国会報告 その20(2000.11.27発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、週1回(月曜日)発行しております。


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国会報告(11/19〜11/25)

■11月19日(日)

11時から、宇都宮市議後援会主催の会合に夫と娘と共に出席。
中座して栃木県知事選の投票をすませて那須に移動。
15時から労組の講演。
「親と子の心の健康」について。

急いで宇都宮に戻り、18時からお通夜。

深夜、知事選の開票結果への感想を聞くために栃木放送と下野新聞から2回ずつ電話がかかってきた。
知事選は900票に満たない票差で新人候補の福田氏が当選した。
新知事の公約には、県立子供病院の設立や女性副知事の登用など注目すべき点がいくつもある。
是非公約を実現してほしい。



■11月20日(月)

7時45分から恒例のマンデーリポート。
知事選の期間中は自粛していたため、3週間ぶりである。
現在の緊張した政局を訴える。

9時11分の新幹線で東京へ。
今日は10時から禁足令がかかっている。
解散総選挙到来かという緊張感の中、いろいろと打ち合わせをしたり、選挙になったら書けそうもない原稿を書いたりした。

13時から予算委員会の傍聴応援。
森首相を見て、今日内閣不信任案が出される心境はどんなものだろうと考えたりする。
内閣不信任案が否決されても、自民党執行部には森政権を維持するつもりはないという。

15時半からデザイナーの方と打ち合わせ。
選挙になった場合の印刷物などについて話し合う。

16時半から代議士会。
これからいよいよ内閣不信任案を提出するという決意。
すっかり選挙モードで気勢を上げる。

17時45分に、野党四党で内閣不信任案提出。
このころ、衆議院では予算委員会が続いている。
社民党の辻元清美さんが質問をしていたのだが、途中でとんでもないハプニングが起こる。
指名されてもいない扇千景大臣が勝手に答え始め、辻元さんが「指名していない人は答えないでください。
委員長、やめさせてください」と主張しているのに、やめようとせず双方が大声で怒鳴りあう異常な状況となった。
貴重な質問時間を勝手な人が答弁して浪費するなど、許されるものではない。
まさに世紀末国会だと思った。

19時から、徹夜国会に備えて鳥居秘書とともに夕食に出る。

20時から代議士会。

21時から本会議。
本会議場の前でテレビ取材陣から「どう思いますか? 中途半端な結論になってしまいましたが」と質問され、初めて加藤紘一さんたちが棄権する方針になったことを知った。
議場内は空席が目立った。
内閣不信任案について、鳩山由紀夫さんが代表して趣旨説明を行った。
その後、各党から賛成・反対討論が行われた。
途中から、加藤派の議員たちがぽつりぽつりと現れた。
事情を聞いてみると、21時直前になって突如として方針が変わったので戸惑っているとのこと。
気抜けした雰囲気の中、討論が続いていったが、突如として予期せぬ事件が発生した。

保守党の松浪健四郎議員が「森内閣も自民党もボロクソに言われてきましたが、ご安心ください。
私たちは体を張ってお守りします」などと不敵なことを言いながら反対討論を始めたと思ったら、22時30分前に、ヤジに対してキレてコップの水を投げつけ(自民党議員が野党にぶつけているヤジに比べればとりたててひどいヤジでもなかったがキレやすい性格なのだろう)、場内が騒然となる。
国会内で起こされた暴行事件を許してはならじと野党議員が議長に詰め寄る。
私も、子供たちの犯罪を問題にしているときに国会議員がキレて暴行を起こしてどうするのだと抗議をする。
「懲罰」「退場」「議員辞職」などと松浪議員への厳正なる処置を求める声が相次ぐ。
この騒ぎの間に、議長不信任案が出される。
暴行事件の後も議事を進行させようとし、抗議している野党議員を指して「こいつらを黙らせろ」と言ったりした運営のまずさのためだ。

収拾がつかないため、23時すぎに「10分間休憩」となり、その後、再開。
だが、議長不信任案と内閣不信任案のどちらを先議するかについて再びもめたため、またしても「休憩」となり、翌日21日の午前0時10分からの本会議開会が通告された。
日にちをまたがるときには「延会手続き」というのがとられるそうだ。



■11月21日(火)

前夜より引き続き。
初めての徹夜国会。
0時から代議士会。
今後の議事運営について、議院運営委員会(略称「議運」)が開かれているが、全く事態の収拾がついていないとのこと。
野党側は「いったん休憩にしてお互いに頭を冷やして明日の10時から再開しよう」と提案したが与党は認めないとのこと。
野党を眠らせて元気にさせてしまうと議事の進行を妨害すると思っているのだろうか。
0時10分からの本会議は開かれず。
1時50分から代議士会。
議運の話し合いの中間報告。
2時から代議士会。
議運の与野党筆頭理事レベルで話がつき、民主党の主張通り議長不信任案を先議するということになったとのこと。
2時30分から本会議が開かれ、4時近くまでかかって、まずは議長不信任案が否決され、その後内閣不信任案が否決された。
眠い目をこすりながら議員宿舎に帰り着いたのが4時半すぎ。
一眠りして、9時前に議員会館に戻る。
眠い一日が始まったが、先輩議員の何人かは7時45分からの朝食会にも出席していたと聞いてさらに驚く。

10時45分から民主党の男女共同参画委員会。
今まで役員会で議論してきたこと(男女共同参画セミナー、女性政治大学、女性候補者支援)について委員全体の了承を得る。

12時から、民主党の男女共同参画調査会の「女性と税制作業チーム」(私が担当役員)で税法学者の方から説明を受ける。
13時半から取材。
うつ病について。
眠いため不親切な受け答えになってしまった。

15時から民法改正についての勉強会。
選択的夫婦別姓を認め非嫡出子の差別を撤廃するための民法改正は私の宿願であるが、今国会でも参議院ではすでに10月末に提出され、委員会には付託されるが審議には入らない見通し。
今日は、民主党の民法改正案について、今回当選組の人たちも含めて党内でのコンセンサスを得るための勉強会。
私は衆議院での法案提出者になる予定である。
そうなると、質問に対して答弁する立場となる。
新たな体験なので楽しみ。

15時半から代議士会だったが、民法改正の勉強会が長引いたため遅刻。
16時から本会議。
補正予算案についての審議。
民主党の野田議員が反対討論中に水をくんで飲もうとしたところ「かけるな」というヤジが飛んだため、「水は飲むものです」と言ったところ、議場係が集まった。
各党には議場係がいて、問題発言らしきものが現れたりすると議長席の横に集まって議論をする。
おそらく議論の結果「水は飲むものです」という発言が議事録から削除されることになるのではないかと思う。
この一件は別としても、野田議員の演説は内容も堂々としていたし原稿にほとんど目を落とすこともない話しっぷりで、とても立派だった。
昨夜が徹夜国会だったため、居眠りしている議員が多かった。

本会議後、飯田橋の病院までお見舞いにうかがい、その後赤坂に戻って議員の集まり。
みんな眠いのによくがんばるものだ。
遅くなったため、また、あまりにも眠いため東京泊。



■11月22日(水)

8時から厚生部会。
昨日、参議院から議員立法で提出された「保健婦助産婦看護婦法の一部改正案」に関して、我が党の「男性助産婦問題ワーキングチーム」の中間報告。

「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法の一部を改正する法律案」について社民党の中川智子議員から説明。
薬害ヤコブ病(ヒト乾燥硬膜を移植したためにクロイツフェルト=ヤコブ病という致死性の難病にかかった事件)に関連して。
今は救済されるのは医薬品の副作用のみだが、それをヒト動物由来製品にも広げようとする法案。

9時半に法制局の方が見える。
私が枠組みを作ったものに手を加えていただくよう依頼しておいた「子供たちを有害な情報から守るための法律」の骨子が完成したので、それに対してさらに注文をつけて午後までに手直ししていただくよう頼む。

10時半から民主党本部で始まっていた広報委員会のポスター・チラシチーム会議に遅刻して参加。
新年のポスターについて。
21世紀のはじめでもあり、メンバーで知恵を絞る。

12時から、毎日新聞の人と打ち合わせ。
12月にメディアについてのシンポジウムに参加するため、そのための打ち合わせである。

13時半から民主党税制調査会役員会。
外形標準課税について。

14時から、民主党男女共同参画・人権・総務部門(石毛えい子ネクスト大臣担当)の会議。
各部門の経過報告と今後の方針検討。
私の作っているプロジェクトチーム2つ(有害情報、保育行政)、青少年問題特別委員会が所属する青少年部会、私が事務局次長を務める男女共同参画調査会は、すべてこの部門に属する。

15時半に法制局の方が再度見える。
プロジェクトチームの肥田美代子座長を交えて、最終確認。

16時30分から、有害情報プロジェクトチームの第6回会議。
完成した骨子についてメンバーから意見を出してもらう。
様々な角度から議論ができて大変有意義。

18時32分の新幹線で宇都宮へ。
宇都宮到着後、民主党県連の会議。



■11月23日(木)

勤労感謝の日。
支持者宅の訪問、街頭演説、施設訪問、お見舞いなど。



■11月24日(金)

夫の父親が持病の発作のため昨夜緊急手術を受けたため、夫と娘を連れて東京に行くことになる。
9時45分の新幹線で東京へ。
娘を私の実家に預け、夫は病院に向かい、私は議員会館へ。
保守党の松浪健四郎議員が「お詫び行脚」と称して衆議院議員事務所を全室歩いているらしく、私が政局について取材を受けている間に、私のところにもやって来る。
「大人がキレちゃだめですよ」と伝えて、私の著書「親子不全<キレない>子供の育て方」を進呈したところ、松浪氏は「感想文を書かせていただきます」。
よほどニュースがないらしく、この様子がテレビで放映されたり新聞記事になったりした。

12時10分に法制局の方が見える。
22日のプロジェクトチームでの議論をもとに、有害情報から子供たちを守る法律について、さらに改善すべき点の意見を伝え、手直しを依頼する。

13時すぎに議員会館を出て義父のお見舞い。
8時間に及ぶ大手術をして、心臓のすぐ近くの大動脈に人工血管を入れ、麻酔から覚めたばかりとは思えない元気さで一安心。

とんぼ返りで議員会館に戻り、14時から小宮山洋子議員の部屋で「女性と税制」について打ち合わせ。
私と小宮山さんが政策とりまとめの責任者である。
12月のはじめまでにまとめなければならないので焦っている。
税理士のブレインの方も招いて、政策論議をする。
民主党は全体として「控除から給付へ」という方針でやっていくことになる。
選挙前には「課税最低限の引き下げ」が話題になったが、あれも要は控除から給付へということ。
控除というのは、税額に対する控除であり、税金を払っていない人(つまり低所得の人)には何の恩恵もない。
給付であれば、皆が等しく恩恵を受けられる。
「課税最低限の引き下げ」というのも、低所得層いじめなどと言われていたが、本当の低所得の人たちにとっては、むしろ税負担と給付をプラスマイナスすると得をする仕組みなのだ。
政策としては好ましいと思うが、民主党の候補者であった私でさえ、民主党の人たちの「苦い水」などというコメントを聞いていると、単なる低所得層いじめなのではないかと思っていたのだから、民主党は本当に説明が下手な党なのだと思う。

17時からアンアンの取材。
今まで政治家を取り上げたことはほとんどないと言う。
こういうメディアに関心を持たれて載せてもらえることは、政治への関心の高まりに貢献できるのではないかと期待している。

夫と娘と合流して夕食をとり、20時12分の新幹線で宇都宮へ。



■11月25日(土)

午前中は地元で支持者宅訪問。

14時から連合栃木の女性集会。
大急ぎで移動して、14時半から「国政報告会&ネットワーク会議」に参加。
今回は、14時から30分間、私抜きで皆さんが話し合いをしてくださるという異例の試み。

16時半から個人相談。

夜は会合2つ。


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