国会報告 その187(2004.04.26発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております



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国会報告(4/19〜4/25)



 ■イラク人質事件のその後




★慎みのないバッシングに海外のメディアも批判

 イラクの人質事件は、人質の命こそイラクの方たちを初めとする皆さま の努力で無事に取り戻すことができましたが、日本人によるバッシングは 目に余るものがあります。
フランス紙のルモンドが、とてもわかりやすい記事を書いていますので、 改めて紹介します。



 20日付フランス紙ルモンドは、イラク日本人人質事件で、日本国内に 「自己責任論」が台頭していることを東京発で紹介、政府や保守系メディ アが人質の無責任さを責め、健康診断や帰国費用の負担を求めたことを批 判した。
 「日本では人質に解放費用の支払い義務」と題した記事は「日本人は人 道主義に駆り立てられた若者を誇るべきなのに、政府などは人質の無責任 さをこき下ろすことにきゅうきゅうとしている」と指摘。
 人質が「イラクで仕事を続けたい」と発言したことをきっかけに、「日 本政府と保守系メディアに無理解と怒号が沸き起こった」とし、費用負担 要求について「この慎みのなさは制裁まで伴っている」と非難した。
 また「(人質の)若者の純真さと無謀さが(結果として)、死刑制度や 難民認定などで国際的に決してよくない日本のイメージを高めた」と評価。 パウエル米国務長官が「危険を冒す人がいなければ社会は進歩しない」と 人質に慰めの言葉を贈ったことも紹介した。
 さらに人質解放に重要な役割を果たしたイラク・イスラム聖職者協会の 代表が、小泉純一郎首相から感謝の言葉がなかったことを嘆いていると伝 えた。(パリ共同)

 この他にも、ロサンゼルス・タイムズは「敵意の渦中への帰還」という 見出しで人質への対応問題を特集し、政府の退避勧告を無視しイラク入り した人質を、小泉純一郎首相が自己責任論を振りかざして非難したと伝え ました。同紙は、対照的な例として、カナダの人道援助活動家の人質が地 元モントリオールで温かい歓迎を受けた例を紹介、日本の例は「西側諸国 とはまったく違った現象だ」と評しています。
 タイムズ紙は「三人の罪はお上に盾突いたことだ」と分析しています。 政府が言う「自己責任論」を「結局、政府に何も期待するなと言っている ことと同じだ」と批判しています。
 海外のメディアによる批判を待つまでもなく、人質の解放を願っていた 一人の国会議員として、また、精神科医として、一連の経緯はひどい人権 侵害だと思っています。インターネット上でのバッシングなどは止める術 もありませんが、それに対して政府がお墨付きを与えているような現状は 異常です。
 また、肉親の無事を祈る家族の方たちの態度も、途中で急変しました。  「箝口令が敷かれた」と指摘しているメディアもあります。これが事実 なら大変な問題です。


★戦後50年築き上げてきた信頼がわずかの間に失われる

 イスラム圏在住の日本人の方たちからメールをいただいています。やは りイスラム圏(イラクと全く関係のない国であっても)における日本人の 評価は変わってきているようです。いくら政府が「人道支援」と言っても、 やはりそんなふうには認識されていないということ、また、いくら「テロ との戦い」と言っても、モスクの攻撃などを見れば宗教戦争に見えてくる、 ということでしょう。
 私自身も、イスラム圏はずいぶん旅行してきました。どこに行っても、 日本人であるということはむしろプラスに働きました。それは、戦後50 年間かけて、NGOの方たちはもちろんのこと、多くの日本人が信頼を築 き上げてきたからです。また、一般庶民の方と電車などで乗り合わせても、 必ず言われたのが「日本は米国に原爆を落とされている」ということ。そ れだけの痛みを経験している日本人なら、自分たちの痛みも理解できるだ ろう、という親愛の情でした。
 それを、小泉政権の失政によってわずかの間にぶち壊されてしまう、と いう現実を見て、外交の失敗の恐ろしさをひしひしと感じています。一刻 も早く政権交代をしなければ、日本はますます厳しい立場に立たされてい くでしょう。



 ■年金審議




★次々と暴露される厚生利権

 4月20日、厚生労働委員会で日本歯科医師連盟及び中医協問題につい ての集中審議が行われました。 驚いたことに、賄賂を受け取った側の関 係者ばかりで、贈賄側の日本歯科医師会関係者が一人も参考人として呼ば れていませんでした。
 そんな中、厚生労働省と広告代理会社「選択エージェンシー」をめぐる 問題もますます明らかになってきました。厚生労働省の職員が、厚生労働 省が出している本の監修をして「監修料」を受け取っていたという異常な 話です。これはさすがに厚生労働大臣も23日の審議で「国が出している ものの監修をして金を受け取るのは許されない」と認めました。
 どういう構造かと言うと、「選択エージェンシー」側は「監修料」とい う名目でキックバックをするから、と言って厚生労働省の研修用冊子の発 注を受ける、ということなのです。もちろん、ここで移動して、最終的に 厚生労働省の職員のポケットに納まっているのは税金です。これを裏金と してプールして使う、ということが習慣化していたという疑いが強くあり ます。「よくある不祥事のひとつ」ではなく、税金に巣食う官僚の構造的 な大問題なのです。

★3閣僚が年金未払い!

 さらに、23日午前の閣議後の記者会見で、中川経済産業相、麻生総務 相、石破防衛長官の3閣僚が、国民年金保険料の未払い期間があったこと を明らかにしました。 
 これは2週間前から民主党が求めていた「大臣、副大臣の年金加入状況 を明らかにせよ」という要求に一部応じる形で出てきたものです。私たち としては、年金の掛け金を引き上げるという法案を提出する以上、提出者 (内閣=つまり、全大臣が提出者ということ)は当然年金の掛け金を払っ ていることが最低条件だろいう、という考えから要求をしていました。ち なみに、民主党の法案提出者と厚生労働委員会の理事は、間違いなく年金 の掛け金を払っています(もちろん私も払っています)。 
 ところが、いくら催促しても与党側が難色を示すので、おかしいとは思 っていました。ついに質問趣意書まで出して、さまざまな形で要求を続け てきましたが、ようやく3大臣の問題が明らかになったのです。特に悪質 なのは中川経産相で、初当選した1983年から20年以上にわたって国 民年金の保険料を支払っていませんでした。
 小泉首相や福田官房長官も含めて、他の閣僚については未回答ですので、 もしかすると「この3人はまだ正直だった」ということなのかもしれませ ん。この不祥事を受けて、ようやく、大臣だけは26日中に回答するとい うことを、19時から再開された委員会で厚生労働大臣が約束しました。  今回の問題は法案審議とは直接関係がない、と与党側は言いますが、そ んなことはありません。まず、当然の礼儀として、年金保険料を払ってい ない人は、法案提出者から抜けるべき、つまり閣僚を辞任すべきです。一 方では、強制徴収のために財産を差し押さえられている人もいるのですか ら。

 もう一点は、今回の件で、「抜本改革」と称する政府案に大きな欠陥が あるということが明らかになったことです。中川大臣のように資産のある 長期未納者は、強制徴収の対象になるはずです。ところが、中川大臣は何 の連絡もなかったといいます。つまり、中川大臣は、厚生年金から抜けた ときに国民年金への切り替え手続きをしなかった、つまり「加入していな かった」ということなのです。強制徴収の対象者は、未払いの加入者のみ ですので、未加入者には何の手も及びません。今回の政府案が成立しても、 この構造はそのままです。



 ★定例街頭演説の時間・場所変更のお知らせ★

 今まで、定例の街頭演説は月曜朝に宇都宮駅前などで行ってきましたが、 「もっといろいろな場所で」というご要望を多くいただいてまいりました ので、月曜日朝は5月10日までとさせていただき、5月15日からは毎 週土曜日の街頭演説(14時〜二荒山神社前。第一土曜日のみ、上三川・ 南河内)とさせていただきます。
 引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。



 ★民主党大躍進パ−ティー開催のご案内★

  民主党は、結党6周年を記念して、下記のとおり「大躍進パーティー」を開催します。
  水島広子は、これまで利権に関係しないみな様に支えていただきながら活動して参りました。これからもこの姿勢を貫いて参りますが、そのためにも、多くの皆様のご協力とご参加をお願い申し上げます。
 ご協力いただける方は、電話又はFAX、電子メールで水島広子事務所までご連絡ください。よろしくお願いいたします。

〇日時 2004年5月18日(火)
      午後6時開宴(午後5時30分開場)
〇会場 ホテルニューオータニ東京「鶴の間」
      東京都千代田区紀尾井町4−1 電話03−3265−1111
〇会費 2万円
〇ご連絡先・お問合せ先
      水島広子事務所(東京) 03−3508−7511
                (宇都宮)028−649−6600






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