

15時から、「日本国債」の著者である幸田真音氏を招いての勉強会。

17時すぎまで厚生労働委員会。
今日の委員会では、厚生労働大臣が何度もハンセン病のことを聞かれてい た。
医師でもある大臣は、「医療者としても罪の意識を感じている」と思 い詰めたような顔で答弁していた。
委員会終了後も、大臣に「控訴しない でください」とそれぞれが申し入れた。

委員会終了後、男女共同参画・人権・消費部門会議。

この後、「政府が控訴を決定」の報が出され、取材を受けた。
が、その後、「控訴を断念」が報じられ、再び取材を受ける。
「これで小泉内閣の支持率がさらに上がって民主党としては困るのでは?」 という質問もされたが、「市民が主役の民主党」としては、党利党略以前 に議員それぞれが一人の市民である。
政府が控訴を「断念」して、原告団の方 たちの人権が再び侵害されずにすんだことは、心から嬉しいことである。

私たちが一貫して控訴すべきではないという訴えを続けたことも何らかの 力にはなったのではないだろうか。
最終的解決に向けて、さらに努力して いきたい。

本日も東京泊。



■5月24日(木)  永住(定住)外国人、いっきの会、県議補選

8時から法務部門・総務部門・政治改革推進調査会合同会議(民主党)。
特別永住者等国籍取得特例法案について意見交換。
民主党内にも、永住外 国人の国籍取得緩和の法案を提案している人たちがいるが、永住(私は 「永住」ではなく「定住」外国人に地方参政権の道を開くべきだと思って いるが)外国人の地方参政権問題と交換条件にするという前提があるため、 議論が紛糾している。
国政参政権を得るためには国籍取得、地方参政権を 得るためには一定期間の住民登録および義務の履行、というのが私自身の 考え方であり、住民としての権利を行使するためにも、定住外国人の地方 参政権問題には積極的に取り組むべきだと思っている。
民主党は結党時の 基本政策の中にこれが含まれており、今でも多くの人が賛成しているのだ が、最近、一部の人たちが国籍取得を緩和するという方向に話を持ってい こうとしている。
いくら何でも結党時の基本政策をほごにするはずはない と思うが、今日は意見交換のみで結論には至らず。

9時から法務部門会議(民主党)。
債権管理回収業に関する特別措置法 (サービサー法)改正案について、提出者の自民党議員の方から説明。
そ の他、各種事務連絡。

10時半から、シドニーモーニングヘラルド(豪紙)の支局長による英語 取材。
今回5人の女性閣僚が誕生したことは、日本がそれだけ男女共同参 画社会になったとみて良いのか。
何が男女共同参画社会の実現のために必 要なのか。
など。

11時半から「いっきの会」。
水野清氏を囲んでの昼食会。

12時40分から代議士会。
昨日、ハンセン病訴訟の控訴を首相が断念し たわけだが、その後も国の責任を否定するような大臣答弁が続いているよ うだ。
また、反省を明らかにする国会決議も与党内で難航しているらしい。
13時から本会議。

16時16分の新幹線で宇都宮に戻り、山田みやこさんの活動状況を確認 したり打ち合わせをしたりする。


■5月25日(金) 小泉政権、本会議

7時57分の新幹線で東京へ。

9時40分から厚生労働委員会。
確定給付企業年金法案について質疑と採 決。

今日も法務委員会が同時開催。
10時から始まった法務委員会に移動し、 すぐに厚生労働委員会に戻って10時半前に採決と附帯決議。
その後、11時半まで法務委員会。
中間法人法案について質疑。

11時半から正副幹事長会議。
小泉内閣への対応に「小泉さんが言ってい ることは民主党と同じ」と戸惑っている人が多いということだが、民主党 が今まで単なる改革政策を訴えるのではなく、改革に伴う痛みに対するセ イフティネット(安全網)の整備を同時に作り上げてきたということをも っと積極的にアピールすべきであると意見を述べる。
単なる市場万能主義 ではなく、単なる社会主義でもなく、第三の道を目指すのだということを 今こそきちんと訴えるべきではないか。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
上がり法案2本の採決の後、政府の緊急経済対策につ いて各党より質問。
今日の小泉さんの答弁は全体に原稿の棒読みであった が、あまりにもひどいと思ったのは共産党に対する答弁。
原稿からは一回 しか顔を上げず、ひたすら早口で読み通した。
何を言っているのかよくわ からず、同じ棒読みでも、まだ森前首相の方が何を言っているのかがわか った。
速記者の方たちも苦労しているようだった。
共産党席からは「失礼 だ」という声が飛んでいたが、なぜあんな答弁をしたのだろうか。

16時前に本会議終了。
16時36分の新幹線で宇都宮に戻り、会合に出 席。



■5月26日(土)  連合1万人集会、労組大会、谷ひろゆき戦略会議、出版記念講演

10時から連合栃木の1万人集会に参加。

急いで移動して10時50分すぎから労組の大会に出席。

12時半から参院選候補予定者の谷ひろゆきさんの戦略企画会議。

14時から、新著書「『やせ願望』の精神病理」の出版記念講演会。

17時9分の新幹線で東京に向かい、私の親戚関係の会合。

20時20分の新幹線で再び宇都宮に戻る。



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