国会報告 その164(2003.11.17発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




国会報告 バックナンバー|HOME

■選挙戦を振り返って

改めまして、このたびの総選挙では大変お世話になりありがとうございま した。
おかげさまで比例復活当選という新たな経験をさせていただき、引き続き 国政で働いていくことになりました。



○物量攻勢とデマの嵐の中で



選挙後、いろいろな方とお会いすると、残念がってくださる方も多いので すが、「あれだけの物量作戦をうたれて、それでも十万票以上とったのだ から質の勝利だ」「相手陣営からの誹謗中傷や怪文書が乱れ飛ぶ中、一度 もそれに反応しなかったのは立派だった」などと選挙の「質」を評価して くださった方も多くいらっしゃいます。

確かに、今回の選挙は、物量や誹謗中傷やデマの嵐の中での凄まじい戦い でした。
また、こちら側も、もっとも難しいと言われている「二期目、相 手は組織を持った元職(つまり、地盤と時間がある)」という選挙パター ンで、体制づくりの立ち遅れもあり、いろいろと悪い条件が重なった中、 それでも、10万人以上の方が良心の一票を投じてくださったということ に改めて感激しています。



○前回は、「子どもの問題」を訴えたが、今回は、「政権交代による脱・ 官僚と地方分権」を訴えた。



今回の選挙で、私は「政権交代による脱・官僚と地方分権」を前面に出し て訴えました。

前回の選挙では子どもや女性の問題を前面に出したのですが、今回は敢え てまったく違うスタイルで選挙をしました。

ですから、未だに「子どものことだけ訴えていれば当選できたはずなのに」 と言ってくださる方もいらっしゃいますし、新聞記事でも「政権交代と党 のマニフェストばかりを訴えて個人の特性が埋没した」などと書かれても います。

でも、私自身、体制づくりなどについての反省はあっても、今回の自分の 主張が間違っていたとは思いませんし、後悔もしておりません。
というのも、前回の選挙では、私は一人の生活者として、精神科医として、 「このような社会現象を変えるために政治を変えたい」ということを訴え ました。

しかし、議員になってそれらの政策課題に取り組む中で、「政策実現のた めには、政治の枠組みを変えなければならない」ということを痛感しての 今回の選挙だったからです。



○脱・官僚政治にしない限り日本の崩壊は食い止められない。



今の日本では、憲法が規定しているような「国権の最高機関」としての機 能が国会にありません。
多くの国会議員はただ委員会室を渡り歩いて無気力に過ごすだけ。大きな 方針は官僚主導で、政官業の癒着を守るような方向で決められていく。
私自身、与党の議員に協力してもらって、この方針を変更してもらおうと 何度か努力したことがあります。


でも、与党の議員をもってしても、「○○省は絶対にこれ以上譲らない」 という結論しか出てこないのです。
これでは国民が選挙で政策を選択するということがいつまでたってもでき るわけがありません。

もちろん、そんな体制の中でも少しでも実を取ろうと努力をしてまいりま した。少しの成果はありました。
でも、とても日本の崩壊を食い止めるに は次元が違う話なのです。



○地方分権なくして「地元の活性化」はありえない。



また、栃木一区において、今回の選挙の重要なテーマは「地元の活性化」 でした。これを実現するためには、地方分権が必要です。補助金制度をな くさない限り、本当の意味での地元の活性化はありえないのです。
そのこ とも、私が選挙戦を通して何としても伝えたかったことでした。これも、 私が地元の方の悩みを解決しようとこの3年3カ月間取り組んで痛感した ことです。



○選挙に勝つためには国会活動はそこそこにした方がいいのか?



今回の選挙の結果を「それでも十万票とれたのは国会での実績があったか らだ」と言ってくださる方もいる一方、「これからは議員立法の数も質問 の回数も半分で良いから地元でどぶ板をやってくれ」と言ってくださる方 もいます。
心配してくださる気持ちはよくわかりますが、そもそも私の目標は「議員 でい続けること」ではなく、「一人一人の心が健康になる社会を作ること」 ですから、今期も前期同様、国会での活動を続けていきたいと思っており ます。



○選挙も、一つの主張。



最後になりますが、今回の選挙では、民主党・連合栃木の皆さまをはじめ、 多くのボランティアの皆さまに支えていただきました。
この場をお借りい たしまして、心より感謝を申し上げます。

総合選対委員長をつとめてくださった簗瀬進参議院議員の存在はやはり大 きかったです。
簗瀬さんは、「私の理想は、子どもたちが選挙事務所で明るくボランティ アをできるような選挙です」とおっしゃいます。
つまり、選挙というと、 汚いもの、近寄りたくないもの、というイメージを払拭したいということ ですが、私もまったく同感です。
今回の私の選挙事務所は、託児スペースも設け、いつも子どもの声が響い ているような事務所でした。

私の秘書や事務所スタッフは子育て中の女性が多いのですが、彼女たちも 元気に選挙戦を乗り切ってくれました。
また、すべてを正攻法で戦いまし たので、子どもたちにも堂々と胸を張れる選挙でした。選挙カーで街を走 っていると、多くの子どもたちから声援をもらいました。
小選挙区で及ば なかったことは残念ですが、明らかに新しく正しい選挙の形を実践できて いるということは誇りです。

政策面でも、選挙の戦い方でも、私は選挙というのは一つの主張だと思っ ています。当選しなければ意味がないのは勿論です。でも、「当選するた めにはどんな手段でも」という考え方の方もいらっしゃいますが、私は、 仮に落選したとしても何かを残せる選挙をしたいと常に考えております。

まだまだ未熟ですが、二期目の議員活動をがんばってまいりたいと思って おります。
また、政権交代をしない限り日本にも地域にも未来はないという考えはま ったく変わっておりません。

すべてが手遅れにならないうちに何とかしなければ、と強く思っています。 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。






国会報告 バックナンバー|HOME