国会報告 その123(2002.12.9発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております


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国会報告(12/01〜12/07)




■代表辞任をめぐる一連のゴタゴタについて




 代表選後、支持率の低迷に悩んできた民主党ですが、このたびは、鳩山 代表が突如として統一会派や新党構想を表明し、そして最終的に辞任の決 意をするに至る一連の経過の中、皆さまにはさらにご迷惑やご心配をおか けしました。党所属議員として、心よりお詫びを申し上げます。

 代表選後の党内の様子は、自分自身、これほど自分が所属する政党を恥 ずかしく思ったことはないくらいで、政治の危機を救えない野党第一党の 責任をますます強く感じておりました。

 ただ、私は、この間、党のあり方について積極的に発言することは慎み、 一議員としてできる国会活動に専念してまいりました。というのも、猛烈 な反発を呼んだ幹事長人事は、本来は代表の専権事項であって、代表が幹 事長を指名した後に「話が違う」と怒るのもおかしなことだと思ったから です。特に、代表選で鳩山さんに投票しなかった私は、「話が違う」と言 うべき立場にもありません。これは、菅さんを支援していた議員は誰も同 じであって、一部マスコミで菅グループが「鳩山おろし」をした、などと 書かれているのは完全な誤りであることを指摘しておきたいと思います。

 そうは言っても、この間の民主党の様子には本当に憂慮してきました。 情報公開と説明責任が民主党の命だと思っている私にとって、代表選につ いての説明もきちんとしない、統一補選に負けても誰も責任をとらない、 そんな党は、もはや命を失った党のように見えていました。

 そんな折の鳩山代表の統一会派構想の発表で、民主党をめぐる情勢は雪 崩を打つように混乱しました。ことここに至っては、自分は鳩山さんに投 票しなかったから、などと悠長なことを言っている場合ではなく、党消滅 の危機を乗り越えるためにできるだけのことをやらなければならないと思 っています。
 鳩山代表の辞任については、責任者が責任をとることも民主主義のルー ルだと私は思っていますので、これだけの混乱を招き、民主党のみならず 日本の政治に対してダメージを与えた以上は、代表辞任は妥当な決断だと 思います。とは言え、代表という座を辞任するのはやはり勇気のいること です。最終的に決断をされた鳩山さんには敬意を表したいと思っています。

 10日に行われることになった代表選には、菅直人さんと岡田克也さん が出馬される見通しです。岡田さんも私が尊敬する議員の一人であり、民 主党の危機を救うためには、菅直人さんと岡田克也さんが力を合わせて新 体制を作るのが最善の方法だと思っています。ぜひ、菅直人さんに代表に なっていただき、岡田克也さんには幹事長として、党運営に取り組んでい ただきたいと願っています。

 以下に、菅直人さんの出馬表明文書を掲載します。



何故代表選に立候補の決意をしたか    菅 直人




 今回代表選に立候補することになった私の決意を是非ご理解いただきた いと筆をとりました。

 民主党をこれ以上混乱させないためには、激しい選挙になることは避け たほうがいいのではと私も当初考えていたことは事実です。

 しかし、私を代表選で応援してくれた多くの議員に集まってもらって話 を聞きました。その議員の多くは環境、福祉、薬害、人権、女性政策などの テーマを大事にして政治活動をしている人で、どちらかといえば政治の駆 け引きは得意でない人が大半です。これらの人たちから口々に出たのは、 今の民主党はグループ間の合従連衡など党内政治に長けた人が中心で、国民 の声に耳を貸さない政党になりつつあるという強い危機感です。こうした 市民的、国民的テーマで努力してきた人たちが片隅に追いやられ、党が変質 してきているのではないかという指摘でした。

 私の政治家としての原点は、薬害や住宅問題など社会の矛盾をいかに解決 するかということでした。9月の代表選以降私は党の役職を離れ、1年生議員 の当時の原点に返って中国残留邦人の支援問題や、C型肝炎の問題に取り 組んでいます。政党というものは国民の要求や希望を政治的な力に結集す る道具でなくてはならず、間違っても政治家が権力を手に入れるための道 具であってはなりません。民主党は公害や薬害の被告者等と一緒に政官業 癒着構造と戦うという市民の感覚を取り戻すべきです。私は、今失業や倒 産の不安に、涙を流し苦しんでいる人のために政治をするのだと、決意を 新たにし、「市民が主役」の原点に立ち返ります。

 民主党を自民党の補完政党にしてはなりません。小泉内閣と闘うために 私は立ち上がります。私の真意をご理解いただければ幸いです。

★国会報告


■12月1日(日)




大田原に行き、障害者の方たちの自立支援のためのフェスタに参加。

その後、鹿沼に移動して、14時半から民主党栃木県連の地域ミーティン グ。
私は「子ども達が抱えている問題について」というテーマで、自分が国会 で子どもに関して取り組んでいるテーマや不登校の問題などについて話す。

宇都宮に戻って、夜はお通夜。



■12月2日(月)




7時45分から恒例のマンデーリポート。

9時半から定例の事務所内打ち合わせ。

11時34分の新幹線で東京へ。

13時から、司法と精神医療の連携に関するプロジェクトチーム、法務部 門、厚生労働部門の合同会議。
心神喪失者医療観察法案の審議に関する民主党の姿勢を話し合う。

15時に厚生労働省の方が来室。
先週の私の質問に対する答弁のおかしかった部分について説明と意見聴取 に来られた。

鳩山代表の迷走が続いているので、情報交換などをし、18時36分の新 幹線で宇都宮へ。



■12月3日(火)



8時37分の新幹線で東京へ。

10時20分から法務委員会。
心神喪失者医療観察法案について。野党は厚生労働委員会との連合審査を 要求しているので、午前中は与党のみの質問。例によって与党席はガラガ ラ。

11時半から文部科学・厚生労働部門合同役員会議。
医師法等の一部改正案について。研修指定病院に大学病院を加えようとす るもの。現行法では、大学病院は、厚生労働大臣の指定の必要性の枠外に 置かれている。大学病院といえども、同じように指定対象とすべきだとい うのが当然の考え方だが、卒前教育との関連など、検討すべきこともいろ いろあるので、文部科学部門の意見を聞こうとしたものである。

12時から厚生労働役員会議。

13時から法務委員会と厚生労働委員会の連合審査。心神喪失者医療観察 法案について、参考人質疑。野党側の言い分が聞き入れられて、当事者の 方(全国「精神病」者集団会員の長野氏)が参考人として意見陳述をされ た。

17時から両院議員総会。今日の常任幹事会で承認されたことに基づいて、 鳩山代表が今会期末での代表辞任を発表する。また、野党結集のための協 議会の党内設置と、自由党との関係強化という代表の要望が了承された。

東京泊。



■12月4日(水)




7時半から、栃木県との懇談会。
今までは、国会議員が、県政の現状と国政への要望について県執行部に質 問するという形式で続いてきたが、今日は様子が違い、自民党の県議が自 民党の国会議員を指名して質問する、という構図。挙げ句の果てに、「民 主党の先生方も見えていて何も質問しないのも失礼なので聞きますが、今 の民主党の混乱は?」などという質問が自民党の県議の方から出される始 末。県の関係者は前の晩から東京に泊まり、プリンスホテルで朝食会を大 々的に開いて、この内容というのは解せない。
厚生労働部門会議に出なければならないため、残念ながらそこで中座。
本当は不登校の問題や女性副知事、子ども病院のことなど、聞きたいこと もたくさんあったのだが、発言の機会を得られなかった。

8時半すぎに議員会館に戻り、厚生労働部門会議。
各種事務連絡。
心神喪失者医療観察法修正案について。
同意人事案件。労働保険審査会委員と社会保険審査会委員について。それ にしても、同意人事案件を検討する度に思うのだが、天下り、出戻り、定 年退職後の人たちの「第二の人生」の仕事でありながら、常勤の年間給与 が2263万円というのは、どう考えても非常識なのではないだろうか。

10時半から法務委員会と厚生労働委員会の連合審査。心神喪失者医療観 察法案、与党修正案、民主党対案の審議。
今日は民主党案にもたびたび質問が出され、私が答弁した。
連合審査は17時半まで続いて終わった。

18時に厚生労働省の方が来室し、虐待の問題について。

19時16分の新幹線で宇都宮へ。



■12月5日(木)




6時48分の新幹線で東京へ。

8時から、党本部で日本司法書士会連合会と民主党法務関係議員との朝食 会。
登録免許税に関して、および、簡易裁判所の機能充実と事物管轄の拡大に ついて。

9時15分から法務部門会議。
各種事務連絡。
繰り返し提出してきている盗聴法廃止法案について。
同意人事案件(中央更生保護審査会委員、公安審査委員会委員)について 法務省よりヒアリング。

11時から、全国学童保育連絡協議会との懇談。まだ子ども部門を作って もらえないので、受け皿がないまま、私が会議を主催した。多くの議員が 集まり、学童保育の問題について活発な議論をした。

13時半から、代表選挙制度検討委員会。

14時半から、明日の質問に向けての質問取り。

15時半に赤坂に移動して、国のかたち研究会の若手と情報交換。

16時36分の新幹線で宇都宮へ。

今市に移動して、19時から講演。



■12月6日(金)




7時44分の新幹線で東京へ。

10時半から法務委員会。
冒頭に、戸籍法の一部改正案の採決。

その後、心神喪失者医療観察法案および修正案、我々の対案の審議。今日 は厚生労働委員会との連合審査という形では開けなかったが、厚生労働大 臣の出席を得て、審議となった。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。採決4法案。
NPO法改正案が全会一致で成立したが、支援税制については今後の課題 として残されている。

本会議終了後、法務委員会が再開。
午後の最初は私の質疑。
18時頃までかかって、法務委員会が終了。ついに今日は心神喪失者医療 観察法案の採決が行われた。与党修正案が可決され、民主党案は否決され た。この法案をめぐる経過については、後日詳しく述べたい。

19時44分の新幹線で宇都宮へ。



■12月7日(土)




事務所で来客の後、13時から、緊急集会「子どもへの虐待をなくすため に私たちに何ができるか?」にパネリストとして出席。

途中で抜け出して障害者やボランティアの方たちのクリスマスパーティー に顔を出し、再び虐待の集会に戻って、17時半頃まで有意義な議論をす る。

雪が降ってきたが、支持者の方のお見舞いにうかがう。






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