国会報告 その150(2003.7.07発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




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国会報告(6/29〜7/05)


★国会報告6月29日(日)〜7月5日(土)


◆イラク特措法



「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する 特別措置法案」が、7月4日の衆議院本会議で与党3党の賛成により可決 されました。
野党4党は反対。民主党からは桑原豊議員が反対討論に立ちました。

自民党では、大物の議員が採決前に席を立ち、造反をしました。

それほど重大な法案であるのに、記名採決ではなく起立採決としたことも 問題でした。

一部のメディアでは「民主党執行部は党内をまとめられなかった」などと 逃げ腰であるかのような報道がされていますが、実際は違います。民主党 では、先日イラクに派遣した調査団の報告も踏まえ、繰り返し会議を開き、 意見を集約してきました。

まず、政府の基本姿勢の問題点として、以下の点を民主党として挙げてい ます。

●大量破壊兵器問題について、米英両国で情報操作の疑惑が指摘されてい る問題について。
これはつまり、政府がイラクへの武力攻撃を支持した前 提が崩れるということを意味する。
●対象となるイラク国民にとっての必要性を考慮すれば、本来どういう支 援をすべきかの視点がない。
●中・長期的視点から、国益上、対イラク・中東政策に関する戦略が示さ れていない。

そして、政府案の問題点として、つまり、修正すべき点として、以下の項 目を整理しました。

●イラク攻撃の正当性の根拠として、法目的に挙げられている安保理決議 678、687、1441を削除すべきである(つまり、米国等によるイ ラク攻撃は、国連の決議に基づくものではないということを明らかにする)。
●「戦闘地域と非戦闘地域」、「戦闘員と非戦闘員」の峻別は困難であり、 海外での武力行使、武力行使との一体化の可能性も生じうることから、自 衛隊の活動は削除すべきである。(イラク復興支援職員など、文民の活動 は認める)
●連合国暫定統治機構(CPA)は、占領行政を担うものであり、その同意で 自衛隊が活動するのは、交戦権の行使につながる可能性があり、暫定統治 機構の発足を待つべきである。
●施行から4年を経過した日に失効するとしているが、現地の状況から、 2年の期限に短縮すべきである。

これらの点を修正案として提出しましたが、委員会において否決されまし た。
その結果、本会議では全党一致して政府案に反対しました。

なお、テロ対策特別措置法の延長問題については、与党はイラク特措法と セットでの審議・採決を要求していましたが、民主党は一貫して切り離す べきだと主張し、そのとおりの結果とすることができました。



◆集団レイプ問題(2)



自民党の太田誠一議員(元総務庁長官)の「集団レイプをする人はまだ元 気があるからいい」という発言もまだきちんと総括されていないというの に、今度は福田官房長官の「男は黒ひょう」発言まで出てくる始末で、そ の悪質さに、さらに呆れ果てています。これで男女共同参画担当大臣なの だから、始末に終えません。

男性は性欲があって自然(黒ひょう?)なのだから、誘惑的な格好をして いる女性の方が悪い、という論法は、確かによく聞かれるものです。そし て、これほど「セカンドレイプ」につながり、女性を傷つけてきた論法は ないでしょう。もちろん、良識的な男性をも辱めるものです。

私は、精神科医時代、ある集団レイプ事件が問題になったときに、かなり 年輩の男性医師が「そんな時間にそんな場所に行った女性もどこかおかし いよね」と言っているのを聞いて、「じゃあ、先生は、そんな時間に女性 が来たら、みんなでレイプをするんですか?」と思わず尋ねたことがあり ます。口ごもる彼に、「こんな事件の被害者になって、すでに十分恐怖感 を味わい傷ついている女性に、何でそんなことを言う必要があるんですか」 と言わずにはいられませんでした。

「いじめられる子には、その子自身何らかの問題がある」「誘惑的な格好 をしているから痴漢に遭うのだ」などという表現は、未だにそこここで聞 かれます。そして、これこそ、政治が真正面から取り組んでいかなければ ならない重大な人権問題でしょう。

太田誠一議員についても、国会議員としての資質というよりは社会人とし ての資質の問題だと書きましたが、福田官房長官も同じです。男女共同参 画担当大臣としての資質、国会議員としての資質、社会人としての資質、 いずれも疑わしいものです。

法務委員会では、先週から今週にかけて、商法及び株式会社の監査等に関 する商法の特例に関する法律の一部改正案(与党議員立法)の審議が行わ れてきました。
この法案の提出者として、太田誠一議員がずっと答弁席の筆頭に座ってい ました。
私はこの法案の担当者ではなかったので質問に立ちませんでしたが、法務 委員会という人権を守る場で、議員が誰一人として、太田議員の問題を取 り上げなかったことが残念でした。
もちろん、商法とは関係のない話です。 でも、政治は、日々起こる事件に機敏に対応することが問われていると思 います。

さすがに福田官房長官の「黒ひょう発言」については、委員会で取り上げ られ、今のところ、ご本人は「事実に反する」と言っているそうです。記 者との懇談の場で複数の記者が聞いたことが、本当に事実に反するのでし ょうか。
今後の経過をしっかりと注目し、事実だとすればきちんとした対応を要求 していくつもりです。

なお、あまり注目されてはいないようですが、森喜朗議員が少子化問題に 関連して、「子どもを一人も生んでいないような女性が自由を謳歌して勝 手な発言をして、税金の世話になろうとしている」などという暴言を吐い たそうです。子どもを持つことができない女性の気持ちなど、考えたこと があるのでしょうか。相変わらずのレベルの低さにうんざりします。


◆厚生労働委員会で与党が「審議拒否」をしています。



厚生労働委員会では、現在、一般質疑を求めています。年金や医療など、 審議しなければいけないことが山のようにあるのです。
でも、与党は「木村問題(木村副大臣の斡旋収賄疑惑)を追求しないのな ら審議をする。でも、木村問題に触れるのなら審議はできない」というと んでもない理屈で審議拒否をしています。
厚生労働関係は、生活のもっとも基本的な安心を作る委員会です。こんな 時期に、「木村問題」への追求を恐れて審議拒否するとは、本当にとんで もない話です。山井和則議員が「税金の無駄遣い」と言っていましたが、 その通りです。


◆青少年問題特別委員会



委員会は開かれていませんが、野党筆頭理事として、筆頭間協議を進めて います。
虐待防止法改正に向けての日程、そして、どうやら児童買春・ポルノ禁止 法改正案が法務委員会でなく青少年問題特別委員会に付託されそうだ、と いう動きの中、残された短い会期ですが、忙しくなりそうです。



◆民主党栃木県連第7回定期大会が開かれました



6月29日、栃木県鹿沼市で、民主党県連大会が開かれました。 私は開会の言葉と議長選出までの「仮議長」役を務めました。

役員選考委員会の議論に基づき、県連代表は簗瀬進参議院議員が続投、幹 事長は佐藤栄県議会議員(宇都宮選挙区)が新たに就任しました。
大会では、現職がいる一区と二区について「公認に向けて準備中」という 発表にとどまったため、参加された方からは「この大会で公認も決まらな いようで選挙が戦えるか!」という、厳しく温かいご指摘もありました。
一区については、実は、谷博之さんが県議時代に幹事長を務めておられま したが、参議院議員となったため、その後の幹事長ポストが空席のままで す。お願いはしてみても、統一地方選前というタイミングもあって、引き 受けていただけないまま現在に至っています。幹事長もいない現状では、 とても公認手続きなどできるものではありません。
県連幹事長も決まりましたので、今後は一区の人事を固め、きたる総選挙 に向けての体制を作っていかなければなりません。

今回の大会では、簗瀬代表が、ケネディの「国家が自分のために何をして くれるか、ではなく、国家のために自分が何をできるかを問え」という演 説を引用し、「民主党の公認を受けても選挙で何のプラスにもならない、 というような声も聞くが、民主党が自分のために何をしてくれるか、では なく、民主党のために自分が何をできるか、を考えてほしい」と訴えられ ました。
大変感動しました。それができるようになれば、初めての市民政 党が日本に育つことになり、初めて日本の政治が救われるのではないでし ょうか。



★イベントのお知らせ


■城山地区国政報告会(参加無料)
○日時:7月13日(日)10:00〜11:30
○会場:城山地区市民センター
    宇都宮市大谷町1059-5 TEL.028-652-4794

■女性のための政治スクール(参加無料)
○日時:7月13日(日)14:00〜16:00
○会場:宇都宮市総合コミュニティーセンター(明保野町)
○テーマ:男女共同参画の視点に立った国際協調
       〜男も女も、地球人です〜

■水島広子と行く 日帰りバス旅行のお誘い(栃木1区各所発)
  〜初秋のコスモス街道と旧軽井沢の旅〜

○旅行日:2003年9月7日(日)
○参加費:お一人様 5,000円
  (小学生以下 4,000円 )

バス旅行のお申し込み・お問い合わせは、
水島広子事務所 TEL.028-649-6600 までどうぞ。
※お申し込みは8/25までにお願いします




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