国会報告 その178(2004.02.23発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております



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国会報告(2/16〜2/22)


■予算委員会で質問しました



2月19日、民主党の雇用担当大臣として、予算委員会で厚生労働大臣と 文部科学大臣に質問をしました。
詳しくは後日議事録をお読みいただきたいと思いますが、主に若年の失業、 職業教育訓練、仕事と私生活のバランス、虐待などについて質問しました。


★問題提起して検討を約束してもらった事項は

◎若年の失業は、2003年に史上初めて10%を超えるという深刻な事 態に陥っているが、若年の失業については、いくつもの特別な配慮が必要 である。長期間仕事をしてきて失業するという人とは異なり、仕事をする という生活パターンの経験が全くない、あるいは、ごく短期間しかない、 ということになってしまうと、働きながら生活をするという習慣が当たり前のものにならない。

いかに何もしない期間を短くするか、ということについては、ヨーロッパ 諸国の政策を見ても、かなり力を入れていると言える。EU諸国、その他の 様々な国々は、失業期間が6カ月にならないうちに、職業訓練を受けさせ る、というような施策を講じており、職業訓練を受け ることが本人の権利であると同時に義務であることを明確にした誘導政策 をとっている。私も昨夏の視察の折りに、デンマークで聞いてきた。
日本の若年就労支援策は、諸外国に比べるとはるかに遅れており、自ら就 職を希望する人に対する支援が端緒についたばかりである。でも、今後は、 ヨーロッパ諸国のようにしていかなければならないという認識があるか。

◎イギリスでニートと呼ばれている存在について。ニートとは、 Not in Education, Employment, or Trainingの頭文字をとったもので、 教育も受けていない、雇用もされていない、職業訓練も受けていない、若 者のこと。

日本でもここのところ急増しており、同年齢の失業者よりも、また同年齢 のフリーターよりも数が多い。ニートがなぜ増えるか、ニートはどういう サポートを必要としているか、など。


★質問の結果、大臣に確約してもらったのは

◎学校中退者を含めて、学校に相談に行けば必ず就労支援の場につなげて いく体制を確立すること。
(文部科学大臣)
◎労働基準法や雇用均等法などを踏まえて、現実に役立つ知識を義務教育 段階できちんと教えること。(文部科学大臣)
◎子どもの「心の居場所」としてのチャイルドラインを支援していくこと。 (文部科学大臣)


★前向きに検討する旨の答弁をとったのは

◎雇用の流動化を受けて、従来は企業が担ってきた職業教育訓練を、社会 的な施策として重視していくこと。
◎パート労働者の均等待遇を、前向きに推進していくこと。
◎虐待についての研究や専門家養成をするセンター設立に向けて、前向き に検討すること。(厚生労働大臣、文部科学大臣)




■岸和田視察のその後の変な経過



先日の岸和田虐待問題の視察後、次々と変なことが起こっています。

まずは、何と、青少年問題特別委員会の委員長名で私が厳重注意を受けて しまいました。

きっかけは、下野新聞に載った私のインタビュー記事です。
岸和田視察の後にインタビューに応じたものです。
この国会報告でも書きましたが、民主党で現地視察を求めたのに与党の反 対で委員会としての現地視察ができなかった、という記事の内容を与党の 理事が問題視したようです。確かに1月31日の理事会では、関係者を一 室に集めての視察という案に、民主党も賛成しています。しかし、視察す るならやはり現地に行くべきではないかという意見が党内から(私も含め て)出され、改めて与党に視察内容の変更を提案したが、与野党の筆頭理 事間協議(実質的にはここで多くのことが決まる)では、与党の筆頭理事 が最後まで認めなかった、ということは事実です。

厳重注意のもう一つの理由は、視察の意見聴取は「秘密会」(非公開?) なのに内容を外部に漏らしたこと、だそうです。
確かに意見聴取の場は非公開(マスコミは頭撮りだけ)でした。しかし、 その内容について、後日、議員の良識に従い、皆さまにいろいろな形で 報告することがあってしかるべきだと思います。
というよりも、立法調査として公的に行っていることですから、むしろ 積極的に発言する責任があるのではないでしょうか。そうしなければ、 立法に向けての提案もできないのではないかと思います。

事実、予算委員会では、私が新聞に話した以上の内容が公然と議論され ています。
なぜこんなことで厳重注意を受けなければならないのか、全く釈然とし ません(先輩議員にも聞いてみましたが、やはりオカシイとのこと)。
何やら政治的なニオイを感じます。

さらに、おかしなことが起こりました。
先日の国会報告で、学校側が虐待の「通告」をしたのかどうか疑問を感 じたと書きました。
その疑問は的中し、16日に「特別委員会への報告の一部訂正」なる文 書が配布されました。「水島委員からの『通告という認識はあったのか』 という質問に対し」、「通告の意図をもちながら家庭センター側に伝わ らなかったような説明をしたことを訂正する」「通告であるかのような 認識は ありませんでした」とのことです。

間違いに気付き訂正したことは評価できますが、これは単なる勘違いで すむ問題なのでしょうか。
事件を取り巻く大人社会のあり方が改めて問われているように思います。



■児童虐待防止法改正




児童虐待防止法の改正が、大詰めに入っています。
ここ1年くらい超党派の話し合いを続けて基本的な枠組みを作ってきま したが、そこにさらに民主党らしいポイントを加えた民主党改正案が近 日中にまとまります。
その上で、超党派の協議に入る予定です。



■チャイルドライン議員連盟の事務局長に就任することになりました



子どもが安心して気軽に電話できる場を提供するチャイルドラインをサ ポートするチャイルドライン設立推進議員連盟には私も以前から参加し ていましたが、この度、事務局長を務めていた保坂展人さん(社民党) が議席を失われたため、その後任として事務局長に就任することになり ました。同時に、会長の河村建夫さん(自民党)が文部科学大臣になら れたため、全体的に人事を見直して、再出発することになりました。
会長は自民党の小杉隆衆議院議員にお願いする予定です。
チャイルドラインのさらなる発展のために尽力すると共に、子どものサ ポートを超党派で話し合う場として充実させていきたいと思っています。



■足銀問題公開説明会




2月21日、宇都宮で第3回公開説明会(民主党県連主催)を開きまし た。今回は、公認会計士の皆さまに足銀問題の論点を語っていただき、 大変有意義でした。国と地方の関係、立法不作為など、多くの問題が凝 縮された足銀問題に、引き続き取り組んでまいります。






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