国会報告 その192(2004.06.07発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回、発行しております



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国会報告(5/29〜6/5)



■ 参議院で異常な強行採決



 6月3日、参議院の厚生労働委員会で与党が突然年金法案の強行採決を しました。この日は、強行採決が囁かれていましたが、午後は小泉首相も 出席しての総括質疑が行われており、ちょうど公明党の質問が終わったと ころで「審議打ち切り、採決」の動議が出されました。この抜き打ちの動 議のため、共産党と社民党、さらに18年間の議員生活最後の質問をする はずだった西川きよし議員は質問の機会を奪われてしまいました。いくら 多数派だからと言って、自分たちだけ質問をしておいて、少数派には予め 理事会で割り当てた分の質問もさせないなど、横暴も極まれり、というと ころです。また、総理出席のもとでの強行採決、総理出席の質問を打ちき っての強行採決、どちらも戦後初めてのものだということです。

 公明党の質問が終わったタイミングで、というのは与党の議員も想定し ていなかったシナリオだったということで、まさに突然のことだったそう です。なぜこんなことになってしまったのか、というと、そのカギは、公 明党の前の民主党の質問にあります。民主党の山本孝史議員の質問に、小 泉首相はほとんど答えられませんでした。法案の中核であるマクロ経済ス ライドについて尋ねられても、「専門家に聞け」と答える始末。このまま 小泉首相に答弁を続けさせると、まさに「もたない」と考えた官邸の判断 だったようです。



■ 衆参そろって抗議行動



 参議院での暴挙を受けて、翌4日は衆参それぞれで全面的な対決状態に なりました。衆議院では、私も議員になって初めての牛歩を体験しました が、その途中で自民党の村上誠一郎議員が民主党の三日月議員に暴力を振 るったのには驚きました。その後、懲罰動議が出されることになりました が、本会議では3年半前の松浪議員の「水かけ事件」以来の異常事態でし た。
 衆議院は深夜まで、主戦場の参議院は徹夜で攻防が続き、6月5日8時 現在、まだ年金法案の採決を防いでいます。衆議院では規則上できません でしたが、参議院では4日に、フィリバスター方式(長時間の演説で議事 進行を妨害する方法。欧米の議会で用いられている)がとられ、3時間、 2時間、と演説が行われました。単なる妨害ではなく、本来国会ではこう いう議論をすべきではないか、というくらいの質の充実した演説でした。



■ とんでもない井上大臣発言



 井上喜一防災担当相が長崎県佐世保市の事件について閣議後の記者会見 で「元気な女性が多くなってきたということですかな」などと発言したこ とについて、本人は撤回も訂正も謝罪もしない意向だということですが、 大臣辞任どころか国会議員もやめてほしいと私は思っています。  

 長崎の事件については、私は深刻な衝撃を受けています。あんな形で奪 われた貴重な命、そして残されたご家族や親しい方たちのことを考えると、 申し上げる言葉も出ないほどです。
 そして、この事件が子どもたちや親たちに与える影響についても深刻に 捉えています。私自身、小学生になった自分の子どもにどのように説明し たら良いかを考えあぐねて、事件以来テレビのニュースも子どもに見せて いません。そんな事件に対して、どうしてあんな発言ができるのか、全く 理解できません。国会の年金騒動の中にかすんでしまいそうでしたので、 即刻大臣を辞任するよう民主党として要求すべきだ、と4日の代議士会で 発言しておきました。



■ 江田五月さん応援・発達障害



 5月29日、岡山選挙区の江田五月参議院議員の応援に行ってきました。
江田五月さんは、私が常に「知恵袋」として頼りにしている存在で、ベテ ラン議員には珍しい(?)リベラルな人権感覚を持った方です。岡山選挙 区は定数2だったところが定数1に減ってしまい、江田さんにとっては大 変厳しい選挙になります。どうしても勝ち抜いていただかなければなりま せん。
 江田さんの応援に行った先で、とてもすてきな本をいただきました。
「My フェアリー・ハート」(成澤達哉著 文芸社)という本です。この 本は小説の形をとっていますが、その主人公はアスペルガー症候群の女の 子です。とてもよく書けているのも当然のことで、著者は高機能自閉症の 方なのです。私にこの本をくださったのは、著者のご両親でした。
 著者がこの本を書くきっかけになったのは、殺人事件の時に「犯人の高 校生はアスペルガー症候群」と報じられたため「アスペルガー」が犯罪予 備軍のような形で知られるようになったこと。この本では、アスペルガー のことを、「人間界に迷い込んだ妖精」と説明しており、なるほど、と納 得させられました。
 この本の前半は著者自身の体験(周囲に理解されないこと、対人関係が うまくいかない故のいじめ、など)に基づいて書かれており、後半は著者 の願望(自然に受け入れてくれる先生や友人に恵まれ、アスペルガーの子 が生き生きと暮らしていく)だということです。アスペルガーについて、 あるいは高機能自閉症について、知ってみたいという方にはお勧めです。

 国会でも、先日、超党派の「発達障害の支援を考える議員連盟」が発足 しました。私もそのメンバーになっています。発達障害という、支援が届 きにくかった部分に政治が目を向けるということは大きな意味があると思 っています。発達障害の子どもたちは、理解を得て適切な支援を受けられ るかどうかによって人生の質がガラリと変わってしまいます。本当に発達 障害の子どもたちをサポートできる法律や体制を作れるよう努力したいと 思っております。



■ カナダ大使



 6月2日、カナダ大使館に招かれて大使との朝食会に参加しました。ご く少人数の朝食会でしたので、じっくりと率直な話をすることができまし た。
 カナダは、ご存じの通りアメリカと親しい国ですが、イラクには軍隊を 派遣していません。国連の決議なくしては軍隊を派遣できない、という立 場を貫いたのだということです。また、先日はカナダの首相がアメリカに 行ってブッシュ大統領を批判するスピーチをしたとのこと。「自分たちが アメリカを批判するのは、アメリカには敵対する国ではないところから批 判を受ける必要があると思っているからだ」と大使はおっしゃっていまし た。親しいけれども隷従するわけではない日米関係の作り方や、日本とカ ナダが協調できる分野について、いろいろと懇談させていただき大変参考 になりました。



■ 青少年問題特別委員会で質問



 6月3日、青少年問題特別委員会で質問をしました。
 6月1日に衝撃的な長崎県の事件が起こったばかりでしたから、委員会 そのものにも深刻な雰囲気が漂っていましたが、相変わらず、青少年問題 の特命大臣としての小野清子大臣の存在感が見えませんでした。省庁再編 で内閣府が作られたことが名ばかりだったということがよくわかりました。
詳しくは後日議事録をご覧ください。



■ 党首討論



 本当の「党首討論」ではありませんが、6月2日の決算行政監視委員会 を利用して、岡田克也新代表と小泉首相の初めての党首討論が行われまし た。
 メディアの反応も概ね良好のようですが、岡田さんの愚直なまでの真摯 な訴えの前に、小泉さんのいい加減さがくっきりと浮き彫りになって好対 照でした。
 厚生年金違法加入の問題については、「議員になる前の問題」と明らか なウソをつきましたし(議員になってからも社員として厚生年金に加入し ていた期間があったことこそが大問題)、自らが違法なことをしたという 自覚が全くなく開き直っている姿には多くの方が呆れたのではないかと思 います。岡田代表も言っておられましたが、これでは一般国民が厚生年金 に違法加入することを止められないでしょう。
 その日の晩に私が乗ったタクシーの運転手さんも「あれじゃあ、小泉フ ァンでもおかしいと思うよねえ」とおっしゃっていました。



★定例街頭演説の時間・場所変更のお知らせ★

  初当選前から月曜日の朝の街頭演説を続けてまいりましたが、5月15日からは毎週土曜日の街頭演説(14時〜二荒山神社前。第一土曜日のみ、上三川・南河内)とさせていただいております。
 引き続きよろしくお願い申し上げます。

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