国会報告 その113(2002.9.30発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




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国会報告(9/23〜9/28)



★9月23日(月)〜9月28日(土)
 代表選を振り返って (9月28日現在 記)

9月23日、13時から、代表選挙集会(臨時党大会)が開かれた。4名 の候補者から最後の訴えがあった後、国会議員と公認予定候補者の直接投 票があり、その後開票結果の発表。
党員・サポーターによる郵送投票の結果は、世論調査の結果を完全に裏切 る形で、全般的に鳩山さんが優勢。菅さんがゼロポイントという県も少な からずあった。合計で、横路さん33ポイント、菅さん94ポイント、鳩 山さん126ポイント、野田さん67ポイントという結果。ちなみに、投 票率は51.3パーセントというのだから奇妙だ。1000円払って、半 数の人が棄権するだろうか。

自治体議員のポイント数は、横路さん10ポイント、菅さん15ポイント、 鳩山さん17ポイント、野田さん5ポイント。
公認候補者のポイント数は、横路さん14ポイント、菅さん22ポイント、 鳩山さん25ポイント、野田さん22ポイント。
国会議員は、横路さん62ポイント、菅さん90ポイント、鳩山さん 126ポイント、野田さん88ポイント。
合計すると、横路さん119ポイント、菅さん221ポイント、鳩山さん 294ポイント、野田さん182ポイント。
菅さんと鳩山さんが決選投票に進むことになった。

決選投票は、公認予定候補者と国会議員による直接投票のほか、党員・サ ポーター投票については、各都道府県連で投票数が上回った方を1ポイン トとして合計していく。この、党員・サポーターによる各都道府県連のポ イント数が、菅さん16ポイント、鳩山さん31ポイントということで、 鳩山さんがリードしている。
投票の結果、公認候補者は菅さん42ポイント(42名)、鳩山さん41 ポイント(41名)で、菅さんの方が1人上回った。国会議員も、菅さん 184ポイント(92名)、鳩山さん182ポイント(91名)、という ことで、菅さんの方が一人上回った。が、結局、党員・サポーターの票差 を挽回することができず、菅さん242ポイント、鳩山さん254ポイン ト、という結果で鳩山さんの当選が決まった。

多くの人にとって想像していなかった結果だと思う。世論調査の結果を踏 まえて、党員・サポーター投票は菅さんが圧倒的に有利だろうと言われて きた。反対に、国会議員票では鳩山さんに遅れをとっていると言われてき た。ところが、ふたを開けてみると、決選投票では、公認候補・国会議員 ともに菅さんの方が勝ち、党員・サポーター票が命取りとなった。

夜になって菅選対の打ち上げ会が行われたが、笑顔を絶やさずに一人一人 の労苦をねぎらい、政権交代に向けてさらに努力したいと語る菅さんは立 派だった。
菅さん自らが「この代表選は、政治的能力だけでなく体力もチェックする 目的もあったのか、大変ハードな日程だった」と冗談混じりに大会で語っ ていたが、全国を飛び回るハードな選挙戦だったので疲れもひとしおだと 思う。希有な人材であることは間違いないので、疲れから回復したらまた 日本のために頑張ってほしいと切に願う。


(以下、菅さんのお礼挨拶)

代表選挙ご支援ありがとうございました

 このたびは、民主党代表選にあたり暖かいご支援をいただき、本当にあ りがとうございました。結果は、わずかな差ではありましたが、決選投票 で敗れ、鳩山由紀夫氏が新代表に選ばれました。
 私はこの代表選で、今の日本の経済、社会の危機的状況は、政治家のピ ンハネと官僚の天下りのため膨大な予算が間違った使途に使われているこ とが原因で、それを改革するためには、官僚任せの政治から真の「国民主 権」の政治に転換させるための政権交代が必要だと訴えてきました。この 考えは、今も変わりません。
 この数年、多忙な毎日でしたので、今後は一兵卒に戻り、自ら研鑚を積 んでまいりたいと考えております。
 これからも変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申 し上げます。

平成14年9月24日
衆議院議員 菅直人


翌日も朝から党大会の続き。国会議員席は空席が目立つような気がした。 ここで鳩山新代表が「幹事長を中野寛成さんにお願いしたい」と突如発表 した。承認の拍手を求められて、しばらく沈黙があった後、パラパラとい う拍手と、小さなざわめきがあった。拍手をしていない人の方が多かった のではないだろうか。この瞬間から、民主党の執行部人事の迷走が始まる ことになった。

大会終了後、幹事長になると目されていた岡田克也さんが鳩山さんに異議 申し立てをしたらしい。「幹事長人事以外を白紙に戻してほしい」という 申し入れによって、内定していた国対委員長人事(鳩山さんの推薦人であ った吉田公一議員)も白紙に戻されたそうだが、それからは、報道されて いるとおりの混乱ぶりだ。

中野寛成さんは、代表選への出馬表明をして途中で取りやめた方だ。旧民 社系の代表格で、民社協会の理事長などをつとめておられる。中野さんが 代表選を断念された後、旧民社グループはこぞって鳩山さんの支援に回っ た。その結果が、旧民社系の組織をフル動員しての党員・サポーター票に おける鳩山さんの勝利であると言われている。そして、それがそのまま代 表選における鳩山さんの勝利へと結びついたことになる。
そうやって票をまとめて当選に貢献した人を最重要ポストに登用する、と いうのでは、自民党の派閥政治と何ら変わりがないではないか、というの が、中野幹事長という人事に反対する人たちの声だ。それも、鳩山さんが 選挙中に「私は論功で派閥人事をします」と公約していたのなら問題ない のだが、鳩山さんご自身は「世代交代」「旧党派均衡からの脱皮」などを 訴えておられたのだから、怒りの声は、選挙で鳩山さんを支援した「若手」 の人たちの間から主に出ているようだ。

それにしても、報道されている「若手」という言葉も、若手議員の一人と しては戸惑ってしまう。「若手」というのは、主に野田さんを支援した若 手議員のことを言うようだが、菅選対にも、私と行動をともにしている7 名の衆議院1年生議員のほか、衆参の1〜3年生の、いわゆる「若手」に 当たる人が少なくない。横路選対もそうだった。「若手」が・・・という ふうに報道されると、私までも同じ主張をしているように受け取られてし まうが、人事に意義を唱えているという「若手」には、当然私たちは含ま れていない。すべては、鳩山氏を支援した人たちの間での話だ。菅さんに も何のポスト提示もないし、私たちは今のところ新聞などを通して様子を うかがっている状態に過ぎない。

人事が迷走している間にも、10月27日に行われる衆参補選の候補者の 方たちは厳しい立場に立たされている。こんな状態の政党に「政権担当能 力」などと言われても、何の説得力もないと思う。街頭演説の時に「民主 党」ののぼりを立てたくないと言う同僚議員もいる。私自身、これほど自 分の所属する党に恥ずかしさを感じたことはなく、少々意気消沈している。
鳩山新代表、そして、鳩山さんに民主党と日本の未来をかけた人たちには、 ぜひスムーズに新体制を築いていただきたい。

以下に、今回の代表選を振り返って、代表選というものの持ち方について 考えたことを二・三述べたい。


代表選の進め方について

立会演説会では、各候補者がそれぞれ演説をし、会場からの質問に対して それぞれが答えるというワンパターンで、「ふつうの選挙みたいでつまら ない」という声が挙げられた。せっかく公職選挙法に関係ない選挙なのだ から、もっと自由で大胆な発想があっても良いはずだと私も思い、ディベ ート形式の実現ができないかと、いろいろと工夫を働きかけてみた。一部 そのような場面も作られたが、足の引っ張り合いになってしまって、まと もな政策論争にならなかった。
インターネットの会議室を利用して、一般市民を巻き込んでの政策論争を する、というアイディアも提案されたが、結局各候補者の日程を調整する ことができずに断念した。
次回の代表選においてはぜひ実現していきたい方法である。


党員・サポーター制度について

すでにいろいろなところで述べられているが、やはりきちんと検討すべき だと思う。今回、本人には無断でサポーター登録されていたというケース がかなりあったということが、本人からの不服申し立てで明らかになって いる。あってはならないことだと思う。きちんと検証をして、再発防止策 を講じるべきだと思う。

いろいろな問題もあった代表選だが、投票依頼の電話かけや面会で、日頃 ゆっくり話をできない同僚議員や公認候補者の方たちと、民主党に対する 考え方を話し合うことができたのは収穫だった。

皆さまには改めて代表選にいただいたご協力に感謝を申し上げると共に、 どうしたら日本に市民が主役の政治を実現できるか、引き続き共に考えて いただきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げ ます。


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