国会報告 その219(2005.02.19発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回、発行しております



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国会報告



■民主党男女共同参画オンブッド




 私が男女共同参画委員長に就任して新たに企画した「民主党男女共同参 画オンブッド」の第1回会議が2月15日に行われ、いよいよ本格的にスター トしました。

 これは、まず民主党が党内で男女共同参画を進めるために、男女共同参 画の観点から党に政策や組織などについて提言していただくことを目的と して、導入を決めたものです。
 このようなオンブッドは、日本の政党では初めての試みとなります。
 幸い、座長に大沢真理さん(東京大学社会科学研究所教授)
をお願いすることができ、そのほか、五十音順で、
岩本美砂子さん(三重大学人文学部教授)、
金井郁さん(お茶の水女子大学大学院博士課程)、
佐藤洋子さん(ジャーナリスト)、
嶋田暁文さん(九州大学大学院研究院助教授)、
高木郁郎さん(日本女子大学家政学部家政経済学科教授)、
宮本太郎さん(北海道大学大学院法学研究科法学部教授)、
という素晴らしい有識者のメンバーにオンブッドを引き受けていただくことができました。

 今年中に、民主党への提言書をまとめていただく予定です。




■高齢者虐待防止法案




 私もこのたび改めて高齢者虐待防止プロジェクトチームの副座長に任命 され、作業を進めています。
 2月16日には、日弁連と日本社会福祉士会よりヒアリングを受けました。
高齢者虐待には、児童虐待と共通の要素もあれば、高齢者介護特有の問題 もあります。
 日弁連の方もおっしゃっていましたが、高齢者虐待の問題は、紛争性が 強いことが多く、紛争処理に慣れた専門家が関わることが必要になります。
 翌17日には役員会を開き、立法作業を精力的に進めています。
 あくまでも虐待防止は介護者支援と表裏一体であるという視点を忘れず に作業をしてまいります。




■仕事と生活の調和が業績にもプラス




 2月17日、私が座長を務める「次世代育成支援プロジェクトチーム(少子 化対策)」に、藤森克彦さん(みずほ情報総研主任研究員)をお招きして、 「英国の「仕事と生活の調和策」から学ぶこと――仕事と家庭の調和策が 企業業績にもプラスになる――」というテーマでお話をいただきました。

 これは、藤森さんが昨年10月にまとめられた研究で、メディアでも注目 されていたものです。
 英国の特徴は、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)は従 業員の生活の質を高めるだけでなく、企業業績の向上にもつながる」とい う見方がされており、貿易産業省(日本の経済産業省に当たる)が主導し ているということです。
 2000年3月9日にブレア首相は、「英国政府は、経営者と一緒になって、 仕事と生活の調和を進めていく。これは、企業にとっては競争力を高めて 業績向上につながり、従業員にとっては生活の質を高めることになる」と 語り、「仕事と生活の調和キャンペーン」を始めました。

 藤森先生の研究レポート「英国の「仕事と生活の調和策」から学ぶこと」 の要旨から抜粋すると、以下のようになります。

●英国では、大企業が中心になって多様な就業形態を提供しており、人々 の仕事と生活の両立に貢献している。
 柔軟な就業形態には、パートタイムやフレックスタイムの他に、学校の 学期期間中のみ働く「学期期間労働」など様々な形態がある。
 フルタイムで働く男性雇用者の2割弱、女性雇用者の3割弱が柔軟な就業 形態を活用している。

●多くの経営者は、柔軟な就業形態の提供など「仕事と生活の調和策」は、 労使関係、従業員の労働意欲、従業員の定着などに良い影響をもたらすと みている。
 また、調和策を積極的に導入する企業は、消極的な企業に比べて、平均 よりも企業業績が良いという傾向が見られる。
 そして、企業業績にも良い影響を与える調和策を導入するためには、従 業員、顧客、企業のニーズを調整するプロセスが重要だと指摘されている。

●英国政府は、従業員にも企業業績にも良い影響をもたらす調和策を広め るために、2000年から「仕事と生活の調和キャンペーン」を始めた。
 具体的には、企業が調和策の導入にあたりコンサルティング期間を利用 した場合、その費用を政府が負担する制度を創設した。
 また、英国政府は民間企業と協力しながら先進事例について調査を行い 他企業に有益な情報を提供している。
 さらに、仕事と生活の調和を下支えするために、
 (1)労働規制の整備、
 (2)出産・育児等の法改正、
 (3)子どものいる世帯への経済的支援の引き上げ、
 (4)保育所整備、
といった総合的な政策が実施されている。

●英国の調和策から学ぶべき点としては、
 (1)「適切な調和策であれば企業業績にも良い影響をもたらす」ことに ついて、政府は先進事例などを収集・分析して一般企業に情報提供 していくこと、
 (2)各企業が適切な調和策を導入できるように、企業の計画作成段階で のコンサルティングを支援・強化していくこと、
 (3)柔軟な就業形態に適した労働法制の整備や、子どもをもつ家庭への 経済的な支援の引き上げなど、仕事と生活の調和を下支えする政策 を総合的に導入していくこと、
 (4)正社員と非正規社員の固定的な雇用管理を改めていくこと、
などがあげられる。

 藤森さんが教えてくれた実例としては、例えば、大手の電信電話会社が 調和策を導入した結果、優秀な人材を採用できるようになった、離職率が 低下し、出産休暇後の職場復帰率が98%となり、結果として募集・採用 コストが300万ポンド(約5億7千万円)削減された、在宅勤務によるコス ト削減が年間5200ポンド(約98億8千万円)、結果として生産性が31%向 上した、というデータなどがありました。
 つまり、よく言われる「両立支援をしたから業績が上がったのではなく、 そもそも業績が良いところだから両立支援をする余裕があるのではないか 」という逆向きの仮説は当たらない、ということです。




■インドネシア・アチェ報告




 民主党の首藤信彦衆議院議員が2月5〜11日、インドネシアを訪問し、 バンダアチェにて現地調査を行ってきました。
 戦争直後のような被害地の惨状、かろうじて生き残った住民の苦しみと 絶望感。政府機関だけではなくNGOを通じた市民による復興支援の必要性 を痛感したと言います。
 首藤議員から見て、心のケアがとても重要な課題だと感じられたそうで す。

 例えば、商店街に比べて住宅地の復興が大幅に遅れているのは、所有者 が瓦礫の片づけを認めないためだそうです。瓦礫の中に散在する古着やア ルバム(濡れてしまったのですでに写真は見えない)だけが、家族が楽し く暮らしていた唯一の証だから、ということです。
 また、子どもを連れた母親に津波や今後のことについて何を尋ねても、 いなくなって探している子どもの話、その子どもと過ごした楽しかった日 々の話だけを何時間でも続けるという状態だそうです。
 こんな中、各国は、それぞれがユニークな活動をしているそうです。
 例えば、スイスは支援をホームステイに集中させています。難民キャン プばかりで暮らしていると気持ちも滅入ってくるため、スイス政府は、難 民をホームステイさせてくれる人にホームステイ料金を出す、という支援 をしているそうです。 




■連合パート契約労働者のつどい




 2月18日、東京で行われた「連合パート契約労働者のつどい」に参加し、 民主党を代表して決意表明を述べました。
 仕事と生活の調和のためにも、重要な法案です。
 審議入りのために引き続きご支援ください。


 

■憲法9条の現代的意義




 2月16日、獨協大学の古関彰一教授から、「憲法9条の現代的意義」につ いてうかがう機会を持ちました。

 冷戦後は、国家対国家の戦争が激減し、戦争原因も、政治体制の選択( 朝鮮戦争、ベトナム戦争など)から、宗教、資源、貧困、非民主的政治構 造などが主要原因になっています。

 9.11事件(軍事的に最大の防御がされている米国防省が、民間人に よって民間機で攻撃された)からも明らかなように、軍備が戦争抑止力に ならない時代、つまり軍事大国が意味を持たない時代になっています。

 Post-Coldwar(冷戦後)とは、Crime War(犯罪戦争)であり、安全保 障の再検討をする必要がある、という説には賛成です。つまり、軍事力の みでは安全を保持できない時代であり、警察力を含む非軍事が意味を持つ 時代です。
 やはり緒方貞子さんたちが提唱した「人間の安全保障」に行き着くのだ と感じました。


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「水島広子と歩む会」からのお知らせ
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■水島広子と歩む会第2回総会

日 時 2005年2月26日(土)午後4時30分から
場 所 ホテルニューイタヤ 桜の間
    宇都宮市大通り2-4-6 TEL.028-635-5511
参加費 無料


■水島広子と歩む会2005年躍進のつどい
日 時 2005年2月26日(土)午後6時00分から
場 所 ホテルニューイタヤ 天平の間
    宇都宮市大通り2-4-6 TEL.028-635-5511
参加費 5000円(着席パーティー形式)
    (事前にお申し込みいただけますようお願いいたします。)

 お問い合わせ・お申し込みは水島広子と歩む会事務局(水島広子事務所内)
TEL.028-649-6600 FAX.028-614-1134 までお願いいたします。
 なお、躍進のつどい参加費は事前に集金に上がらせていただきます。





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