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2002年4月5日

医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案の概要


1.立法の背景・目的

 背景:
医療を受ける者に対し医療に関する情報が十分に提供されているとはいえない状況にあること、医療に係る事故等とこれに対する医療機関等の対応の在り方(隠蔽体質等)が問われる事態の相次ぐ発生等により医療に対する国民の信頼が低下しつつあること等

 法律案の内容及び目的:
医療を受ける者に対する医療に関する情報の提供についての基本的な事項、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備に関し必要な事項等を規定
                ↓
医療を受ける者の理解と選択に基づいた良質かつ適切な医療の提供の促進・医療の透明性と安全性の確保等
                ↓
医療の信頼性の確保向上・医療を受ける者の権利利益の擁護

2.基本的理念・責務

  • 医療、医療に関する情報の提供、診療に係る情報についての管理と共有化に関する基本的理念を規定
  • 医療機関及び医療従事者、医療を受ける者並びに国及び地方公共団体の責務を規定

3.主な施策

(1)医療機関に関する情報の提供
  1. 書類の備置き及び閲覧についての医療機関への義務付け
  2. この法律に定める権利等に関する医療機関内の掲示の義務付け
  3. 医療機関に係る広告規制を緩和するための措置は別に法律で規定

(2)診療に係る情報の提供
  1. 医師・歯科医師による診療に際しての説明及びその概要を記載した書面の交付
  2. 説明等と異なる診療又は適切でない診療が行われた場合の患者等への報告
  3. 現に受ける診療についての医療適正化委員会への相談(セカンドオピニオン)
  4. 診療記録の開示及び訂正等
  5. 明細書の交付

(3)安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備
  1. 一定規模以上の医療機関における医療適正化委員会の設置
  2. 重大な被害が生じた医療に係る事故の都道府県知事等への報告
  3. 医療技術評価・医療等に関する第三者評価の促進

(4)苦情の解決
  1. 医療適正化委員会に対する苦情の申出
  2. 都道府県等による苦情の処理





法律案要綱


第一 総則

一 目的
  この法律は、医療を受ける者に対し医療に関する情報が十分に提供されているとはいえない状況にあること、医療に係る事故等とこれに対する医療機関等の対応の在り方が問われる事態の相次ぐ発生等により医療に対する国民の信頼が低下しつつあること等にかんがみ、医療を受ける者に対する医療に関する情報の提供についての基本的な事項、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備に関し必要な事項等について定めることにより、医療を受ける者の理解と選択に基づいた良質かつ適切な医療の提供を促進するとともに、医療の透明性と安全性の確保等を図り、もって我が国の医療の信頼性の確保及び向上と医療を受ける者の権利利益の擁護に資することを目的とすること。
(第一条関係)

二 定義
  1. この法律において「医療機関」とは、病院、診療所、介護老人保健施設その他の医療を提供する機関であって厚生労働省令で定めるものをいうこと。
  2. この法律において「医療機関の開設者等」とは、医療機関を開設した者(国の開設する医療機関その他の厚生労働省令で定める医療機関にあっては、厚生労働省令で定める者)をいうこと。
  3. この法律において「医療機関の管理者」とは、医療機関を管理する者をいうこと。
  4. この法律において「医療従事者」とは、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療業務に従事する者をいうこと。
  5. この法律において「診療記録」とは、診療録、処方せん、検査記録、看護記録、エックス線写真その他の診療の過程において医療従事者が作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって厚生労働省令で定めるものをいうこと。
    (第二条関係)

三 基本的理念
  1. 医療は、医療を受ける者の人格と権利利益が尊重され、医療を受ける者と医療従事者との信頼関係の下に医療を受ける者の理解と選択に基づいて行われることを基本とするとともに、それが提供されるに当たっては、安全で、かつ、その時点における医療の水準及び医学医術に関する専門的科学的知見に照らして適切なものとなるよう最大限の配慮がなされなければならないこと。
  2. 医療に関する情報は、医療を受ける者の理解と選択に資するとともに、医療の透明性を高めるよう、適切に提供されるものとすること。
  3. 医療を受ける者の診療に係る情報については、当該医療を受ける者の心身に関するものであることを踏まえ、個人の人格尊重の理念の下に、その安全の確保に特に留意しつつ、適正な管理及び利用がなされるとともに、医療を受ける者と医療従事者との間で当該情報が共有化されるよう、当該情報に対する医療を受ける者の適切な関与につき配慮されなければならないこと。
    (第三条及び第四条関係)

四 医療機関及び医療従事者の責務
 医療機関及び医療従事者は、この法律の趣旨にのっとり、医療を受ける者の信頼を確保することに特に留意しつつ、自ら、医療に関する情報の適切な提供について積極的に取り組むとともに、全力を挙げて安全かつ適正な医療を行うよう努めなければならないこと。
(第五条関係)

五 医療を受ける者の責務
 医療を受ける者は、医療がその理解と選択に基づいて行われるべきものであることを自覚して、医療従事者に協力しつつ、それにできる限り主体的に取り組むよう努めるものとすること。
(第六条関係)

六 国及び地方公共団体の責務
 国及び地方公共団体は、医療に関する情報の適正かつ円滑な提供の促進及び安全かつ適正な医療の確保を図るために必要な各般の措置を講ずるとともに、医療を受ける者によりこの法律に定める権利等が適切に行使されるよう、それに関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとすること。
(第七条関係)

第二 医療機関に関する情報の提供

一 医療機関による情報の提供
 医療機関は、医療を受ける者の選択等に資するため、適当な方法により、できる限り広く、その提供する医療の内容に関する情報、その有する人員、施設及び設備に関する情報その他の当該医療機関に関する情報を提供するよう努めなければならないこと。
(第八条関係)

二 書類の閲覧
 医療機関(厚生労働省令で定めるものを除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、当該医療機関の医療従事者の員数、施設及び設備、医療の提供の実績等に関する事項を記載した書類を、当該医療機関に備え置き、医療を受ける者の求めに応じ、閲覧させなければならないこととし、違反に対する罰則を設けること。
(第九条、第三十八条第一号及び第三十九条関係)

三 掲示義務
 医療機関の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律に定める権利等について、当該医療機関内において医療を受ける者の見やすいように掲示しなければならないこととし、違反に対する罰則を設けること。
(第十条、第三十八条第二号及び第三十九条関係)

四 医療機関に係る広告の規制の緩和
 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告できる事項を定めることの廃止その他の一の趣旨を踏まえた医療機関に係る広告についての事項、内容及び方法に関する規制を緩和するために必要な措置は、別に法律で定めること。
(第十一条関係)

第三 診療に係る情報の提供等


一 診療に関する説明等

  1. 患者の理解と選択に基づいた医療の実施
     医療従事者は、診療その他の医療の提供につき、患者に対して懇切丁寧に説明等を行い、患者からの求めに誠意をもって対応し、その他患者の立場に立ってその役務の提供を行うことにより、患者の理解と選択に基づいた医療を行うよう努めなければならないこと。
    (第十二条関係)

  2. 診療に関する説明
    (1)医師又は歯科医師は、診療に際し、患者(患者がその説明を理解することが困難な状態にあるときは、患者の家族その他患者を看護する者(以下「家族等」という。(3)において同じ。)に対し、当該患者の心身の状況に応じつつ、適当な方法により、当該診療に関する次に掲げる事項について、適切な説明を行うものとすること。
    イ 傷病名(その疑いがあると診断されたものを含む。)及び主要症状
    ロ 行おうとする治療又は検査の目的、方法及び予測される効果等(当該治療又は検査が患者の心身に対して負担又は危険を伴うおそれがあるものである場合にはその内容及び程度を、当該治療又は検査に代わり得る他の治療又は検査の方法がある場合にはその方法及びそれによることとしたときの予測される効果等の相違を、当該治療又は検査の内容に薬剤の投与が含まれる場合にはその薬剤の名称、効能、効果、特に注意すべき副作用等を、それぞれ含むものとする。)
    ハ 行おうとする治療又は検査を拒否できること(当該治療を行わないこととしたときに予測される当該患者の心身の状況を含む。)。
    ニ 自己において必要な診療を行うことが困難である場合その他必要な診療を他の医師又は歯科医師に行わせることが適当である場合には、その旨、その理由及び他の医師又は歯科医師に関する情報、他の医療機関に関する情報その他の当該患者が当該必要な診療を受けるために必要な事項
    ホ その他診療に関する重要な事項
    (2)医師又は歯科医師は、(1)にかかわらず、イからニまでのいずれかに該当する場合においては、(1)イからホまでに掲げる事項の全部又は一部について、(1)の説明を行わないことができること。
    イ 緊急に診療を行う必要があるために(1)の説明を行ういとまがない場合
    ロ (1)の説明を行うことが当該患者に対する治療の効果等に明らかに悪影響を及ぼすおそれがある場合
    ハ (1)の説明を受けることを希望しない旨の患者の意思の表明があった場合
    ニ 当該診療に関し説明すべき事項について既に説明が行われている場合
    (3) 医師又は歯科医師は、(1)の説明について、患者から書面の交付を求められたときは、これを拒むことにつき正当な理由がある場合を除き、当該説明の概要を記載した書面を交付するものとすること。
    (第十三条関係)

  3. 説明等と異なる診療又は適切でない診療が行われた場合の患者等に対する報告
     医師又は歯科医師は、2(1)によりあらかじめ行われた説明の内容若しくはそれに基づいて選択された内容と異なる診療が行われた場合又は診療が適切に行われなかった場合には、できる限り速やかに、当該診療を受けた患者(患者が当該診療に関する報告を理解することが困難な状態にあるときは家族等、患者が当該診療に起因して死亡したときはその遺族)に対し、適当な方法により、その事実及び当該診療の概要(当該患者に生命若しくは身体の被害が生じた場合又はそれらの被害が生ずるおそれがある場合には、その概要及びそれに関して講じた措置又は講ずることが必要となると認められる措置を含む。)並びにそのような事態に至った経緯その他当該診療等に関しそれらの者に知らせるべき事項について、報告しなければならないこと。
    (第十四条関係)

  4. 診療に関する相談
        患者又は家族等は、医療機関に医療適正化委員会が設置されている場合には、当該患者が現に受け、又は受けようとする診療について、医療適正化委員会に相談することができること。
    (第十五条関係)

二 診療記録の開示及び訂正等

  1. 診療記録の開示
    (1)患者(患者であった者を含む。以下二において同じ。)又はその遺族は、当該患者の診療に係る診療記録について、当該診療に係る医療機関の管理者(法令の規定により医療機関の管理者以外の者が保存することとされている診療記録については、当該法令の規定によりそれを保存することとされている者。以下二において同じ。)に対し、その開示を請求することができること。
    (2)患者が未成年者又は成年被後見人であるときは、その法定代理人は、当該患者に代わって(1)による開示の請求(以下「開示請求」という。)をすることができること。ただし、当該開示請求をすることが当該患者の意思に反することが明らかである場合は、この限りでないこと。
    (3)(1)及び(2)の者のほか、患者の家族は、患者が診療記録に記録されている情報の内容について理解することが困難な状態にあるとき又は患者の同意があるときは、当該患者に代わって開示請求をすることができること。
    (4) 医療機関の管理者は、開示請求があったときは、当該開示請求をした者に対し、当該開示請求に係る診療記録を開示しなければならないこと。ただし、開示することによりイ又はロに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができること。
    イ 当該患者に対する治療の効果等に明らかに悪影響を及ぼすおそれがある場合その他当該患者の生命、身体その他の権利利益を著しく害するおそれがある場合
    ロ 第三者(当該患者及び当該医療機関の医療従事者以外の者をいう。)の権利利益を害するおそれがある場合
    (5)医療機関の管理者は、(4)ただし書に基づき開示請求に係る診療記録の全部若しくは一部を開示しないとき又は開示請求に係る診療記録を保存していないときは、当該開示請求をした者に対し、その旨を通知しなければならないこと。
    (6)(4)による開示又は(5)による通知((6)において「開示又は通知」という。)は、開示請求があった日から七日以内に行うものとし、事務処理上の困難その他正当な理由によりその期間内に開示又は通知をすることができないときは、その期間内に、開示請求をした者に対し、その期間内に開示又は通知をすることができない理由及び開示又は通知の期限を通知するものとすること。
    (7)診療記録の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録については当該電磁的記録を出力することにより作成した書面の交付により行うものとすること。
    (8)医療機関の管理者は、診療記録の開示を受ける者から、当該開示の実施に関し、実費の範囲内において、手数料を徴収することができること。
    (第十六条から第二十条まで関係)

  2. 診療記録に記録されている情報の内容の訂正等
    (1) 患者は、1(4)により開示を受けた診療記録に記録されている当該患者に関する情報の内容に事実に関する誤りがあると認めるときは、当該診療記録を保存する医療機関の管理者に対し、当該情報の内容の訂正、追加又は削除(以下「訂正等」という。)を請求することができることとし、1(2)及び(3)は、当該訂正等の請求(以下「訂正等の請求」という。)について準用すること。
    (2) 医療機関の管理者は、訂正等の請求があった場合において、当該訂正等の請求に係る情報の内容についての事実に関する誤りがあると認めるときは、診療記録の作成及び保存の目的の達成に必要な範囲内において訂正等を行い、当該訂正等の請求をした者に対し、その旨及び訂正等の内容を通知しなければならないこと。
    (3) 医療機関の管理者は、訂正等の請求に係る情報の内容について、訂正等を行わないときは、当該訂正等の請求をした者に対し、理由を示してその旨を通知するとともに、当該訂正等の請求に係る診療記録に、訂正等の請求があった旨及びその概要を記載し、又は記録しなければならないこと。
    (4) (2)による訂正等及び通知又は(3)による通知及び記載若しくは記録((4)において「訂正等又は通知」という。)は、訂正等の請求があった日から三十日以内に行うものとし、事務処理上の困難その他正当な理由によりその期間内に訂正等又は通知をすることができないときは、その期間内に、訂正等の請求をした者に対し、その期間内に訂正等又は通知をすることができない理由及び訂正等又は通知の期限を通知するものとすること。
    (第二十一条及び第二十二条関係)

  3. 開示等の請求を受け付ける方法
    (1) 医療機関は、開示請求及び訂正等の請求(以下3において「開示等の請求」という。)に関し、厚生労働省令で定めるところにより、請求は書面によることとする等開示等の請求を受け付ける方法について定めることができること。この場合において、開示等の請求をする者は、当該方法に従って、請求をするものとすること。
    (2) 医療機関は、(1)に基づき開示等の請求を受け付ける方法を定めるに当たっては、必要最小限のものに限り、かつ、開示等の請求をする者に過重な負担を課するものとならないよう配慮しなければならないこと。
    (第二十三条関係)

三 明細書の交付
   医療機関は、患者その他の者から、当該患者に係る医療に要した費用につき支払が行われるに際し、当該費用の内訳を記載した明細書の交付の申出があったときは、厚生労働省令で定めるところにより、明細書を交付するものとすること。この場合において、患者以外の者に対する明細書の交付に際しては、医療機関は、当該患者の権利利益を害することとならないよう配意するものとすること。
(第二十四条関係)

四 診療に係る情報の提供等に関する体制等の整備
  1. 医療機関における診療に係る情報の管理、提供等に関する体制の整備
     医療機関は、診療記録の作成及び保存、診療に係る情報の提供等に関する具体的な指針の策定、それらに関する当該医療機関に勤務する医療従事者に対する教育、診療記録を管理する専任の者の配置その他の当該医療機関における診療に係る情報の適切な管理、提供等を行うために必要な体制の整備に努めなければならないこと。
    (第二十五条関係)

  2. 診療記録に関する制度の整備
     看護記録の作成等の義務付け、診療録等の保存期間の延長その他診療記録に関する制度の整備に関し必要な事項は、別に法律で定めること。
    (第二十六条関係)

第四 安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備

一 医療機関における体制の整備
  1. 医療機関における安全かつ適正な医療の確保
     医療機関は、医療に係る事故の防止等に関する具体的な指針の策定、当該医療機関に勤務する医療従事者の資質の向上等を図るための医療技術、安全管理等に関する研修の実施その他の当該医療機関において安全かつ適正な医療を確保するために必要な体制の整備に努めなければならないこと。
    (第二十七条関係)
  2. 医療適正化委員会
    (1) 厚生労働省令で定める数以上の者を入院させ、又は入所させるための施設を有する医療機関の開設者等は、当該医療機関に医療適正化委員会を設置しなければならないこと。
    (2) 医療適正化委員会は、次に掲げる職務を行うものとすること。
    イ 当該医療機関における次に掲げる事項について調査審議し、その結果に基づいて、当該医療機関の開設者等又は医療機関の管理者に対し、意見を述べること。
        i 医療の提供の過程において発生した人の生命又は身体の被害が生じた事故及びそれらの被害が生ずるおそれがあったと認められる事態に関する事項
         医療に係る事故を防止するための対策に関する事項
         その他安全かつ適正な医療を確保するための重要な事項
    ロ 第三の一4による患者又は家族等からの当該患者が現に受け、又は受けようとする診療についての相談に応ずること。
    ハ 第五の二1の苦情の申出を受け、第五の二2により調査等を行うこと。
    (3) 医療適正化委員会の組織については、その中立性が確保されるよう、その委員のうち少なくとも一人以上は、当該医療機関に勤務する者以外の者でなければならないものとすること。
    (第二十八条関係)

二 重大な被害が生じた事故の報告
  1. 医療機関の開設者等は、医療の提供の過程において患者の生命が害され、又は患者の身体に重大な被害が生じた事故として厚生労働省令で定める事故が当該医療機関において発生したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事故の発生した日時、当該事故の概要その他の厚生労働省令で定める事項を当該医療機関の所在地を管轄する都道府県知事(診療所その他の厚生労働省令で定める医療機関にあっては、その所在地が保健所を設置する市又は特別区にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。2において同じ。)に報告しなければならないこと。
  2. 都道府県知事は、1による報告を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に報告しなければならないこと。
    (第二十九条関係)

三 適正な医療等の促進
  1. 医療技術評価の促進等
    (1) 国は、医療技術の普及及び医療の質の向上等に資するため、医療技術に関する情報の収集、評価、整理及び提供等が行われるための基盤の整備、医療技術に関する評価の方法の研究開発の推進、医療技術に関する評価に係る成果を普及させるための環境の整備その他医療技術に関する評価及びそれに係る成果の活用の促進に関し必要な施策を講ずるものとすること。
    (2) 医療機関その他の関係機関及び医療従事者その他の関係者は、国が講ずる(1)の施策に協力するとともに、自主的かつ主体的に医療技術に関する評価及びそれに係る成果の活用に取り組むよう努めるものとすること。
    (第三十条関係)
  2. 医療機関及び医療機関が提供する医療に関する評価の促進
     国は、良質かつ適切な医療の確保及び医療を受ける者の選択に資するため、医療機関及び医療機関が提供する医療に関する客観的な評価を行う仕組みの整備拡充を図るとともに、それが医療機関によって活用され、及びその評価に関する情報が医療を受ける者に対して提供されるために必要な環境の整備に努めるものとすること。
    (第三十一条関係)

第五 苦情の解決

一 苦情の処理
 医療機関及び医療従事者は、その提供する医療又はその医療に関する情報の提供に対する患者その他の者からの苦情について、適切かつ迅速な処理に努めなければならないこと。(第三十二条関係)

二 苦情の申出等
  1. 患者その他の者は、医療機関に医療適正化委員会が設置されている場合には、医療適正化委員会に対し、当該医療機関において行われた診療その他の医療又は第三による診療に関する説明、診療記録の開示その他の診療に係る情報の提供について、苦情の申出をすることができること。
  2. 医療適正化委員会は、1の苦情の申出があったときは、その相談に応じ、当該苦情に係る事情について調査を行い、必要に応じ当該苦情の処理について当該医療機関の開設者等又は医療機関の管理者に対し意見を述べるものとするとともに、その調査の結果(当該医療機関の開設者等又は医療機関の管理者に対し意見を述べたときはその内容を含む。)を1の苦情の申出をした者に対し通知するものとすること。
  3. 第四の一2(1)により医療適正化委員会が設置されなければならないこととされる医療機関以外の医療機関は、患者その他の者からの苦情に適切かつ迅速に対応できるようにするため、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講ずるよう努めなければならないこと。
    (第三十三条関係)

三 都道府県等による苦情の処理
   都道府県、保健所を設置する市又は特別区は、医療機関の提供する医療又はその医療に関する情報の提供について苦情の申出があったときは、その相談に応じ、あっせんその他の必要な処理を行うものとすること。
(第三十四条関係)

第六 その他

一 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
(附則第一条関係)

二 診療記録の開示に関する特例
 この法律の施行の日前に行われた診療につき作成され、又は取得された診療記録の開示については、第三の二1(4)本文及び(7)にかかわらず、当該診療記録の閲覧若しくは写しの交付又は電磁的記録を出力することにより作成した書面の交付に代えて、当該診療記録に記録されている当該診療に係る情報の概要を記載した書面の閲覧又は交付により行うことができること。
(附則第二条関係)

 三 その他所要の規定の整備を行うこと。
(第三十五条から第三十七条まで及び附則第三条から第五条まで関係)




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