国会報告 その186(2004.04.19発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております



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国会報告(4/12〜4/18)



■年金審議



★ボロボロの委員会

4月14日の厚生労働委員会で、第2回の年金審議が行われました。こ の日の審議はボロボロでした。
 そもそも、政府側は、政務官が「党務多忙(?)」を理由に質問の事前 通告を受けにきませんでした。党務が忙しい人が政務官などできるのでし ょうか。
 民主党の質問者からは次々と年金を取り巻く利権、つまり、貴重な年金 掛け金を利権や天下りのために浪費してきた仕組みが明らかにされました。 また、特別会計を大した根拠もなく「どんぶり勘定」で決めてきた、つま り財政法違反の疑いのある問題があることも指摘されました。
 中でも驚いたのは、全国社会保険庁の印刷機(リース料合計10,07 0,582,400円)や金銭登録機(購入金額合計446,486,0 40円)を、取引の直前にできた「カワグチ技研」という会社から入札で はなく随意契約で購入しているという問題です。民主党の議員がカワグチ 技研を訪ねてみたそうですが、会社案内の文書も、社員の名刺もないよう な会社だったそうです。「どうぞお帰りください」と追い返されてきたと のことでした。
 250万円を超えるものについては随意契約ができないはずですが、購 入金額が250万円を超えている社会保険事務所もいくつもあります。
 こういった問題については厚生労働大臣が調査をして報告する旨をよう やく約束しました。ちなみに、現在年金審議の渦中にある吉武年金局長は、 カワグチ技研からの購入のときに、社会保険庁の総務課長だった人です。 当然、このことを良く知っている立場です。
 この年金局長が4月7日の審議のときに、まだ提出されてもいなかった 民主党案について勝手に「消費税は6%必要」とウソの答弁をしたことに ついても私たちは抗議をしてきました。この件については、6%というの が根拠のない数字で事実無根だったことをようやく謝罪してきました。 

 それにしても、審議の間、とにかく驚いたのが委員長の対応でした。委 員長は、党派に偏ることなく中立公正な委員会運営をすることを宣誓して 委員長になります。ところが、厚生労働委員長は、政府側が答弁できずに 時間を浪費しているときにも、質疑時間を止めることもしません。常識的 には、質問者の責任ではなく時間が費やされるときには、質問時間が減ら ないように、時間を止めるのが当たり前のことです。厚生労働委員長が中 立公正な委員会運営をしているとはとても言えません。何度も抗議しまし たが、時間が止められることなく、政府が立ち往生しているままに、質問 時間が終わってしまいました。

★贈収賄事件で7人逮捕!

 14日の委員会ですでにボロボロだった政府でしたが、その日の夜、中 医協(中央社会保険医療協議会)をめぐる贈収賄で逮捕者が出ました。診 療報酬の引き上げを求めて贈賄をした容疑で臼田日本歯科医師会会長、収 賄容疑で下村元社会保険庁長官、加藤連合副会長など7名が逮捕されたの です。
 日本歯科医師会については、14日の委員会審議の中でも、与党議員を 介した働きかけの疑いが問題になっていた矢先でした。ちなみに、日本歯 科医師連盟から自民党への献金額は、3年間で15億円に及ぶということ です。
 また、下村元社会保険庁長官は、年金資金の莫大な流用により年金資金 に巨額の欠損を生じさせたグリーンピア等の運営の責任者だった人です。
 診療報酬がお金で売り買いされていたという今回の疑惑は、日本の厚生 労働行政全般に関わる重大な問題です。バケツの穴をふさがないことには、 中に入れるものの議論をしても意味がありません。そのため、私たちは、 まずこの疑惑解明が最優先であるとして厚生労働委員会で速やかに集中審 議をするよう強く求めました。

★なりふり構わず疑惑隠しの政府・与党

 ところが、政府・与党は疑惑隠しに必死です。なにしろ安部晋三自民党 幹事長も日本歯科医師連盟の献金疑惑の当事者なのです。
 そして、まだ12時間30分というわずかな時間しか審議が行われてい ないのに(野党に至ってはわずか5時間50分。そのうち、政府が答弁で きずにオロオロして費やされた時間を引くとほんの数時間しか審議できて いないのです)、法案採決の前提となる公聴会を22日に行うという日程 を強行採決しようとしてきました。
 公聴会は、ある程度委員会で法案の中身について審議した後でなければ 意味がありません。でも、まだ入り口の疑惑の話ばかりで、法案の中身の 議論に至っていないのです。
 年金審議は5年ごとに行われてきましたから私にとっては初めての審議 になります。過去の審議について聞いてみると、年金審議という重要な問 題を、一つの国会で通したという例はないそうです。それだけ見ても、今 回の疑惑を隠そうといかに与党側が焦っているかがよくわかります。指示 をしているのは小泉首相だということです。

★野党の抵抗で与党は強行採決断念

 4月16日に与党は単独で理事会を開き、委員会の日程を決めてしまい ました。でも、そんな勝手な日程を委員会で採決しないように、民主党と 社民党が委員会室周辺で必死の抵抗をしたため、最終的には19時半過ぎ に委員会が散会となり、この日は野党の勝利ということになりました。今 まで、強行採決の時の抵抗はパフォーマンスに過ぎないとむなしさを感じ てきましたが、今回は、私が議員になってから初めて、抵抗行動が日程に 影響を与えた例となりました。
 ただ、ものすごい乱闘で、国会のあり方を改めて考えさせられました。 特に問題に感じたのは、衛視の立場です。衛視というのは、国会内の警備 をしている人たちですが、決して与党の傭兵などではなく、中立的な立場 であるはずです。ところが、4月16日も、大変な乱闘の中、私も圧死す るのではないかと思いましたが、野党議員を懸命に押しつぶそうとしてい るのは主に衛視なのです。
 例えば私はエレベーターの近くにプラカードを持って立っていたのです が、エレベーターから衛視に囲まれた委員長が下りてくると、周辺で待機 していた膨大な数の衛視たちが殺到してきて、気がつくと身動きがとれな い状態で、自分よりもはるかに背の高い衛視たちにすさまじい力で押され ているという有様でした。
 これほどなりふり構わず自分の意見を通そうとする政府・与党は明らか に異常ですが、逃れられない疑惑でそれほど追いつめられているというこ となのでしょうか。
 いずれにしても、衛視の暴動については、議院運営委員会を通して抗議 をすることになりました。



■イラク情勢




 イラクで拘束されていた計5名の方たちが無事解放されたことを心から 喜んでいます。それでも、イラク情勢がますます深刻であるのは事実です。 これから戦況が南部に移ると、自衛隊は退路を断たれて撤退することもで きなくなります。4月14日の党首討論でも菅直人代表が小泉首相にかな り迫りましたが、現在のイラクは明らかに戦闘地域です。イラク特措法の 立法事実がなくなったことからも、政府は自衛隊の撤退を真剣に検討すべ きです。 

 ところで、今回の人質事件について、「自己責任論」なるものがにわか に高まっています。私のところにも、前回の国会報告に「彼らが自己責任 で行ったという観点が抜けている」というメールが来ました。
 「自己責任」という当たり前の概念が日本ではそんなに目新しいことな のだろうか、と改めて感じます。これについては、米国のパウエル国務長 官のコメントが的を得ていると思います。つまり、「命を賭して良い目的 のために危険な地域に行っている人の存在を誇りに思わなければならない」 ということなのです。イラクの今の情勢を考えれば、3名の方たちをはじ めとして今イラクに入る人たちは、当然死ぬことも覚悟しているでしょう。 命のリスクも考えている、という意味では、当然「自己責任」で入国して いるのです。周りで騒ぎ立てる性質の問題ではないと思います。そして、 どんな命であろうと守ろうと努力するのが政治や行政の役割でしょう。元 外相の高村議員がテレビで「無謀な登山をした人のことも救助するではな いか」と言っていましたが、そういうことです。救助にかかった費用を請 求するのであれば、事前にオプションの説明をして選択させるという手続 きが当然必要になるでしょう。



■憲法調査会で質問しました



 4月16日、「科学技術の進歩と憲法」というテーマで開かれた憲法調 査会で、バイオエシックスについての質問をしました。詳しくは後日議事 録をご参照ください。




★定例街頭演説の時間・場所変更のお知らせ★

今まで、定例の街頭演説は月曜朝に宇都宮駅前などで行ってきましたが、 「もっといろいろな場所で」というご要望を多くいただいてまいりました ので、5月15日からは当面、毎週土曜日14時から二荒山神社前で行わ せていただきます。
 月曜日朝は5月10日までとさせていただきます。引き続きどうぞよろ しくお願い申し上げます。



★民主党大躍進パ−ティー開催のご案内★

 民主党は、結党6周年を記念して、下記のとおり「大躍進パーティー」を 開催します。
 水島広子は、これまで利権に関係しないみな様に支えていただきながら活 動して参りました。これからもこの姿勢を貫いて参りますが、そのためにも、 多くの皆様のご協力とご参加をお願い申し上げます。
 ご協力いただける方は、電話又はFAX、電子メールで水島広子事務所まで ご連絡ください。よろしくお願いいたします。

〇日時 2004年5月18日(火)
      午後6時開宴(午後5時30分開場)
〇会場 ホテルニューオータニ東京「鶴の間」
     東京都千代田区紀尾井町4−1 電話03−3265−1111
〇会費 2万円
〇ご連絡先・お問合せ先
      水島広子事務所(東京) 03−3508−7511
               (宇都宮)028−649−6600






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